無能と呼ばれパーティーを追放された俺だが、「無能とはいったい何のことですか?」 俺は、精霊たちの力を使い無双し自分だけのハーレムを作り上げる!
第十話 呪いの少女7
少女は家についてすぐ思いっきりドアを開けて、
「ただいま! パパ! ママ!」
王都中に響き渡りそうな大声。
元気になった自分を早く見せたいのだろう。
俺は、少女に続き家の中に入った。
「!!」
驚いたような顔で少女を見る二人の男女。
この二人がヒストリアの両親のようだ。
「パパ、ママ、私元気になったよ。ほら、また昔みたいに家族三人楽しく暮らせるよ」
「なんで・・・・・・いや、そうか嬉しいぞ」
最初の言葉確かに男の方は「なんで」と言ったように聞こえた。
それに、女の方は何か悔しがっているような顔をしている。
だがヒストリアにそんなことがわかるはずはない。
俺はこっそりと鑑定の魔法で男女を見てみる。
「なるほどな」
それにより全てを理解した俺。
そんな中で、
「あなたが私たちの娘を救ってくださったのですか」
ぎこちない話し方。
「ええ」
「これは何とお礼を申し上げたらいいのか、ほれお前も何か言ったらどうだ」
「そ・そうね、ヒストリアを救ってくれてありがとう」
女の方は俺と目を合わそうとしない。
確実に何かよからぬことを企んでいるような気がする。
「もしよければお礼とも呼べるかわかりませんが夕飯を食べて行ってください。これがなかなかうまいんですよ」
ほほ面白い申し出だ。
「そうね、うちの娘を救ってくれたのだからそれくらいしないとね」
やはり目を合わせない。
それに、ヒストリアのことを名前では呼ぼうとしない。
そんな俺と男女二人が話していると、ヒストリアが二人の元へ行こうとする。
だが、それを手でとめた。
「アルクさんどうしたのですか?」
ヒストリアは首をかしげた。
だが、ヒストリアを二人の元へと行かせるわけにはいかない。
「ねえ、どうして魔族の二人がヒストリアの親のフリなんてしているんだろうな」
おっと口が滑ったぜ。
先ほど使った鑑定で二人の正体はすぐに魔族だと分かったのだが、どういう風に出てくるのか見てみようと思い遊ばせていた。
すると、二人はいかにも自分たちがヒストリアの親だと言わんばかりことを言ってきた。
正直少し笑えたし、こいつらが俺にどんな飯を出してくるのかも興味があった。
だが、またこの少女を危険でつらい目には合わしたくはない。
だからこそヒストリアが二人の元へ行くのを手で制したのだ、
「なんのことでしょうか?」
「しらばっくれるつもりか」
「そんな滅相もございません。こちらを見てください。この耳、この耳です。こんな長い耳を持つのはこの世界で私たち二人がエルフであり、その娘の親である証拠ですよ」
長い耳を必死でアピールしてくる。
「そうだよアルクさん。パパとママとずっと一緒に暮らしてきたんだよ」
そうだろうな。
なぜなら、この二人の魔族は生まれてすぐにヒストリアの両親を殺したのだから。
「その通りです。私たちの娘を救ってくださった方ですから悪く言いたくはないのですが、そのような言いがかりをつけられるのでしたら我々も出るところに出るしかなくなります」
フムフム、まあ予想通りの答えか。
だが、
「まあそれでもいいが、困るのはそっちだと思うぞ」
「それはどういうことかな? 私達にやましいことなどないと思うが」
「どうでしょうか? 解除」
俺が使った魔法解除は、変身系の魔法を強制的に解く魔法。
つまり、今俺の目の前にいる二人は本来の姿があらわになったわけである。
それを見た少女は、
「どういうことなのです?」
驚きの表情を隠せずにいた。
「どうしたんだい。ほらこっちにおいで」
男がなんと言おうとヒストリアが近づくことはない。
「そろそろ本音で話さないか、そんな下手な芝居をしてないでさ」
「ゲイル、もう無駄よ」
女の悪魔が男にそう告げた。
「もう、私たちの変身、完全に解けてるわ」
先ほどと違い俺と男の方を見ながら話している。しかも俺の方を見るときだけ凄い剣幕で睨みつけてくる。
「そうか、そうか、作戦は完全に失敗したってことか」
急に流ちょうに話しだす男。
「まさか、こんなガキに俺たちの正体を見破られるとは思ってもみなかたっぜ! ハハハハハハハハハハハハ」
笑いだす男の悪魔。
「なにがおかしいんだ」
「これがおかしくなくて何だっていうんだよ。人間よりも優れた存在である俺たち悪魔がたかが人間なんかに作戦の全てを粉々にされたんだ。もう笑うしかないじゃないか」
「ならよかった。俺はこの少女を救えたわけだな」
「いいえ、お前ら二人はここで死ぬのよ。私たち二人お正体を見抜いた人間を生かしておいとくわけないでしょ」
「そうか、ならどうする。ここでやるか」
「ええ、でもすでにもう終わっているわ」
俺が女の悪魔の話に集中している隙に男の悪魔が俺の背後を取っていた。
「終わりよ!」
キッーン!
