S級魔法士は学院に入学する〜平穏な学院生活は諦めてます〜(仮)

マッサン

20話




次の日俺とリリスは生徒会長室にきていた。

「んで、どうするのよ?」

腕を組みなぜか横暴な態度で会長にこれからの事を行動を催促する。
リリスさん相手会長ですよ先輩なんですよ。

「もう既に学院内での派閥の均衡は崩れてる。これから益々学生間の溝は深まり続けるでしょう」
「それだけならいいけどね。昨日のあれを見る限り貴族派も絡んでるのは間違い」
「──!?薄々はとは思っていましたが何か根拠が?」
「貴方は昨日防戦一方の弁明でそれどころじゃなかっただろうけど気づいた事はあったわ。ニグブルはあのT兵器の技術が使われてる魔道具をマナンスアッパーと呼んでいた。T兵器の正体すら知るのは帝国の上層部だけ、その技術を使われた魔道具を知ってるのは不自然よ。まぁでもそこを追求しても関与してる確たる証拠にはならないから逃げられるだろうけどね」

「あの人達は生徒の命まで危険に犯しても自分達に有利にしたいのですか…」

会長は拳を握りしめ怒りを露わにしていた。

「今回の件は皇帝派の貴族の弱体、貴族派の勢力拡大それに加え会長の求心力を落としたいのでしょう。あわよくば会長の座から引きづり降ろし学院内での覇権でも握りたいんじゃないんですかね」


──コンコン

ドアをノックする音で会話は中断され入室許可をもらい入ってきたのは副会長であった。

「会長、あの男子学生の意識が戻ったそうです」

話が出来そうなら何か聞けるかも知れないと思い4人で会いに行く──

ドレッセル家が所有する極秘の施設に案内されていた。今まで男子学生がどこにいるのか分からなかったが先輩の所にいたらしい。


◇◇◇


「私は生徒会長のミリア・ドレッセルです。ニックさん目が覚めたようでよかったです。起きられて間もない貴方には申し訳ないのですが色々と話を聞かせてもらいたいのです」

「俺はいったい…」

男子学生ことニックは意識は回復したみたいだが自分の今の現状がよく分からず戸惑っていた。
会長があの日の出来事を話して聞かせる。

「俺はなんて事をしたんだ…」

──おかしい
あれほどみせていた敵意はどこにいったんだ?
その様子にはリリスも眉をひそめ会長は話に聞いていたような人物とは全く違う雰囲気に戸惑っていた。

「なぁ君はあのブレスレットの魔道具はどうやって手に入れたんだ?」
「入学して一週間ぐらいした頃に道端で男に話しかけられたんです。貴族に不満を抱いてないか?って。当然怪しんだけど話だけでもって押し切られちゃって…」
「それで話をきいたと?」
「はい…そしたら女の人も現れたんです。その人と話してると何だが怒りが込み上げてきて貴族に復讐してやろう同じ苦しみを味あわせてやろうって」

それからいくつか質問をしてニックを休ませる事にした。

「マインドコントロールいや負の感情の増幅とみていいだろうな」
「私も同意見です。彼と一緒にいた生徒の話を聞くと入学して少ししてから言動が激しくなったり気性が荒くなったとの報告もありました」
「敵は洗脳に近い事をしてくるってことね。多分彼だけじゃなくて学生運動を主導してる奴らは敵に何かしらの魔法を掛けられてる確率が高いわ」

俺たち四人は情報のすり合わせと対策を考える。

「だが、貴族派がどう絡んでいるのかそして仕掛けてくるのかが分からないな。そこが分からないと動きようがない」
「もうすぐ生徒総会よどうするつもり?」
「現状では生徒総会の警備を厳しくするしか…」
「ですが、風紀委員いやこうなっては誰が味方かもこっち側に付いてくれるかも分かりませんよ!」

副会長の発言で会話は途切れる誰が味方で敵なのか。

「個人的に信用できる2.3年生達はいます。当日はお願いして警備とは別に動けるようにはしてもらうつもりですが少数には変わりありません。何かあれば臨機応変に対処するしかありませんね。ここまで巻き込んでしまって申し訳ありませんですがどうか最後まで力をお貸しください」

会長は俺とリリスに頭を下げた。

「言われなくても手伝ってやるわよ!乗りかかった船だもの──」

実に素直じゃないリリスらしい言い方であるがリリスとしてもこの件には協力したいのだろう。

話しも纏まりひと段落しようとしている時だった。

──4いや5人か

「会長どうやらお客さんみたいですね」
「私達が付けられたのでしょうか…?」
「違うわよ。全く付けられてる気配はなかった。例えドレッセル家の極秘施設だとしても遅かれ早かれ見つかっていたはずよ。なんなら私達がいる時でよかったじゃない」

この建物に近づく敵を迎えうつために俺たちは建物の外へと向かった。




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