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苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件

ベレット

勇者がほんとにクソ野郎だった件

「そんで最後の力を振り絞り一太刀浴びせたわけだ!」


「おおっ!それでこそ勇者!やはりあの男よりユウキ様の方が相応しいですね!...ですが...その...その時に右腕は...」


「ん...ああ...まあな...」


俺とローゼリッタは動かない右腕に注視する。


「まあだけど、これも男の勲章かと思えばな。それに倒せた事で魔物も消滅したし、圧政に苦しんでた魔族。エルフやドワーフ達も解放されただろうし。」


「...はあ...あなたは心からお優しい方なのですね...」


愁いを帯びた眼で俺を眺めているローゼリッタに身動ぎしつつ、別の視線を感じ首を横に向ける。


「....こわ...」


ガーフェナがめっちゃ睨んでる。
ガラスに張り付きながら、今にもぶっ壊して襲い掛かってきそうだ。


「...あのユウキ様...」


「...ん?どうした?嬢ちゃん。」


「その...私が進言しますのでユウキ様が勇者様になって貰えませんか?」


意味が分からず頭を捻る。


「それってどういう意味だ?」


その質問に一度は口を開くが顔を赤くし俯いてしまう。


「あ、あのっ!それはその...あなた様のよ...」


「姫様、そろそろ閉宴致しますのでそろそろお部屋に...勇者様がお待ちです...」


お付きのメイドの言葉に肩を震わせ、目の光が薄まった気がし、ローゼリッタの肩に手を置く。


「大丈夫か?どうした?」


「あ、あの...いえ...何でもありません...」


何かを伝えようとしていたようだったが口を閉じてしまったので俺もそれ以上言葉が出せなかった。


かつかつと足音をたたせながらバルコニーから出ていくローゼリッタだったが出口に辿り着くとにこりと微笑んだ。
だがその笑顔に心を締め付けられる。
何故なら彼女の眼の奥は笑っていなかったからだ。


...「おつかれさん。ユウキ...彼女...どうだった?」


「ん?...ああ。姫様ってのは大変だな。」


「知ってる?ローゼリッタ様は3人目の子供。王位継承権は無いのよ」


言葉の意図が理解出来ず首を傾げるが構わずガーフェナは語り続ける。


「なんでも妾...側室の子らしいわ。母親は死んで...今はもう必要の無い勇者にあてがわれるのは何でかしらね?」


「それがなんだ...」


「別に?...まあ私の知ってるあんたなら何かやらかすかもしれないから、忠告。なにもしないで」


「....!?...おい!ガーフェナ...あいつめ....」


どういうつもりだ?それを聞いた俺がどうするか、お前が一番知ってるだろ。
頭を掻き一旦頭を冷やすべく取り敢えず厠に向かうことにした。


...ここから一番近い厠は離れとの事なのでしたっぱのメイドに場所を聞き、その場所に向かっていたのだが...


「いや!放して!」


「静かにしろよ!...この!」


いやな会話を聞いてしまった...
まさか城内で強姦でも行われているというのか...
治安どうなってんの?


しかもその声はこの先の厠を通る道の部屋らしく、更には開いている。
おお、神よ。何故私にこのような試練を...(この世界に神はいません。)


「仕方ない...ちょっとだけ...ほんとに事件なら止めよう」


こそっと開いている扉の隙間から様子を伺うとそこに居たのは...


「お願い!やめて!」


「煩いんだよ!お前は俺の妻なんだ!諦めてやられろよ!」


「いやあああっ!」


ローゼリッタ姫と勇者のレオンだった。


「夜の営みか...?」


無理矢理はどうかと思うが夫婦の問題だろうと無理矢理頭を切り替えその場を後にする。
俺にはどうしようもないと考えていると突然声が響き渡った。


「いやっ!助けて!助けて、ユウキさん...」


「お前...!」


自分の名前を呼ばれ立ち止まる。
目の前で揺らぐ燭台の火に目を奪われる。
まるで自分自身の心の揺らぎを体現しているかのようだった。


その直後、バシンと音が響く。


「どうして!どうしてどいつもこいつも、ユウキなんだ!どうして僕を見ねえ!くそっ!くそっ!」


「やっ!いやっ!ごめんなさい!ごめんなさい!もう叩かないで...」


段々とか細くなるローゼリッタの声に俺はいつの間にか扉の前に立っていた。


「うるせえ!もういい。逆らえなくなるぐらい犯しつくしてやる!」


「いや!いや!来ないで!いやああっ!」


直後、服が破られる音がし頭に血が上りドアを蹴破った。


「え?...ユウキ...さん...?」


「ユウキ!な、なんでお前がここに!?」


ずんずんと歩み寄り、目の前まで近づくとレオンの襟首を掴み上げ、ローゼリッタから引き剥がす。


「お、俺は勇者だぞ!?離せ!逆らうのかよ!?俺は勇者...ぐべっ!?」


「黙ってろ、クソ野郎...!勇者の名を汚すんじゃねえ...!勇者ってのはそうじゃねえだろうが...!守ってこそじゃねえのかよ!」


騒いでいるレオンを放し殴り飛ばすと部屋の角にあった木箱に突っ込み気を失った。
またも失禁して。


「反省しろ、くそったれが。」


やっちまったと左こぶしを見下ろしていると背後から急に衝撃が来た。


「ぐすっ...ぐすっ...怖かった...怖かったよぉ...」


「ローゼリッタ...もう大丈夫だ...な?安心しろ。俺が居るからな?」


「うああああん...ふあああん!」


安心したのか俺の胸元に抱きつき直した彼女は一晩泣きはらした。





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