「何がだ」
俺は背後からの攻撃を剣で受け止めた。
「何故だ!」
「そんな分かりやすい挑発をしてきたんだ、何かあるって思うだろう。それに、後ろのお前は気配をばら撒きすぎだ! 奇襲には向いてないな」
「っち! でもね、あなた自身は守れたとしてもそこの小娘はどうかしら?」
「やってみればいいじゃないか」
「その自信はどこから来るのかしら、あなたはゲイルに捕まってるのよ。どうしようっていうのかしら?」
女の悪魔は火魔法ファイアーボールを数発ヒストリアに向かって放つも、魔法をヒストリアの前で消え去る。
「!!」
「はぁ~」
正直少しがっかりだ。
魔族と言ってもたかだかこの程度の奴だとは、昔読んだ本に出てきた魔族はもっと恐ろしい存在だと書いてあったがこいつらはそうでもない。
「雑魚かよ」
俺の放った言葉にイラっと来たのだろう。二人が一斉に俺にかかってくる。
そこで、
「この悪魔二人倒して良いかな?」
ヒストリアに質問を投げかけてみる。
「はい!」
強く返事を返してくれた。
その返事と同時に剣を横なぎに一回転。二人の悪魔を真っ二つにした。
「これで終わりかな、ファイアーボール」
最後に火魔法で二人を焼いておく。
俺はこれからヒストリアをどうするかを考えていた。
ヒストリアの本当の両親は既に死んでいてこの世にはいない。たぶん、物心つく前にはすでにこの二人の悪魔によって殺されていたのだろう。そして、彼ら二人によってここまで育てられた。良くも悪くも最低限のことはここまでしてきたということだ。
だが、その親的存在もいなくなり一人になってしまった。
俺一人で考えていてお答えは一生でないだろう。
だから、
「これからヒストリアはどうしたい?」
質問してみた。
これからはヒストリアが自分の人生を決めていく。まだ十歳にも満たない少女にその選択をさせるのも酷かとも思ったが、あえて聞いてみることにした。
「私が決めていいのですか?」
「ああ、君の人生だ。好きに決めなさい」
そう答えると、ヒストリアは少し考えて、
「ではアルクさんについていきたいです」
「おれにか!?」
「はい、アルクさんは私の命を救ってくれた命の恩人です。これから一生かけてその恩を掛けて恩を返していきたいです」
「だが、これは俺がやりたくてやったことなんだぞ」
「それでも、私はアルクさんに助けていただいたのは事実です。それに、それでは私が納得できませんし、アルクさんの・・・・・・」
顔を赤くするヒストリア。
「アルクさんのなんだ?」
「いいえ! なんでもありません。お兄ちゃん」
少女はいたずらっぽくそんなことを言ってきた。
「おいおい、お兄ちゃんはやめてくれ! こっぱずかしくなってくる」
「いいえ、私にとってアルクさんはお兄ちゃん的な存在なので、それとも他の呼び方がいいですか? 例えばお兄様とか兄さんとか、それともパパとかどうですか~?」
「いや、お兄ちゃんでいいよ」
俺は渋々お兄ちゃんと言う呼び方を了承した。もしかするとヒストリアは俺をからかって楽しんでいたのではないかと思ってしまった。
そして、俺とヒストリアの新たな冒険が始まるのであった。
一方その頃、王都クルシャの城の中。
「まさか、そんなことが」
ここは、王城にある一室。第二王女であるネネ=クルシャが水晶を見ていた。
「ここ数か月の間に出ていたクルシャの消滅の未来が消えるなんて」
たった一日で何が起きたのか理解できないでいるネネ=クルシャ。
「でも一つだけ、今回の一件にこの冒険者がかかわっている事と、将来訪れるであろうこの国の災厄に彼の力が不可欠であるだなんて」
少しの安心と将来起こるであろうこの国の災厄の事での不安で押しつぶされそうになっているネネ=クルシャであった。
「ただいま! パパ! ママ!」
王都中に響き渡りそうな大声。
元気になった自分を早く見せたいのだろう。
俺は、少女に続き家の中に入った。
「!!」
驚いたような顔で少女を見る二人の男女。
この二人がヒストリアの両親のようだ。
「パパ、ママ、私元気になったよ。ほら、また昔みたいに家族三人楽しく暮らせるよ」
「なんで・・・・・・いや、そうか嬉しいぞ」
最初の言葉確かに男の方は「なんで」と言ったように聞こえた。
