異世界転生で貰ったチートがTS魔法少女変身能力でしたがこの世界で頑張るしか無いようです
51 ラケルタくんは嫉妬深い
「あれ?オークの人じゃない?まだここら辺にいたの?」
「おう、まあな。ちょっと厄介事が起きちまってな。それに俺個人の目的もあるからよ。」
「目的?」
何となく嫌な予感センサーが働いた。
「おうよ。もう達成できるんだけどなっ!」
「ふーん。じゃあ頑張ってね。バイバイ。」
と、横を素通りしようとしたら右手を掴まれてしまった。
「ちょっと待ってくれ!」
「なに?急いでるんだけど。」
「あのよ...名前教えてくんねえか?俺はガーブってんだ。」
まさか生まれて初めてのナンパをオークにされるとは誰が思うだろうか...
最近私モテすぎじゃない?男に...
「...イオン...だけど...」
早く解放されたくて名前を教えるとガーブが三回ほど深呼吸したのちに。
「あんたに惚れたんだ、イオン!俺と結婚してくれっ!」
「嫌です。」
「ずばっといきましたねー。容赦ないですねー。」
告白を飛び越えてプロポーズをされたがいきなりそんな事を言われてOKと言うわけが無いだろう。
だが、余程本気なのか強く手を握り、身体を近づけてきた。
その額には脂汗が幾つも浮かんでいた。
「俺も本気なんだ!少しでいいから考えてくんねぇか!?」
「そんな事言われても困るんだけど...この間少し会っただけだし。」
お断りしようと拒否するが意にも介さず淡々と語り始めてきた。
「そりゃそうだがな。時間じゃねえだろーが、そういうのは。大事なのは気持ちじゃねえのか?」
「う....それは...そうだけど...」
ガーブの強気の姿勢にたじたじになっていると鞘から剣を引き抜く音が聞こえたと思ったら次の瞬間には耳元で風を切り裂く音と共に...
「その手を離せ。イオンさんに触れるな。」
「ひゃあああっ!!」
「ラケルタさん!あー、もう君って人は!何でそう直情的と言うか感情的と言うかっ!取り敢えずその物騒なのをしまいなさーい!」
ラケルタがガーブに斬りかかっていた。
やきもちを妬いているのだろうが、やりすぎでは無かろうか?...と思っていたのだが肝心のガーブは...
「なんだてめえ?やんのかこら?」
空いていた左手で剣を掴んでいる。
多少緑色の血は出てはいるもののラケルタの剣戟を止めるなんて並大抵ではないのは明白だ。
私が思っているよりも強いのかも知れない。
そしてその当人達はヤンキーのメンチ切りの様に額と額をかち合わせ火花を散らしている。
なんだか自分がヤンキー漫画のヒロインの立場になりつつある気がしていると頭にあることが過った。
なんか私、ヒロイン枠っぽい気がする...どちらかと言えばラケルタの方が主人公してる気が...あれ?おかしくない?...等と目の前の喧騒から現実逃避していると喧嘩がヒートアップしてきているようだ。
「イオンは俺の嫁にするんだよっ!竜神族は引っ込んでなっ!」
「そっちこそ諦めた方がいいんじゃないかな?オークみたいな半端な種族じゃ荷が重いと思うけど...」
「うわあ...女の取り合いとか一番醜いですねー。」
「だね。...はあ...そろそろ止めないとなあ...」
そうしおんに告げ終わるとたったったっと小走りで近寄り二人を引き剥がす。
「ほらほら離れて離れて。ラケルタくんちょっとは落ち着きなよ。私が告白されたくらいでそんなほいほいついてくと思う?」
「それは...無いですけど...」
「それとガーブさんも急にそんな事言われても気持ち悪いだけだから止めて。いい?」
「ぐう...わかった...あんたにそう言われたらな...」
何とか仲裁は成功したが、二人とも相容れないのかふんっ!とそっぽを向いてしまっている。
自分がこんな悪女的立ち位置になるとは夢にも思っていなかった。
「イオンさんモテますねー。男性限定ですけどー。」
「うっさい」
好きで好かれてる訳じゃないんですけど...
「ん?そういえば...」
「どうしましたー?」
オークって一人だけだったか?他にも居た気が...
「ねえガーブさん。他にもオークの人っていなかったっけ?」
「ああ、あいつらか。それなら向こうにいるぞ。さっき言った厄介事ってのでな...」
「厄介事?何があったの?」
「.......」
腕組みをしながら何か考えた素振りをしていると思ったら顎を草木の茂っている奥に向かって動かした。
「俺から説明してもいいんだが向こうにいる奴らに聞いた方が良いと思うからよ。ついてきてくれ。」
私達は顔を見合わせ頭にはてなを浮かべていると...
「王都から避難してきた奴らがいるからよ。そいつらから話を聞いてくれ。」
「王都?」
「王都といえば中央都市パスカルですか...」
やっぱり私のセンサーは正しかったようで何かあるらしい...
