転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第45話 ウンター・ヴェルト 紅事件 3人の正体。

そして、その流れが終わった後、フェルディナンド、アマリア、ナンド、ディナンが
俺を見て、キョトンとした。


そして、お互いにキョトンしたまま、少しの時間が流れた。


「君は本当になんでもないのかい?」
「兄ちゃんは、なんともないのか?」
「お兄さんは、なんともないの??」


三人三様に聞いてくる。


「凄いです!ご主人様!!」
キラキラした目で見てくるアマリア。


「俺にはフェルディナンドさんが手をかざしているだけにしか
 見えなかったけど、何かしていた?」
「はい、ご主人様
 この方は魔法で眠らせようとしていましたが
 私もなんとか防げたので
 私たちを思っての優しい魔法だったかと思います。」
そんな会話をしていると
「ハハハハハ!君たちは面白すぎるね!
 私が掛けた魔法は、大型魔獣ですら掛けた瞬間に眠りに落ちるのに
 それが全く効かないとは、面白すぎるよ!」
笑いながら伝えてくるフェルディナンド。


「いや、無礼な真似をしてすまない、実は…」と
この街で起こるであろう未来の話、それに伴って聖女が来たこと
紅竜がもう街に来ていて、その予言の一部に
俺たちが関わっている可能性があるので迷界樹の方で食事で誤魔化し
俺たちを匿っていること。
そして
「私の子供もあり、私でもあるこの2人と仲良くしてくれて嬉しいよ!」
ナンドとディナン頭を撫でながら言ってきた。


「大まかにはわかったが、その2人が自分自身ってどういうことだ?」
「私自身が迷界樹の本体はこの街の大樹であり
 フェルディナンド、ナンド、ディナンとしても生きている。
 私の死んでも意識は迷界樹に戻り、また身体を作ることも出来るし
 この2人の身体を借りて、喋ることも出来る
 そして、大樹が枯れたとしても私たちが迷界樹の本体にもなり
 生き残ることができる。それが迷界樹の力でもあるんだよ。
 そして、3人を同時に見ること稀なのさ。」
「どういうことだ?」
「迷界樹として意識は1つという事を
 意識づけるためと迷界樹の防衛として
 私のこの姿かディナン、ナンド2人の姿かどちらかで街にはいるようにし
 1人が変身していると思わせているのさ。
 実際は、私が人間たちと関わり
 大樹が好奇心が芽生えた時にこの2人が生まれたから。」
「そうなのか、なんか、凄いな。」
「という事で、ここで大人しくしてくれていれば、紅姫とは合わなくて済むし
 予知の可能性を下げれるかもしれないから、」
『いや、それは無理じゃったな』
「紅竜??」
今まで静かだった、紅竜がいきなり声をかけてきて驚いて呟いてしまった。


そして、ドンと大きな音ともに何かが砕ける音がして
扉が開け放たれた。
「わっしを放り出してこんな所で何をしておる、フェルディナンド」
紅いドレスと紅い髪、金色の瞳を持つ
原色竜 紅姫が人の姿で立っていた。

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