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苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件

ベレット

不死族殺しの傭兵の件

斬っても斬っても数が減らない。
それもそうだろう。相手は不死の王と名高いリッチーが呼び出したアンデット。
光属性の精霊か魔法が無ければ倒すことは不可能で、俺達はその属性を使えない。万事休すだ。


「ユウキ、奴を狙え!アンデットどもはどれだけ攻撃しようとも効果が見込めん!」


「任せろ!あいつをぶっ殺す!」


デュークがアンデットの群れを一振りで蹴散らしその隙にリッチーの元へと向かう。


『愚かだな。貴様一人で私と戦うつもりか?』


「ああ、ったりめえだ!てめえなんざ俺一人で十分なんだよ」


剣の切っ先をリッチーに向け挑発するとまたしても高笑いをし、右手をこちらに向けた。


『私も舐められたものだな。なら貴様から死ぬがよい!』


リッチーは不死族だ。そう簡単に殺せない種族で敵に回すと面倒でもある。


だが俺は何度か不死族を殺してきた実績がある。
不死の王だろうと退くわけにはいかない。


『喰らい尽くせ!』


リッチーがそう叫ぶと奴の手からドクロが大口を開けて食らいつこうとしている。


それが俺に食らいついた。


『がはははは!やはり無駄であったな!無知なる者よ...どれ、まずは貴様の魂から......なにい!?』


「勝手に殺してんじゃねえよ!三下が!」


ドクロを切り裂きそれが魔法だと判断すると、同じ魔法を剣から放つ。


『ぐ...き、貴様ーー!』


そのドクロがリッチーの魂を少量食い千切った。
ほんの少しだがそれだけで十分で、剣を構え精霊と魔法、両方使える俺だけしか使えない技。


霊魔剣技を発動する。


「これで終わらせてやる!不死殺しのファントムゲイン!」


精霊の力を剣に纏わせ三連の剣技で魔力を削ぎ落とし、すかさず剣を放り左手でリッチーのドクロ頭をがっしりと掴む。


『バ、バカな!?貴様...何者だ!』


「はっ!俺はただの不死者殺しの傭兵だ!覚えとけ、三下!」


『不死族殺しの...傭兵だと...!?まさか貴様があの!』


掴んで離さない左手に魔力を集中させ、リッチーの魔力を自分の魔力へと変換し自らの体内に流し込む。


これでも半分はハイエルフだ。
リッチーの魔力量ぐらい抑え付けられる。


「終わりだ、クソリッチーが!」


『止めろぉぉぉ!ぎゃああああ!』


そして全ての魔力を吸い上げていくと、リッチーのドクロ頭にヒビが入りそして...砕けていった。


「む!?やったか、ユウキよ!」


奴の消滅と同時にアンデットの軍団も砂になり、散っていった。


「....なんとかな」


「ふっ、流石は我が宿敵よ」


俺達はパンっと手を叩き合い勝利に余韻を感じている時だった。


「わあー!凄いです!感激です!感謝です!ハーフのハイエルフ様!」


「な、なんだあ!?」


「む、そやつは」


いきなり小さい羽虫の様なサイズで人間の身体を模した生物が俺の目の前に迫ってきては騒ぎ始めた。


「ありがとうごさいますぅ♡本当に助かりましたぁ!ずっとあいつに苛められてて...エルフさん達もずっと来ないですしぃ...」


「ユウキよ。こやつが妖精のフェアルーンだ」


「なに?このちんまいのがか?」


余程嬉しいのか俺の周りで飛び回るこいつが妖精らしい。


「なあ、悪いんだがお前俺達に着いてきてくれねえか?お前を探してる人間が居る」


「人間さんですかぁ?いいですよぉ?もうここに居るのも怖いですしぃ...あ、ならならハーフのハイエルフ様、私と契約しませんかぁ?」


「契約?」


肩に乗るフェアルーンに問いかけるとどや顔を晒し、自信満々に説明する。


「契約って言ってもぉ変な事はしないですよぉ?ただぁ、ご主人様のお手伝いをする代わりにぃ、ちょーっとだけ魔力貰いたいだけですぅ!」


「魔力を?」


デュークを見ると満足げに頷く。


「ほう、面白い。妖精は気に入った相手しか契約せん。余程お前を気に入ったのだろう。契約してやれ」


そこまで言うなら...とフェアルーンに「どうすればいい?」と聞くと満面の笑みで掌に魔方陣を展開した。


「ご主人様は私の手にお手を重ねてほしいですぅ!そして私の名をつけて下さいですぅ!」


「ああ、なら...」


目を閉じフェアルーンの魔力に自分の魔力を手を重ねるのと時を同じく重ね合わす。


そして彼女の新たな名を口にする。


「お前の新名は『フェニア』だ」


「はいですぅ!フェニアは今よりご主人様の妖精となりますですぅ!」


どうやら成功したらしくフェニアとの繋がりを感じる。


それと同時に妙な感覚が身体を巡る。


「なんだ、この力は?」


「それは妖精と契約した人だけが使える妖精魔法ですぅ!効果は個人毎にちがうのでぇ、後程ご自分で確認くださいぃ」


妖精魔法だと?聞いたことがない...
だがこの魔力、感覚。かなりの力だ。
早く試してみたいもんだ。


「そろそろいいか、お前達。帰るぞ」


「ああ、フェニア。行くぞ」


「はいぃ!」


元気に返事をしたフェニアが俺の胸元に入ると、ひょっこり頭を出して、ルーシェ作の鎧に手をつく。


「ではではこれからよろしくお願いしますぅ!」


妖精ではなくまるで猫でも飼っているかの様だ

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