転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第43話 ウンター・ヴェルト 紅事件 ナンド君とディナンちゃん。

俺がテンパりながら、ナンド君に伝えていると
扉が開いた。
ギルドマスター が来たのかと思ったが
「ちょっと、ナンド聞いたよ、早く…」
喋りながら入ってきた、小柄な少女。
植物の蔦が部屋の一角に広がっているのを見て、ナンド君を見て
何度見かをして、一言。
「ナンド、あんたなんて事してんのよ!!」
壮大に勘違いをされて、ナンド君に迫っていた。


「これは違うよ、ディナン!」
「違うって何よ!これはあんたの得意魔法でしょうが!」
「よく見ろよ!!」


そう言われて、部屋の一角に広がっている蔦を見て
「あれ、よく見ると蔦が違うわね、勘違いしちゃったわ〜」
「全く、早とちりしやがって」
「じゃあ、これは?」
「こっちのお嬢ちゃんだよ」


指されたアマリアを見た、ディナンが一言。
「可愛い!!!!」
そう言って、一気に近づいてきて抱きついてきた
その拍子に俺は、ソファーから飛ばされた。


「困ります、困ります」
かなり、テンパっているのか今まで聞いたことない言葉遣いをしているアマリアを見れて
俺は、ソファーから落とされたがアマリアが抱きつかれ困っている姿はなんだか可愛かったので
良しとした。


「はっ、ナンドあんたこんな可愛いをいじめてないでしょうね!」
そう詰め寄っているディナンに対して
「ところで、まだギルドマスターは来ないのかな?」
俺は確認をしてみた。


「はっ、それも知らせないと!
 ギルドマスターは外で聖女と少し話が長くなってるから私が知らせに来たのよ」
「そっか、ありがとうな」


アマリア(155センチ前後)よりもディナン(143センチ)の方が小さいが大きな態度を取っている。
俺にはそれが強がりのように見えてしまって
アマリアを撫でるかの如く、自然と頭を撫でてしまった。


「偉いね〜」
「偉いだろ〜〜〜
 はっ、やめろ〜〜」
「おっごめんな、つい癖で」
「癖ってすごい癖だね」
「ご主人様のナデナデは気持ちいのです」
「そう言われれば、気分が落ち着くわね」


喋っている間ずっと撫でているとナンド君が
「いや、そういうのいいからディナンさっさと帰れよ。」
「はぁ〜こんな可愛い子がいるのに帰れません!」
「いや、帰れよ!」
「仲良いね、君たちは」


「ナンドとは兄弟みたいなもんですから」
「ディナンとは兄弟みたいなもんだから」


シンクロで返事が返ってきた。
その返事にリアクションをしているとまた扉が開いた。


「ナンド、ディナン、こちらに聖女様と一緒に来た方々はまだいるかい?」
髪の長い、誰もが見惚れるであろうエルフの男が入ってきた。

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