転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第46話 ウンター・ヴェルト 紅事件 邂逅。

開け放たれた扉から入ってきた紅いドレスと紅い髪
金色の瞳を持つ原色竜 紅姫が人の姿で立っていた。


「わっしを放り出してこんな所で何をしておる、フェルディナンド」
俺には目もくれず、フェルディナンドにそう告げる。


そして、アマリアを見つけ、アマリアに
「お主は面白そうな娘じゃな!
 良い魔力を持っておる、どうじゃわっしの所に来んか??」


「いえ、ご主人様の所にいますから」
そう言われて、俺を見てからフェルディナンドを見た。
「フェルディナンドがご主人様では大変ではないか?
 わっしの方が楽じゃぞ!」
そして、俺とアマリアの間に座ってくる。
俺はガン無視らしい。
「私のご主人様はヒデアキ様です。」
「ヒデアキ?誰じゃそれは?」
そう言われた、アマリアを俺をさしながら
「私のご主人様は、ヒデアキ様です。」
そう言った。


「ほぉ〜この人間がこの面白い魔力を持つものの主人というのか?」
その瞬間、フェルディナンド、アマリア、ナンド、ディナンが強張った。
「まぁ、そういう事だからスカウトは辞めて貰えると嬉しいな、紅竜」
………………しまった!
いつもの癖で、つい言ってしまった。


「お主、わっしのことを紅竜じゃと?愚弄しておるのか!!!!」
その瞬間、屋敷が吹っ飛び、周りは部屋から草原へと景色を変えた。
そして、少し離れた所にいる聖女御一行も確認できるほど
綺麗に屋敷を吹き飛ばすほど怒っている、原色竜 紅姫。


そして、俺の胸倉を掴み、放り投げてから
「舐めるでないぞ、人間」
「紅姫、やりすぎだ!」
「フェルディナンド、これはケジメじゃ、ただの人間風情に…」
俺の飛んだ方を見て、言葉を詰めた紅姫。


「イッテェ〜」
木に衝突する寸前に糸が体に絡まったのがわかったから
きっと、コブシが手助けしてくれたのだろう
だから、俺は頭からぶつかったがちょっと痛い程度で済んだ。
「多分、コブシかなありがとうな。」
見えないコブシに俺を言いながら立ち上がる。


『ハハハハハハハハハハ!
 さすがは、ヒデじゃ!最高じゃ!』
久しぶりに話しかけてきた、紅竜。
なんだか嬉しい気分になりながらも
「いつもの癖で読んだら、激ギレされたんだが」
『当たり前じゃ、それは親しいものの中でも更に仲が良いものしか呼ばん。 
 知らない奴から、いきなりあだ名で呼ばれたらびっくりするじゃろ、普通。』
「ビックリはしても、暴力は振るわないって普通は」
『それは竜の表現方法の違いじゃな!』


そんな違いで吹っ飛ばされては、堪らないと思ったヒデだった。



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