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苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件

ベレット

最深部は骸骨だらけだった件

坂を駆け降り助走をつける。


「跳べぇ!!」


「うおお!届けー!」


槍が待ち構える大穴を飛び越えようと穴の一歩手前で飛び出した。


先にジャンプしたデュークが軽々越え、華麗に着地する。
それに続こうと俺も力の限り跳んだ。


「うおっとっと」


よろけながらもギリギリ着地に成功し安堵の表情を漏らす。
後ろを見ると不正に侵入しようとした侵入者達が槍に刺さっているのが見え、背筋が凍った。
ふとバキバキと何かが砕ける音がし「ユウキ!そこからさっさと跳べ!」とデュークが叫ぶ声が聞こえる。


「冗談じゃねえ!くそ!」


「ユウキ!」


着地した場所が悪かったのか、俺の体重が乗り限界に達したのか石英の床が音を立てて崩れ落ちた。


体勢を崩しながらも何とか跳んだが今一歩届かず大穴へと落ちていく。


だがそんな折だった。
デュークが必死に腕を伸ばし俺の左手を掴んだのだ。


「ぐう...!親友...死んでないな!」


「....あ、ああ。助かった。すまない」


親友のお陰で何とか死に損なって宙ぶらりん状態で居ると苦しそうな声が聞こえてきた。


「無事なら...さっさと...登れ....!貴様は重いのだ!」


「すまんすまん」


壁を踏み勢いをつけ蹴り出すと真上に飛び、着地を成功させる。


「よっと...助かったぜ、デューク。マジでな」


「今度は気を付けろ。この馬鹿者が」


「わりいわりい。反省してるからよ」


お互い無事を確認し小突き合っていると目の前に扉を見つけ、開くと雰囲気がガラッと変わり静謐さを感じさせる壁画が壁全体を埋め尽くしている廊下を目の当たりにし、そこに踏み入った。


廊下を慎重に進みながら壁画を見ているとそこに掘られた歴史が人間族には伝わっていないものなのか始めてみる戦いの様相を記しているようで、デュークが察したのか解説を始める。


「これは魔竜戦争と言われる遥か昔の壁画だろう」


「魔竜戦争?聞いたこと無いが」


「それはそうだろう。これは竜姫トリスリアが率いたドラゴンの軍勢と魔族全体を巻き込んだ戦争だ。当時から人間族とは折り合いが悪くてな。知らなくて当然だ。」


魔竜戦争...そんなものが過去にあったのか。
ドラゴンが伝説上の生き物とされているのはそれが原因か?


「へえ...そんな事がね。魔族も大変だな」


正直余り興味がなく適当に返答し、立ち塞がる扉に手を掛けた瞬間、デュークが俺の腕を掴んだ。


「待て、向こう側に何か居る」


それを聞き剣を生成したのをデュークが目視すると雰囲気が一変した。


「なんだ?」


「その剣は...もしや...」


「あ?知ってんのか?」


だがデュークは話す気配は一向に無く、ただ一言「ユウキ、貴様は今後帝国に近づくな」そう呟いただけだった。


「はあ?」


俺が首を傾げているとそれ以上聞かれたくないのかデュークが扉を開ける。


その先は墓場に繋がっていたらしく、そこら中に棺が安置されていた。


確かに何かの気配を感じ、一歩づつゆっくり歩んでいると突然、空間の魔力の高まりを感じ身構える。


『ふはははは。よく来たな、低俗なるもの達よ。私の餌になりに来たか』


「こいつは....!」


「ついてねえな...」


俺達の前に忽然と現れたのは、ドクロ頭にローブ、そして王冠を被った不死族最高位の存在。
リッチーだった。


「餌だと?冗談のつもりか?それよりも妖精見なかったか?」


怯えを感じない俺達にリッチーが高笑いをする。


『がはははは、あの様な下等な者を助けに来るとは余程、暇人なのだな』


どうにも会話が成り立たないのを感じ俺達は剣を構え、魔力を引き上げる。


『ほう...やるつもりか。なら相手をしてやろう。まずはこやつらでな!』


リッチーが右手を前につき出すと奴が出現させた冥界の門から大量の骸骨兵士がわらわらと現れた。


「仕方ねえ...デューク!久しぶりに!」


「おう!やるか!親友よ!」


「「うおおお!」」


部屋を埋め尽くすほどに這い出てくる化け物どもに対し勇猛果敢に戦いを挑むのだった。





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