転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第15話 ここで生きていく。レギオンゴブリン戦(俺 対 一体のレギオンゴブリン編)

「お手柔らかにお願いします、紅竜先生。」


『では、一体を貰っていこうかの』
「えっ?」
そう思ったら、身体が勝手に
死角から来ていたレギオンゴブリン一体に、振り返り捕まえたまま
その場から一気にジャンプをし、囲まれていた場所から
50〜60m程度離れた場所に着地した。


『この状態なら、少しは動くことは出来るのじゃな!』
出来た、出来たと子供の様にはしゃいでいる、紅竜。
「勝手に身体を動かすな!びっくりするから!」
『すまん、すまん だが戦闘が出来るほどは動かせんから
 ここからはお主の頑張り次第じゃ。』
「とはいえ、心の準備がないんだが……………」
『最初から襲いますと言ってくる魔物や敵はおらんぞ
 戦いは突然やってくるのじゃ!!』
「さいですか」


仕方ない、切り替えてやるしかない。
そう思って、目の前の敵にしっかりと捉えながらそう思った。


レギオンゴブリンは身長は160センチ前後で身体の色は緑色の感じで
しっかりとした鉄製の鎧を着ている。
人相手として認識して戦うにはちょうどよいと思うことにした。


『人の動きと似ておるからちょうどよいじゃろ』
「あぁ、だな。」


見ていた、レギオンゴブリンがしゃがみ込み、地面に左手を付けた途端
そこから手を引き上げると、土製ではあるがしっかりとした槍が出来ていた。
「鋼のナントカで見たことあるシーンの様なことをしてくれちゃって……………」
『こやつらは自在に武器を作り上げることができる。だが」
「あぁ、こちらも戦う準備をしっかりとしようか」
俺の戦うスタイルはスタンボアや花の時のアマリアの時にイメージは出来ている。
竜の鎧の状態で使うのは《炎》
両手に炎を纏い、左手を2拳分前にしたファイティングポーズを構えた。


槍を構えて、突っ込んでくるレギオンゴブリン。
『避けるなよ、その拳を槍先に当てるのじゃ』
「それは大丈夫なのか?」
『あぁ、大丈夫じゃろ』
[じゃろ]って、不安を煽るなよ そんなことを思いながらも
炎を纏っている右拳を槍先に合わせて繰り出した。


槍先に触れた瞬間、炎により溶けていく槍。
短くなりながらもその勢いはそのままで、拳に迫ってくるレギオンゴブリン。
焦りは感じとれたがそれを感じたからこそ右拳を引き、左拳をレギオンゴブリンの顔面に放った。
その拳はギリギリに避けたレギオンゴブリンは右に体制を避けた上で
重心を前にかけて、ブレーキとし、その反動で後ろに下がった。


レギオンゴブリンはその拳での攻撃を避け切った。
その拳は。


小さな種火が避けたはずの頬に擦り傷とともに残っていた。
そこから一気に炎は生き物の如く、レギオンゴブリンの身体に広がった。


叫び声を上げるが全身に広がっても収まることのないその炎。


見ている俺ですら、不思議に思っていた。
「これは?」
『お主の炎は面白いの、炎でありながら生きものの様に意識がある炎とは』
「意識?」
『精霊に近いかの、要は意識を持って敵と見なしたものは許さないくらいの
 イメージで今はよいじゃろ。』
「そうなのか?」
『後で詳しくは教えれるとは思うが、本当に面白いのぉ〜』


そんな話をしている間に、レギオンゴブリンは燃え尽きていた。

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