S級魔法士は学院に入学する〜平穏な学院生活は諦めてます〜(仮)
12話
「先程は助けて頂きありがとうございます」
「別に気にしなくていいわよ。私もあんな男嫌いだしムカついたから勝手に割り込んだだけ」
場所を食堂に移動し、エルフ族の女性と共に5人で食事を囲んでいる。
お互いに自己紹介をしあい彼女の名前がリーシャだという事が分かった。
「リーシャって名前何処かで…試験次席だよね!?」
「ん?確かに入学試験は次席でした」
それを聞いてエドもエミリヤもびっくりし俺もあの皇女より順位が上な事に心の底から感嘆する。
「なぁこの国は異人種平等を謳ってるから国にもこの学院にも留学生として獣人国来てるやつもいるがエルフは珍しいな!ほらエルフ族は閉鎖敵で獣人国のそれも自治領からあまり出ないと聞いていたんだが…?」
昔軍の仕事でエルフ族を見かけた事があるがそれ以外でエルフ族を見かけたことがない。エドだけでなく他のメンバーの気になっているのだろう。エドの問いかけの返答を待っていた。
「1番の目的はアレン・ドレファス様を探すためです」
───は?おれを?
まさか出て来るとも思ってない名前を聞いて話しながら食べていたご飯に噎せてしまう。
「何でアレン・ドレファスを探したいのかしら?」
リーシャの返答にすかさず質問したのはリリスだ。それもさっきまで笑っていたのに今はどこか怪しむような何かを探っているような目線でサーシャをみている。
「4年前のあの戦役で獣王国そして我らが住まう自治領もかなりの被害が及びました。その時私達家族の命を助けてくれたのがアレン様でした。だから探してます」
「そうなんだ。それで探したらどうするの?お礼でも言いたいの?」
「それは…この身も心も捧げたいと思っています!」
───ブフゥーッ
飲んでいた水を吹き出す。
「うわっきたねッ!どうしたんだよレイ」
「わ、わりぃ」
俺は吹き出してしまった水を拭きながらエドに謝る。
「ふ、ふえー身も心もねー」
リリスも考えてもいなかったまさかの答えが返ってきた事に顔を引き攣らせる。
「はい!身も心もです!」
この返事には皆苦笑いだった。
「そう言えばよ〜噂で聞いたんだけどそのアレンって人、軍辞めたって話だぜ?」
「それ私も聞きました!アレンさんって方は帝国にも3人しかいないS級魔法士で帝国の中で魔法士最強の1人と言われてますよね」
「らしいな!でも何か仮面つけて正体を隠してる謎の多いってきくし、皇族や六魔公の関係者って噂もあるからなリリス何か知らないのかよ?」
「何で私に聞くのよ」
突然話を振られリリスは焦る。
もちろんアレンの正体が俺という事は知ってるしこれは極秘事項だからそれをここでバラす事はしない。
「知らないわそれに別に誰だっていいじゃない」
「かぁーリリスは素っ気ないというか無関心という」
「エド!うるさい!」
「だってそうだろ〜?」
エドのからかいにリリスの怒りのボルテージが上がっていく。
「エド君その辺で辞めましょうよ」
2人を窘めるエミリヤはいい緩衝材になっていた。
そんなみんなのやりとりを見えると視線を感じそちらを向くとリーシャが見ていた。
「どうしたんだリーシャ?」
「いえレイとはどこかで会った事があるような気がするのですが…」
まさか気づいた!?
だがアレンの時は仮面をつけて背丈や髪型、声まで変わっているはず──
「いや俺は会った事はないと思うんだけもな」
「うーんでもな───」
これ以上考える時間は与えられないな。
「まぁそのうち思いだすんじゃないか。それよりリーシャ何を食べてるんだ?」
「これですか?これはオーク肉のいちごミルク煮です!」
「それ…美味しいのか?」
「はいとても!」
「そんなメニューあったなんて知らなかった。メニュー表になかったような…新しいメニューか?」
「リリスさんがこれおすすめって…」
俺はリリスに顔を向けると同じ物を美味しそうに食べていた。
「なぁリリスそんなメニューあったんだな」
「なかったわよ。厨房の人に作ってもらったのよ!」
毎日思うがリリスらここにないメニューを食べているような気がする。
新たにリーシャと仲良くなり食事の時間は過ぎていった。
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