苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件
かつての友は恥ずかしがりやの件
覚悟を決め、目を閉じた。
そんな俺の観念した様子にルーシェは気を良くし、足を身体に絡め、胸を押し付ける。
「もうダメ...!いれていい!?いいよね!」
「.....っ!」
ルーシェが体勢を変え、馬乗りになるように中腰を浮かす。
そして俺のある部分と彼女のある部分が触れる瞬間。
「疾風螺旋!」
「ぎゃあああ!」
「お止めください!団長!」
「うるさいわよ!どきなさい!」
部屋のすぐ外から兵士らしき声と馴染みのある、とても懐かしく感じる声が、中まで轟いてきた。
「この声は...ガーフェナ!ここだ!」
「....!この部屋ね!...はっ!」
「なっ!?」
ガーフェナが剣で扉を切り裂き侵入してくるなり。
「このっ!破廉恥女が!」
ルーシェのみぞおちに回し蹴りを当て吹っ飛ばした。
「ぐっ!...かはっ!」
王室御用達の綺麗な壁紙が張られた壁に激突したルーシェは地に伏すと気を失った。
「....ったく、なんなのよこの淫売女は...ユウキ、あんただいじょう....きゃああああ!な、ななな、何見せてんのよ!変態変態変態ぃぃぃ!もうやだー!」
ガーフェナは深紅のポニーテールを振り乱しながらしゃがむと赤面しながら顔を両手で覆い隠した。
にしても変態って...酷くないか?レイプされかけたんだぞ。
「変態じゃねえわ!良いから助けてくれ!」
「助けろったって....ふ、ふざけんじゃないわよ!
その汚いのをしまってからにしなさいよね!」
「だーかーらー!繋がれてんだっての!」
「うー、あー、うぅぅ~!分かったわよ~!」
ちょ....危な!おいぃ、目を開けろぉ!
しゃがんだ時に乱雑に落とした片手剣を拾い上げ目を瞑ったまま振り回し始めた。
俺のいちもつの数ミリ上をかすめ、前髪の先を切り落としていると。
「ぎゃあああ!お前ぇ!ほんとに....!...あ」
「無理無理無理~!....へ?」
「「あ」」
奇跡的と言えるだろう。
まさか鎖に当たって、しかも壊れるとは...
「で、でもこれで!...ファフニール!.....んあ?」
「な、なに?どうしたの?」
「いや、剣がでねえ....」
ふと左手首に重みを感じ見てみるとそこには手枷がまだ存在していた。
そこで俺はアテナの『精霊も魔法も出せない』という言葉を思い出した。
「そうか...!ファフニールは魔力で作るからか!」
「はあ?よく分かんないんだけど早くそれ隠しなさいよ」
ガーフェナが剣の切っ先を俺の息子に向けながら目を背けており、俺もさっと左手で覆う。
「すまん。他の鎖も頼む」
「わ、分かったから絶対手を動かさないでよ!?」
「お、おう....」
今度はちゃんと隠しているからか目を開けて他の鎖を切り裂き、ズボンを放り投げてきた。
下着を直しそれを履き、衣服の手直しをしていると。
「これ、あんたの鎧?センス変わった?」
「まあ...そういうことにしといてくれ。すまんが手伝ってくれ」
「右手使えないんだっけ....その...処理とかどうしてんの...?あんた右利きだったでしょ?」
こいつは一体何を言い出すんだ。
このむっつりさんめ。さっきもなんだかんだでチラチラ見やがって。
「あー、そりゃあ...その....ロゼに...」
「はあ!?あんた女出来たの...!?...ん?ロゼってローゼリッタ姫!?」
「あ、ああ。実は最近結婚してな」
「なあっ!?け、結婚!?あんたと姫様が!?」
「お、おい。後これだけだから...はあ、分かった。自分でやればいいんだろ」
四つん這いになりながら項垂れているガーフェナを尻目に鎧の留め具を留めていると。
「う...うぅ...」
ルーシェが呻き声を挙げながらもぞもぞし始めた。
「ほら、もう行くわよ!」
フェニアの入ったガラスケースの蓋を開け、箱を回収しているとガーフェナが俺の腕を引っ張る。
「おい、ちょっと待て!ルーシェを!」
倒れている少女に手を伸ばそうとすると、より強く引っ張られた。
「あんたバカじゃないの!?そんな女放っときなさいよ!...ほら、足音聞こえないの!?」
「....っ!だが!」
「ご主人さまぁ、今は逃げましょうよぉ!今は魔法も武器も無いんですからぁ!」
「なに、こいつ!虫が喋った!?」
「虫じゃないですぅ!」
....フェニアとガーフェナの言う通りかもしれない。
今連れていっても結局は同じことを繰り返す可能性はあるだろう。
「妖精!?妖精なんて居る訳ないでしょ!?おとぎ話じゃあるまいし!」
「いーまーすーぅ~!ここにいーまーすーぅぅ!」
「.....分かった...このまま行こう...」
現実主義者のガーフェナに突っかかるフェニアを抑えそう伝えるとガーフェナは剣を構えながら扉を開いた。
「今なら大丈夫そうよ!走るわよ!」
「ああ...」
「ま、待って!待ってよ!お兄さん!」
廊下に差し掛かった頃、後方からルーシェの苦しそうに懇願する声に心が揺さぶられる。
「いやだ!待って!嫌だよ、お兄さん!私を置いてかないで!お兄さんを連れていかないでよ!もう嫌がることしないから...お願い...」
「......すまん」
「嫌あああ!お兄さーん!行かないで!うああああっ!」
だが俺は彼女の涙ながらに訴える雄叫びに心を殺してでもその場を去ることしか出来なかった。
そんな俺の観念した様子にルーシェは気を良くし、足を身体に絡め、胸を押し付ける。
「もうダメ...!いれていい!?いいよね!」
「.....っ!」
ルーシェが体勢を変え、馬乗りになるように中腰を浮かす。
そして俺のある部分と彼女のある部分が触れる瞬間。
「疾風螺旋!」
「ぎゃあああ!」
「お止めください!団長!」
「うるさいわよ!どきなさい!」
部屋のすぐ外から兵士らしき声と馴染みのある、とても懐かしく感じる声が、中まで轟いてきた。
「この声は...ガーフェナ!ここだ!」
「....!この部屋ね!...はっ!」
「なっ!?」
ガーフェナが剣で扉を切り裂き侵入してくるなり。
「このっ!破廉恥女が!」
ルーシェのみぞおちに回し蹴りを当て吹っ飛ばした。
「ぐっ!...かはっ!」
王室御用達の綺麗な壁紙が張られた壁に激突したルーシェは地に伏すと気を失った。
「....ったく、なんなのよこの淫売女は...ユウキ、あんただいじょう....きゃああああ!な、ななな、何見せてんのよ!変態変態変態ぃぃぃ!もうやだー!」
ガーフェナは深紅のポニーテールを振り乱しながらしゃがむと赤面しながら顔を両手で覆い隠した。
にしても変態って...酷くないか?レイプされかけたんだぞ。
「変態じゃねえわ!良いから助けてくれ!」
「助けろったって....ふ、ふざけんじゃないわよ!
