転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第71話 ウンター・ヴェルト 紅事件 女神の称号

これで問題も減ると思っている女神ファティマは
聖女に対して
〝貴女には、私との関係がはっきりしている方が良いので
 称号をお渡しします。〟
「えっ、称号ですか!?」
〝はい、聖女は人間側が決めたものでしょ?
 正式な女神の使徒として彼を導いてください〟
「はぁ〜」
いきなりの女神の使徒宣告に、ウルスは戸惑いを隠せない。


称号は本来なら多大なる功績を出し、それを神に祈り伝えて
神の試練を乗り越えて初めて、貰えると言われるものである。
自分の父でさえ、「天漢王」の称号を貰うまでは
大変な苦労をしたらしいのだから。


〝貴女の父上もまた称号をお持ちでしたね
 その称号は絶対神から貰い受けたものですから
 かなり強力ですが私の称号もそれなりですから
 ご安心くださいね!〟
ウィンク付きで言われたがウルスからしてみると
「はぁ〜」
としか、返せなかった。


〝という事で、これからよろしくお願いしますね
 ウルス・フォン・ミルヒシュトラーセ
 私と共に、あの世界を乱す男を止めましょう!!〟
「頑張ってみますね…」
〝では、早速
 女神の使徒として彼を止めてくださいね!〟


この言葉を機に、意識が体に戻っていった。
目の前のフェルディナンドの言葉が続く。
「ーーー彼の様子を見るに多大なる変化はありますが
 この町を守るように紅姫を離してくれましたので
 信じたいとは私は思っていますが…
 どうかしましたか?聖女様?」
「いえ、なんでもありません。
 ヒデ様の近くまでは行けませんか?」
「それはあまりにも危険かと思いますが…」
「それは危険です、姫様!」
止めようとする、フェルディナンドと白騎士。


「私は父から今回のこの顛末を見届けるように頼まれています
 ですから、無理はわかっていますがお願いします。」


真っ直ぐな目でフェルディナンドをみる、ウルス。
それが聞こえていたのか、ディナンと一緒にいたアマリアが声をあげた。
「なら、私も一緒に行きたいです!
 みんなを守ってくれと言われたので、守る人が動くなら
 私も一緒に行きます!」
そして、スライムのポンでまだ遊んでいたコブシも遊ぶのをやめて
アマリアの頭に乗り、片足を上げていた。


「わかりました、なら私たちも付いていきますよ
 それでも、危険を感じたらそこまでにしましょう
 それでいいですね、白騎士殿も」
「あぁ、承知した。」
フェルディナンドと白騎士も渋々ではあるが、納得した。


「では、皆さんでいきましょう!」


称号 女神の使徒
戦闘力、魔力などの大幅なプラス補正
アンデット系に対しての大幅な補正など
戦闘や回復などの能力アップもあるが
女神が望む事に対して
近しい願いを起こす時万人に受け入れられやすくなるという能力もある。
ただし、それが一番効いてほしい人間には効くかどうか
まだ、わからない。

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