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苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件

ベレット

聖物の鍛冶屋の一族の件

「何を聞いてるんだ?そもそも聖剣を人間が作れる筈無いだろうが」


「いいえぇ~。そうでもありませんよぉ?今でこそ現存する聖物はぁ、聖剣だけですけどぉ、元々は200年前に実際に居た鍛冶屋のぉ、エクスカリバーさんがぁ、一人で様々な聖物を作ったのが始まりですからぁ」


「なに!?じゃあ作れるのか!?」


勝手に聖剣は魔族か俺のように別の世界から来たものだと思っていたが違うらしい。
よくゲームじゃ別の世界から来るのとかあったから勘違いしていた。


「ですけどぉ、そもそもぉ聖物の鍛冶屋の直系じゃないと無理ですよぉ?最低限血が繋がって無いとぉ」


「その問題は皆無だよ。私の本当の名前はルーシェナ・エクスカリバー。あの伝説の聖物の鍛冶屋、ウルズ・エクスカリバーの子孫だからね」


「「!?」」


聖剣を作り出すだけでも驚きなのにその子孫だと?
ミスティーといい、ルーシェといい、この娘達は一体何なんだ?
こうなってくるとトトアーシュも何かあるのではと勘繰ってしまう。


「そのぉ....」


「教えてくれるんだよね?作り方。」


「ごめんなさいですぅ!私、作り方知らないんですぅ!ごめんなさーいぃ!」


フェニアの予想外の返答にルーシェが氷のように固まってしまったが直ぐに我を取り戻した。


「ほ、本当に!?何も知らないの!?」


ルーシェがフェニアの小さい身体を握りしめブンブン前後に振り回す。
フェニアは目が回り今にも吐きそうなぐらい青ざめている。


「ご、ごめんなさいぃぃ!本当に知らないんですぅ!....おろろろろ」


「きゃああああ!」


「ああ、もう何やってんだ!ルーシェ、残念なのは分かるが無茶させ過ぎだ!」


俯いてまた涙目になっているルーシェを尻目にフェニアを回収し、床を近くにあったぼろ雑巾で拭いていく。


沈黙が訪れ、ルーシェを見ると落ち込んでおり居たたまれなさから話しかけた。


「なあ、どうしてそこまで聖剣に拘る?確かに強力だが、お前のだって大したもんだぞ?」


「ありがと...でも駄目なんだよ...聖剣を作れないと家はもう...」


そしてまた黙りこんでしまった。
それから30分程経った頃。
俺は動かないルーシェに紅茶を入れ、ぐったりしているフェニアの背中をさすっているとルーシェがようやく動き出した。


「ねえ、お兄さん。私の話聞いてくれる?」


「.....ああ、いいぞ。話してみろ」


ルーシェは相当辛いのか未だ俯いたまま語り始めた。


「私の家系はさ、ってか父さんの家系は聖物の鍛冶屋の家系なんだけどつい半年前にさ、お取り潰しが決まったんだよね」


「お取り潰し?ちょっと待て。って事はだ、もしかしてエクスカリバー家って貴族なのか?」


「うん...もう元だけどね。その理由が聖物を作れないから。元々は帝国の王家専属の鍛冶屋でさ。っても御先祖様のお陰だけど」


話が読めてきた。
その先祖、聖物の鍛冶屋のウルズが頑張ったお陰で貴族になれたがウルズが死んだ後聖物を作れなくなったエクスカリバー家はもうお役御免という訳か。
良くある類いの話ではあるがむかっ腹は立つ。


「そんでさ、家族は散り散り。私は首長国の首長さんが腕前を見込んで雇ってくれたんだけど、お父さんとお母さんは何処にいるのか分かんないし」


家族が離ればなれになったのか。
なかなか壮絶な人生を送っているようだ。


「そんな時にさ、帝国の使いの人に言われたんだよね。王はもし一つでも聖物を作れたら今回の件無かった事にするって」


「ふざけんな....」


「ご主人様...」


余りの身勝手さに怒りを抑えきれず拳を机に叩きつける。
鉄のテーブルなのでとても痛く、赤く腫れていたがルーシェの気持ちを思うとどうでも良くなった。


「ありがとね、お兄さん。私の為に怒ってくれて...でさ、それで作り方探してたんだけど...やっぱりそんな簡単にいかないよねー!」


ルーシェは立ち上がり元気を取り戻したかの様に振る舞い始めた。
きっと俺達にまで悲しい顔をさせたくないのだろう。


「それでどうするんだ、これから」


「うーん、そうだなー。まっ、落ち込んでても仕方ないしここで暮らしながら気ままに探してみるよ。期限も決まってないしねー」


「はっ、そうか。まあその様子なら大丈夫だな」


と、立ち上がり帰ろうとした時。
背中にドサッと重みを感じ立ち止まる。


「どうした、ルーシェ」


「ごめん、ちょっと背中貸してね?私今不細工な顔になってると思うから振り向かないで」


「.....」


思いだし悔しさが込み上げて来たのだろう。
彼女の啜り泣きが聞こえ、俺は何も言わず背中を貸した。
だがまだ今日は終わっていない。
俺の戦いはまだここからだ。


ーー「ああーー!!また女連れてきたよ!」


「おい、誤解を生む言い方をするな」


「だって誤解じゃないもん!子供作ってきたと思ったら今度はペット?連れてくるんだもん!家族を勝手に増やさないで!せめて相談して!もういつの間にか幸せ家族出来てる嫁の気持ちを考えて!」


帰宅し、フェニアの事をいざ説明するとキレた。
前にミスティーが俺の事をパパとロゼの前で呼んで喧嘩した時を思いだし先に言ったのだが矛先が変わっただけだった。


「幸せならいいんじゃないか?」


「良いわけあるかーー!」


「ごふ...」


ロゼの飛び込み型クロスチョップをくらい床の上へと押し倒された。


「面白い奥様ですねぇ、ご主人様ぁ」


「どこがだ...」


フェニアの目は腐っているらしかった。











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