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苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件

ベレット

ドワーフの娘の件

「お前らが...結婚!?」


驚きの事実に顎が外れそうになった。
焼け落ちた村に向かう道中、世間話に花を咲かせていたのだが...


「そうですよ。私達付き合い始めて長いですからそろそろと考えていまして」


「俺だって驚きっすよ!まさかアニキが姫さんと結婚してるだなんて!」


顔に動揺が表れていたのか、ロゼが小声で話しかけてきた。


「しらなかったの?」


「ああ...今までそんな話聞いたことないぞ...確かに仲は良かったが...」


「それぇご主人様がぁ鈍いだけじゃあぁ~」


だが職種的にありなのか気になるところだ。


「盗賊と僧侶が結婚とか大丈夫なのか?色々と」


「そりゃあダメっすよ?だから盗賊は廃業したっす。フィニとの生活を大事にしたいっすからね。だから今大工やってるっす」


アルヴィンはアルヴィンなりに考えていたらしい。
何も考えてないバカだと思ってて悪かった。


「それにしても相変わらずユウキさんは数奇な出会いがあったようで...まさか妖精と契約なさっているとは...」


「だよな!しかもこんな所で再会出来るなんて思いもしなかったっすよ!」


二人の会話に耳を傾けていた刹那、頭に電流が走る。
痛みにでこを押さえていると皆心配そうに俺に寄り添い始めた。


「大丈夫!?ユウキくん!」


「アニキ!?」


「ユウキさん!」


耐えきれずふらつくと妙な感覚に襲われる。
アルヴィンとフィナの顔がぼやけて見えるのだ。
俺の視覚が異常をきたしたのかとも思ったがロゼとフェニアの顔ははっきりと捉えることが出来ていた。


そしてフェニアの表情が濁っておりそのいぶかしむ様な眼をアルヴィンとフィニに向けていた。


ーー「着いたっすー!」


「うるさいですね。アルヴィンは」


二人の夫婦漫才を見ながら頭を擦っていると少しずつ頭痛も緩和されていった。


そんな折、フェニアが深刻そうな面持ちで耳元に飛んできた。


「ご主人様...あのお二人...理由は分からないですけどぉ...なんか変ですぅ...」


「...アルヴィンとフィニが?どう変なんだ?」


「そ、それが分からないんですぅ...」


フェニアにとっては知らない人間だ。
警戒するのも分かるが問題ないだろうと優しく宥めるがまだ不安が拭いきれないのか俯いていた。


ーーこれは酷いな...一体何があった?


見渡す限り焼け野原で家も畑も何もかも燃やし尽くされていた。


「誰がこんなことをやったの?」


「さあな...だがこれは流石に...」


二人して絶句していると背後から声を掛けられた。


「ドラゴンだ。すげえだろ?流石は正義の使者だね」


しゃがれた声が耳に届き、振り返るとそこに居たのは...


「「.......子供?」」


幼女としか形容の出来ない容姿で、だが片手で持つハンマーが体格との歪さを物語る。


「誰が子供だ!ぶっ殺すぞ!」


なにやら地雷を踏んだらしくハンマーを俺の足元に振り下ろすと地鳴りがなった。
とんでもないパワーだ。
間違いなく見た目どおりの幼女ではない。
その腰まで届く茶髪を掻き分け、飛行機乗りが好みそうなゴーグルを直すと語り掛けてきた。


「で、お前らなにもんだ?」


「あ、ああ、俺達は....」


「その前にあたしの自己紹介からが筋だな。あたしはドミノ。工務店グルカンの一番大工さ!」


「「え!?」」


どや顔をしながら俺達を見つめる彼女が娘らしいことに驚きを隠せなかった。


ーー「って事で力を貸してほしいんだが」


グルカンにしたのと寸分違わない説明をしたが、また断られるのでは無いだろうかと身構えていた。 
だがそれは徒労に終わった。


「いいぞ。いつ行く?」


「え....いや、出来れば直ぐにでも...」


「ほーん、んーそうだなー。ちょい待っててくれ。仕事を終わらすからよ」


「仕事?」


ドミノがちょいちょいと指差すと何やら家の土台が出来上がっている場所を見つけた。


「あれら組み立てっからよ。待っててくれ。なんなら手伝うか?そしたら早く行けるぞ?」


どうやらこの村の復興を手伝っているのか簡素なあばら家を作っているらしい。


「ああ、任せてくれ。その代わり頼むぞ!」


「おう!頼まれた!そんじゃあ仕事に取りかかるか!」


そう声を上げた彼女はまるで子供がオモチャを見つけたかのように目を輝かせていた。


....あばら家だとバカにしていたのを反省せざるを得ない。
帝国ならではのレンガ建築ではなく木材建築だがそのスピード足るや。
どこを探しても見つかるような人材では無いだろう。
勿論技術も高い。
地震対策まで考えた土台をものの1時間で仕上げていく。


正直、俺が役に立ってるとは言い難いだろう。


「すげ...」


「うわあ....」


「こんなの始めてですぅ...」


三人揃ってドミノの腕前に感心していると、ロゼがあることに気がついた。


「あれ?フィニさんとアルヴィンさんは何処に?」


「え?居ないんですかぁ?」


と、フェニアが俺をチラチラと見ている。


「.....」


俺は何も言えず、黙々とドミノに家のパーツを渡すことぐらいしか出来なかった。







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