その汚いのをしまってからにしなさいよね!」
「だーかーらー!繋がれてんだっての!」
「うー、あー、うぅぅ~!分かったわよ~!」
ちょ....危な!おいぃ、目を開けろぉ!
しゃがんだ時に乱雑に落とした片手剣を拾い上げ目を瞑ったまま振り回し始めた。
俺のいちもつの数ミリ上をかすめ、前髪の先を切り落としていると。
「ぎゃあああ!お前ぇ!ほんとに....!...あ」
「無理無理無理~!....へ?」
「「あ」」
奇跡的と言えるだろう。
まさか鎖に当たって、しかも壊れるとは...
「で、でもこれで!...ファフニール!.....んあ?」
「な、なに?どうしたの?」
「いや、剣がでねえ....」
ふと左手首に重みを感じ見てみるとそこには手枷がまだ存在していた。
そこで俺はアテナの『精霊も魔法も出せない』という言葉を思い出した。
「そうか...!ファフニールは魔力で作るからか!」
「はあ?よく分かんないんだけど早くそれ隠しなさいよ」
ガーフェナが剣の切っ先を俺の息子に向けながら目を背けており、俺もさっと左手で覆う。
「すまん。他の鎖も頼む」
「わ、分かったから絶対手を動かさないでよ!?」
「お、おう....」
今度はちゃんと隠しているからか目を開けて他の鎖を切り裂き、ズボンを放り投げてきた。
下着を直しそれを履き、衣服の手直しをしていると。
「これ、あんたの鎧?センス変わった?」
「まあ...そういうことにしといてくれ。すまんが手伝ってくれ」
「右手使えないんだっけ....その...処理とかどうしてんの...?あんた右利きだったでしょ?」
こいつは一体何を言い出すんだ。
このむっつりさんめ。さっきもなんだかんだでチラチラ見やがって。
「あー、そりゃあ...その....ロゼに...」
「はあ!?あんた女出来たの...!?...ん?ロゼってローゼリッタ姫!?」
「あ、ああ。実は最近結婚してな」
「なあっ!?け、結婚!?あんたと姫様が!?」
「お、おい。後これだけだから...はあ、分かった。自分でやればいいんだろ」
四つん這いになりながら項垂れているガーフェナを尻目に鎧の留め具を留めていると。
「う...うぅ...」
ルーシェが呻き声を挙げながらもぞもぞし始めた。
「ほら、もう行くわよ!」
フェニアの入ったガラスケースの蓋を開け、箱を回収しているとガーフェナが俺の腕を引っ張る。
「おい、ちょっと待て!ルーシェを!」
倒れている少女に手を伸ばそうとすると、より強く引っ張られた。
「あんたバカじゃないの!?そんな女放っときなさいよ!...ほら、足音聞こえないの!?」
「....っ!だが!」
「ご主人さまぁ、今は逃げましょうよぉ!今は魔法も武器も無いんですからぁ!」
「なに、こいつ!虫が喋った!?」
「虫じゃないですぅ!」
....フェニアとガーフェナの言う通りかもしれない。
今連れていっても結局は同じことを繰り返す可能性はあるだろう。
「妖精!?妖精なんて居る訳ないでしょ!?おとぎ話じゃあるまいし!」
「いーまーすーぅ~!ここにいーまーすーぅぅ!」
「.....分かった...このまま行こう...」
現実主義者のガーフェナに突っかかるフェニアを抑えそう伝えるとガーフェナは剣を構えながら扉を開いた。
「今なら大丈夫そうよ!走るわよ!」
「ああ...」
「ま、待って!待ってよ!お兄さん!」
廊下に差し掛かった頃、後方からルーシェの苦しそうに懇願する声に心が揺さぶられる。
「いやだ!待って!嫌だよ、お兄さん!私を置いてかないで!お兄さんを連れていかないでよ!もう嫌がることしないから...お願い...」
「......すまん」
「嫌あああ!お兄さーん!行かないで!うああああっ!」
だが俺は彼女の涙ながらに訴える雄叫びに心を殺してでもその場を去ることしか出来なかった。
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