転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第83話 神々の世界 決断と新たなる楔。

〝何卒、ご検討のほどよろしくお願いします〟


「それはあまり、オススメする形ではないのだよ
 魂では魂にしかならない、神々の力に変換すれば何にでも使える
 それではダメなのかい?」


〝はい、魂としてのみ使わせて頂きたいと思います〟


「それから生まれた者たちが新たな混沌の種になるとしてもかい?」
〝お忘れですか?絶対神 様〟
「なんのことだい?」
〝もう既に私の世界では混沌の種から花が咲きかけています
 あれで満開ではないのでしょうから、困ったものですね〟


「ハッハハハハハハ」
今日一番で声が響いた。
「そうであった、そうであった
 ハッハハハハハハハハハハハハ」
やっと収まった笑いから一言。


「では、そうしよう。
 与えた新たな魂を活かして欲しい、女神 ファティマ 」
〝はい!そのお言葉通りにこのファティマ 
 全霊を込めまして、世界を繋げてまいります〟
と頭をまた下げた。
「うん、よろしく。
 それより、なんだか最近頼もしくなってきたね、ファティマ君は」
〝はい?〟
頭を上げて返事をしたら
また、初めのイケメンの姿に戻っている絶対神 様。


「初めは、やる気のかけらも感じなかったが今は他の世界に住む者達の事も考えている
 素晴らしい成長だね、これからも彼らと共に世界をよろしくね」
「それともう1つくらいは楔を増やして世界を安定させる事もオススメするよ」
〝女神の使徒では力不足ですか?〟
「不足ではないが、楔とは抑止力でもあるが世界の中で君の理解者にもなりうる存在だ
 もう少し数が居ても良いと思うよ、これからはなおさらね
 だから、生命関連が得意な神々には僕らから言っておくから、相談すると良いよ」
〝絶対神 様からのご紹介ありがとうございます〟
世界の中での理解者は聖女一人ではなく、フェルディナンドも紅姫もそうだが
もう少しいても良いか、誰にしようかと考え始めようとした時
「一人は聖女の父親、僕がスキルを与えた人物で良いと思う
 それとこれは僕らからの提案だが、彼にも楔として役割を与えても面白そうじゃないかい?」
〝それは…〟
「今でも世界に多大な変化を与えているのだから、問題は本来ないはずだよね?」
〝はい…〟
「どうかな??」
〝もしかして、絶対神 様は彼がもっと楽しませてくれるだろうという判断で提案されていますか?〟


「そんな事はないよ、ファティマ君が彼のお陰で世界の流れのバランスが崩れて
 その度に苦労しているが楽しんでいる姿は楽しいだなんて
 さらにこちらに取り込めれば、もっと楽しくなるだろうだなんて僕は
 全く、これっぽっちも何も思ってないよ」


少し前に私が言ったような事を絶対神 様から笑顔で言われた。
うん、本気で楽しんでいる事がハッキリとわかる。
彼もあの時はこんな気分だったのか…と思った。





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