転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第80話 神々の世界 アカシックレコードと絶対神 様。

私はこの世界の大切な情報が常にアップロードされる一冊の本を持って
絶対神 様へと向かっている最中。
一人の女神が現れて私に話しかけてきた。


「あなたね!最近絶対神 様への寵愛を受けているって噂の女神は!」


開口一番、そんな事を言ってきた女神。
私の世界と狭間を挟んで向こう側に世界を持っている女神だった。
ご近所といえばご近所だが、世界の中で共通する事がなければ
ほぼほぼ喋る事がないのが神々の世界の認識。
だから、私も顔を見た事がある程度だった。
〝はぁ〜〟
こんなリアクションしか返せなかった。
「何よ、その返事、あんた調子に乗るんじゃないわよ!」
そういって私の腕を掴んできた。
その拍子に、本が落ちてしまって開いたページに
リアルタイムに3行増えた。


「はっ?なんでそんなに簡単に増えるのよ!」
〝そう言われてもね〜私も困っているのよ〟


その一言を聞いて
「ホント!調子乗るんじゃないわよ!!」
そう言って彼女は消えていった。


全く、隣の世界の女神がまさかヒステリー持ちだったとは。


この本は通称「アカシックレコード」と呼ばれている。


それは神々が決めた事を先に決めて時期が来たらそこから利用する
情報媒体の保管庫の様な場所。
ただし世界に住む人々がそこに保存されている事に近い、もしくは正反対の事を起こした場合
それがこちらに通知されて、女神の力によってそれを止める抑止力の働きもある。
それを抑止を伝える文章が先ほど通知された3行。
本来は1行でも世界を脅かす可能性がある通知が同時に3行。
意味がわからない。
これが最近はほぼほぼ毎日来ている。
このままでは世界が大変な事になるよ!
変更してね!
とアカシックレコードに言われている感じの通知文なのだが
私の常識が当てはまらないのとヒデアキがおかしいのか
書き換えてもそれの斜め上に行くので未来がことごとく変わっている。
お陰で常々、絶対神 様への報・連・ほうれんそうが必要になる。


こんなに面倒なのに、さっきのお隣さんはヒステリーに文句を言ってくるとは
文句を言いたいのはこっちの方よ!
そんな事を思いながら、アカシックレコードを拾い絶対神 様の元へと急ぐ。


絶対神 様のいる神殿へは秘書を通してのみ入る事ができるので
最初に行く場所は秘書の元へ。


「お待ちしておりました、お時間が少し過ぎていますが
 何かありましたか?」
〝ちょっと、お隣さんに絡まれまして〟
「まぁ、それは大変でしたね」
〝特に干渉された訳でもないので大丈夫ですよ〟
「そうですかなら、良いですが。
 では、絶対神 様の元へお連れいたしますね」


秘書は一本の鍵を出し、その場で鍵を回した。
そうすると現れる扉。
その扉が開き、謁見の間が広がる。
謁見の間の奥、13階段を上がりきった玉座に座っている。
今日は丸メガネをかけた、髪がぼうぼうなくせして、30代前半のイケメンの容姿を持っているのが
絶対神 様、その人なのである。

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