転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第38話 ウンター・ヴェルト 紅事件 嵐の前の日常と新たな出逢い。

ウンター・ヴェルト正門の前には紅き竜が飛来しており
着地の時に起きた砂埃が落ち着いた時にはその場には1人の紅いドレスと
紅い髪、金色の瞳を持つ原色竜 紅姫が人の姿で立っており
迷界樹の主 フェルディナンドが経緯を聞くために、迷界樹の内部へと招待していた。
そんな事をは露とも知らず、ウンター・ヴェルトに向かう ヒデ一行。


途中、魔物に襲われたりもしたが、アマリアやコブシが率先して倒してくれたお陰で
戦闘では苦労しなかったがコブシが倒した魔物を糸でぐるぐるに巻いてから
小さくなった糸の塊を体につけるのに少し時間が掛かる為、のんびりと向かっていた。


「しかし、ぐるぐる巻きにした後はどうなるんだ?」
コブシに聞いてみると、理解したのかどんぐりサイズまで小さくなった糸の塊を1つ
俺に渡してきた。
「これを?」
コブシは前の両足で広げる動作をして見せた。
「破るのか?」
コブシは頷いた。


なので、破る様に力を入れたらすんなりと破れて中から一気に先ほど戦闘で倒した魔物数匹が
出てきた。


「おぉ〜圧縮袋的な感じなのか、すごいな!」


そういうと、自慢げに左前脚をあげて、どうよみたいな動作をした後
また、糸を出して獲物を絡めて小さくまとめていって体にアクセサリーのようにつけていた。


「これなら街で素材とか買い取って貰えそうだな、ありがたいよ」
そう言って、コブシを撫でる。


そんな確認をしながら進んでいると小さな道から大きな道へと繋がった。
小さな看板に「ウンター・ヴェルト こちら→」 とご丁寧に描かれていた。


『もうすぐじゃの、wwww』
なぜか、笑いながら伝えてくる、紅竜。
「なんで、笑っているんだよ」
『これから面白くなりそうじゃなと思っての』
「紅竜が楽しそうだと、なんかロクな事がないんだよなぁ〜」
『そういうな、きっと面白いぞ!』
「ですな」
呆れながら、返事をした。
そんな会話をしていたらウンター・ヴェルトに向かうであろう
別の一団が遠くに見えた。
「へぇ〜やっぱり居るんだな、向かう人は」
「そうですね」
『そうじゃの〜』


どんどん近づいてくる一団が脇を抜けた。
全身鎧で武装した集団が約20名程度の小隊で最後に白と白金が印象的な2人がいた。
白金の女性と目があった。
「すみません、あなた方もウンター・ヴェルトへ向かっているのですか?」
「えぇ、向かっていますよ」
おぉ〜初めて、人と喋ったかも!!
テンションが上がるな!
『人間でなくて、悪かったのぉ〜』
拗ねる、紅竜。
「悪かったって」
「えっ?」
「いえ、こっちの問題ですから」
「はぁ〜そうですか」
危ない、紅竜との会話は聞こえないんだった。


「そうですか、面白い方ですね。
 これも何かの縁ですので、自己紹介をさせて頂きますね。
 私はウルスと申します。」


これが ウルス・フォン・ミルヒシュトラーセとの出会いだった。

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