異世界転生させられ最弱職にすら就けなかった件について

ベレット

 

壮観さに呆然と立ち竦んでいると異世界語で「ギルド」と記されている木彫りのプレートを発見した。
正面扉の前で、扉の上のプレートを眺めていると、彼女がおもむろに侵入していく。

何故勝手な行動をするのか。
もう少し協調性を持たない?

「ちょっと待てよ、あー、えっとJK!」

「呼び方! ねえねえ、中もっと凄いよ!」

「うおっ。アニメとかで見た通りだな」

ギルドに入った俺の瞳に映ったのは、想像通りの内観だった。
待合所に、クエストカウンター。
相談室もあれば、当然クエスト掲示板もある。

「あれを持っていってクエストを受けんのかな?」

「あれ? あのピンで留められている紙?」

何の気なしに人混みを避けながら掲示板に行こうとしたのだが。

「当ギルドに何かご用でしょうか? クエストのご依頼ならあちらの相談室に。冒険者登録ならこちらにお願いします」

カウンターの向こうから女性が声をかけてきた。
余程この格好が怪しいのだろう。
茶髪で今にもギルド員の制服が張り裂けそうな果実をお持ちのお姉さんが、いかにも怪しいとでも言いたげな視線を送ってきていた。

「冒険者登録お願いします、お姉さん」

「なにしてんの、お兄さん......」

颯爽と駆けつけ、お姉さんの手を握る俺に、女の子は鋭い蹴りを放ってきたが、今は無視である。
こんな巨乳のお姉さんをナンパしないなんて、申し訳ないだろうが。



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品