それに、女の方は何か悔しがっているような顔をしている。
だがヒストリアにそんなことがわかるはずはない。
俺はこっそりと鑑定の魔法で男女を見てみる。
「なるほどな」
それにより全てを理解した俺。
そんな中で、
「あなたが私たちの娘を救ってくださったのですか」
ぎこちない話し方。
「ええ」
「これは何とお礼を申し上げたらいいのか、ほれお前も何か言ったらどうだ」
「そ・そうね、ヒストリアを救ってくれてありがとう」
女の方は俺と目を合わそうとしない。
確実に何かよからぬことを企んでいるような気がする。
「もしよければお礼とも呼べるかわかりませんが夕飯を食べて行ってください。これがなかなかうまいんですよ」
ほほ面白い申し出だ。
「そうね、うちの娘を救ってくれたのだからそれくらいしないとね」
やはり目を合わせない。
それに、ヒストリアのことを名前では呼ぼうとしない。
そんな俺と男女二人が話していると、ヒストリアが二人の元へ行こうとする。
だが、それを手でとめた。
「アルクさんどうしたのですか?」
ヒストリアは首をかしげた。
だが、ヒストリアを二人の元へと行かせるわけにはいかない。
「ねえ、どうして魔族の二人がヒストリアの親のフリなんてしているんだろうな」
おっと口が滑ったぜ。
先ほど使った鑑定で二人の正体はすぐに魔族だと分かったのだが、どういう風に出てくるのか見てみようと思い遊ばせていた。
すると、二人はいかにも自分たちがヒストリアの親だと言わんばかりことを言ってきた。
正直少し笑えたし、こいつらが俺にどんな飯を出してくるのかも興味があった。
だが、またこの少女を危険でつらい目には合わしたくはない。
だからこそヒストリアが二人の元へ行くのを手で制したのだ、
「なんのことでしょうか?」
「しらばっくれるつもりか」
「そんな滅相もございません。こちらを見てください。この耳、この耳です。こんな長い耳を持つのはこの世界で私たち二人がエルフであり、その娘の親である証拠ですよ」
長い耳を必死でアピールしてくる。
「そうだよアルクさん。パパとママとずっと一緒に暮らしてきたんだよ」
そうだろうな。
なぜなら、この二人の魔族は生まれてすぐにヒストリアの両親を殺したのだから。
「その通りです。私たちの娘を救ってくださった方ですから悪く言いたくはないのですが、そのような言いがかりをつけられるのでしたら我々も出るところに出るしかなくなります」
フムフム、まあ予想通りの答えか。
だが、
「まあそれでもいいが、困るのはそっちだと思うぞ」
「それはどういうことかな? 私達にやましいことなどないと思うが」
「どうでしょうか? 解除」
俺が使った魔法解除は、変身系の魔法を強制的に解く魔法。
つまり、今俺の目の前にいる二人は本来の姿があらわになったわけである。
それを見た少女は、
「どういうことなのです?」
驚きの表情を隠せずにいた。
「どうしたんだい。ほらこっちにおいで」
男がなんと言おうとヒストリアが近づくことはない。
「そろそろ本音で話さないか、そんな下手な芝居をしてないでさ」
「ゲイル、もう無駄よ」
女の悪魔が男にそう告げた。
「もう、私たちの変身、完全に解けてるわ」
先ほどと違い俺と男の方を見ながら話している。しかも俺の方を見るときだけ凄い剣幕で睨みつけてくる。
「そうか、そうか、作戦は完全に失敗したってことか」
急に流ちょうに話しだす男。
「まさか、こんなガキに俺たちの正体を見破られるとは思ってもみなかたっぜ! ハハハハハハハハハハハハ」
笑いだす男の悪魔。
「なにがおかしいんだ」
「これがおかしくなくて何だっていうんだよ。人間よりも優れた存在である俺たち悪魔がたかが人間なんかに作戦の全てを粉々にされたんだ。もう笑うしかないじゃないか」
「ならよかった。俺はこの少女を救えたわけだな」
「いいえ、お前ら二人はここで死ぬのよ。私たち二人お正体を見抜いた人間を生かしておいとくわけないでしょ」
「そうか、ならどうする。ここでやるか」
「ええ、でもすでにもう終わっているわ」
俺が女の悪魔の話に集中している隙に男の悪魔が俺の背後を取っていた。
「終わりよ!」
キッーン!