「分かった...案内して?」
「ああ...その前にちょっといいか?」
「うん?」
彼はすたすたと一本の木に寄りかかると...盛大に嘔吐した。
「ああ...拒否反応ですね。」
「女性恐怖症のですかー?随分頑張ってましたからね~。」
「締まらないな~。」
私達らしいと言えばらしいのかもと。
「....じゃあ行くか。こっちだ。」
今更ながらカッコつけようとしているガーブを暖かい眼で見つめながら草木に足を引っ掻けた。
.....それにしてもラビはちょくちょく居なくなるな...まあ大事な時には居るからまあ良いんだけど。
居ない方が平和だしね。
「おう、まあな。ちょっと厄介事が起きちまってな。それに俺個人の目的もあるからよ。」
「目的?」
何となく嫌な予感センサーが働いた。
「おうよ。もう達成できるんだけどなっ!」
「ふーん。じゃあ頑張ってね。バイバイ。」
と、横を素通りしようとしたら右手を掴まれてしまった。
「ちょっと待ってくれ!」
「なに?急いでるんだけど。」
「あのよ...名前教えてくんねえか?俺はガーブってんだ。」
まさか生まれて初めてのナンパをオークにされるとは誰が思うだろうか...
最近私モテすぎじゃない?男に...
「...イオン...だけど...」
早く解放されたくて名前を教えるとガーブが三回ほど深呼吸したのちに。
「あんたに惚れたんだ、イオン!俺と結婚してくれっ!」
「嫌です。」
「ずばっといきましたねー。容赦ないですねー。」
告白を飛び越えてプロポーズをされたがいきなりそんな事を言われてOKと言うわけが無いだろう。
だが、余程本気なのか強く手を握り、身体を近づけてきた。
その額には脂汗が幾つも浮かんでいた。
「俺も本気なんだ!少しでいいから考えてくんねぇか!?」
「そんな事言われても困るんだけど...この間少し会っただけだし。」
お断りしようと拒否するが意にも介さず淡々と語り始めてきた。
「そりゃそうだがな。時間じゃねえだろーが、そういうのは。大事なのは気持ちじゃねえのか?」
「う....それは...そうだけど...」
ガーブの強気の姿勢にたじたじになっていると鞘から剣を引き抜く音が聞こえたと思ったら次の瞬間には耳元で風を切り裂く音と共に...
「その手を離せ。イオンさんに触れるな。」
「ひゃあああっ!!」
「ラケルタさん!あー、もう君って人は!何でそう直情的と言うか感情的と言うかっ!取り敢えずその物騒なのをしまいなさーい!」
ラケルタがガーブに斬りかかっていた。
やきもちを妬いているのだろうが、やりすぎでは無かろうか?...と思っていたのだが肝心のガーブは...
「なんだてめえ?やんのかこら?」
空いていた左手で剣を掴んでいる。
多少緑色の血は出てはいるもののラケルタの剣戟を止めるなんて並大抵ではないのは明白だ。
私が思っているよりも強いのかも知れない。
そしてその当人達はヤンキーのメンチ切りの様に額と額をかち合わせ火花を散らしている。
なんだか自分がヤンキー漫画のヒロインの立場になりつつある気がしていると頭にあることが過った。
なんか私、ヒロイン枠っぽい気がする...どちらかと言えばラケルタの方が主人公してる気が...あれ?おかしくない?...等と目の前の喧騒から現実逃避していると喧嘩がヒートアップしてきているようだ。
「イオンは俺の嫁にするんだよっ!竜神族は引っ込んでなっ!」
「そっちこそ諦めた方がいいんじゃないかな?オークみたいな半端な種族じゃ荷が重いと思うけど...」
「うわあ...女の取り合いとか一番醜いですねー。」
「だね。...はあ...そろそろ止めないとなあ...」
そうしおんに告げ終わるとたったったっと小走りで近寄り二人を引き剥がす。
「ほらほら離れて離れて。ラケルタくんちょっとは落ち着きなよ。私が告白されたくらいでそんなほいほいついてくと思う?」
「それは...無いですけど...」
「それとガーブさんも急にそんな事言われても気持ち悪いだけだから止めて。いい?」
「ぐう...わかった...あんたにそう言われたらな...」
何とか仲裁は成功したが、二人とも相容れないのかふんっ!とそっぽを向いてしまっている。
自分がこんな悪女的立ち位置になるとは夢にも思っていなかった。
「イオンさんモテますねー。男性限定ですけどー。」
「うっさい」
好きで好かれてる訳じゃないんですけど...
「ん?そういえば...」
「どうしましたー?」
オークって一人だけだったか?他にも居た気が...
「ねえガーブさん。他にもオークの人っていなかったっけ?」
「ああ、あいつらか。それなら向こうにいるぞ。さっき言った厄介事ってのでな...」
「厄介事?何があったの?」
「.......」
腕組みをしながら何か考えた素振りをしていると思ったら顎を草木の茂っている奥に向かって動かした。
「俺から説明してもいいんだが向こうにいる奴らに聞いた方が良いと思うからよ。ついてきてくれ。」
私達は顔を見合わせ頭にはてなを浮かべていると...
「王都から避難してきた奴らがいるからよ。そいつらから話を聞いてくれ。」
「王都?」
「王都といえば中央都市パスカルですか...」
やっぱり私のセンサーは正しかったようで何かあるらしい...
「分かった...案内して?」
「ああ...その前にちょっといいか?」
「うん?」
彼はすたすたと一本の木に寄りかかると...盛大に嘔吐した。
「ああ...拒否反応ですね。」
「女性恐怖症のですかー?随分頑張ってましたからね~。」
「締まらないな~。」
私達らしいと言えばらしいのかもと。
「....じゃあ行くか。こっちだ。」
今更ながらカッコつけようとしているガーブを暖かい眼で見つめながら草木に足を引っ掻けた。
.....それにしてもラビはちょくちょく居なくなるな...まあ大事な時には居るからまあ良いんだけど。
居ない方が平和だしね。
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