「何がだ」
俺は背後からの攻撃を剣で受け止めた。
「何故だ!」
「そんな分かりやすい挑発をしてきたんだ、何かあるって思うだろう。それに、後ろのお前は気配をばら撒きすぎだ! 奇襲には向いてないな」
「っち! でもね、あなた自身は守れたとしてもそこの小娘はどうかしら?」
「やってみればいいじゃないか」
「その自信はどこから来るのかしら、あなたはゲイルに捕まってるのよ。どうしようっていうのかしら?」
女の悪魔は火魔法ファイアーボールを数発ヒストリアに向かって放つも、魔法をヒストリアの前で消え去る。
「!!」
「はぁ~」
正直少しがっかりだ。
魔族と言ってもたかだかこの程度の奴だとは、昔読んだ本に出てきた魔族はもっと恐ろしい存在だと書いてあったがこいつらはそうでもない。
「雑魚かよ」
俺の放った言葉にイラっと来たのだろう。二人が一斉に俺にかかってくる。
そこで、
「この悪魔二人倒して良いかな?」
ヒストリアに質問を投げかけてみる。
「はい!」
強く返事を返してくれた。
その返事と同時に剣を横なぎに一回転。二人の悪魔を真っ二つにした。
「これで終わりかな、ファイアーボール」
最後に火魔法で二人を焼いておく。
俺はこれからヒストリアをどうするかを考えていた。
ヒストリアの本当の両親は既に死んでいてこの世にはいない。たぶん、物心つく前にはすでにこの二人の悪魔によって殺されていたのだろう。そして、彼ら二人によってここまで育てられた。良くも悪くも最低限のことはここまでしてきたということだ。
だが、その親的存在もいなくなり一人になってしまった。
俺一人で考えていてお答えは一生でないだろう。
だから、
「これからヒストリアはどうしたい?」
質問してみた。
これからはヒストリアが自分の人生を決めていく。まだ十歳にも満たない少女にその選択をさせるのも酷かとも思ったが、あえて聞いてみることにした。
「私が決めていいのですか?」
「ああ、君の人生だ。好きに決めなさい」
そう答えると、ヒストリアは少し考えて、
「ではアルクさんについていきたいです」
「おれにか!?」
「はい、アルクさんは私の命を救ってくれた命の恩人です。これから一生かけてその恩を掛けて恩を返していきたいです」
「だが、これは俺がやりたくてやったことなんだぞ」
「それでも、私はアルクさんに助けていただいたのは事実です。それに、それでは私が納得できませんし、アルクさんの・・・・・・」
顔を赤くするヒストリア。
「アルクさんのなんだ?」
「いいえ! なんでもありません。お兄ちゃん」
少女はいたずらっぽくそんなことを言ってきた。
「おいおい、お兄ちゃんはやめてくれ! こっぱずかしくなってくる」
「いいえ、私にとってアルクさんはお兄ちゃん的な存在なので、それとも他の呼び方がいいですか? 例えばお兄様とか兄さんとか、それともパパとかどうですか~?」
「いや、お兄ちゃんでいいよ」
俺は渋々お兄ちゃんと言う呼び方を了承した。もしかするとヒストリアは俺をからかって楽しんでいたのではないかと思ってしまった。
そして、俺とヒストリアの新たな冒険が始まるのであった。
一方その頃、王都クルシャの城の中。
「まさか、そんなことが」
ここは、王城にある一室。第二王女であるネネ=クルシャが水晶を見ていた。
「ここ数か月の間に出ていたクルシャの消滅の未来が消えるなんて」
たった一日で何が起きたのか理解できないでいるネネ=クルシャ。
「でも一つだけ、今回の一件にこの冒険者がかかわっている事と、将来訪れるであろうこの国の災厄に彼の力が不可欠であるだなんて」
少しの安心と将来起こるであろうこの国の災厄の事での不安で押しつぶされそうになっているネネ=クルシャであった。
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