S級魔法士は学院に入学する〜平穏な学院生活は諦めてます〜(仮)

マッサン

第7話



風の刃ウィンドカッター

先に魔法発動したのはデールの方だった。
デールがリリスに手を向け狙いを定めると手の前には風の刃発動するための魔法式が構築される。

風の刃ウィンドカッター

デールの魔法発動よりワンテンポ遅れてリリスがデールに手を向け魔法式を構築する。

デールの風の刃が構築された魔法式から放たれるとリリスの風の刃が同時に・・・放たれるお互いの中央付近の所でぶつかり合い相殺され魔法が消滅する。

デールの方が先に魔法を発動するために魔法式を構築したにも関わらず後から魔法を発動したリリスと同じタイミングで魔法が発動された事から明らかにデールより魔法演算速度が速いのは紛れもない事実であった。

周りの観客達はリリスの魔法演算速度に簡単の声をあげる。
『さすがエルドラ家だ』
という声がちらほら聞こえてきた。

「なッチッ少しばかり魔法演算速度が速いからと言っていい気になるなよ!」

そう言うとデールは何かを投げるようなポーズをとりながら次の魔法に入る。

火の槍ファイヤーランス!」

今度はさっきより大きい魔法式がデールの上に構築される。さっきより魔力を多く使い威力をあげるようにしているのは一目瞭然だった。

火の槍ファイヤーランス

リリスは右手人差し指を立て今回もデールの魔法よりワンテンポ遅く魔法を発動し魔法式が構築されていく。

デールが大げさに投げる素振りを見せると手の上に構築されていた火の槍がリリスに向かって放たれる。
一応言っとくと投げる素振りを大袈裟に速くしたからととって魔法の威力や速度が上がるわけではない───

リリスが人差し指を降ろすとリリスの上に構築されていた火の槍がデールに向かって放たれ先程と同じく中央付近で相殺され消滅した。

わざと相手と同じ魔法でわざと威力も同じにして相手より後に魔法を発動して明らかにリリスは遊んでいる。

さっきと同じ結果になった事にデールは苦虫をこれでもかと言うほど噛み潰したような顔をしていたがそれで攻撃をやめるような事はない。

大岩の進撃ロックストライカー

デールの上にはデールより巨大な大岩が魔法式から構築されている。リリスをそれを見てデールと同じく大岩の進撃を構築しているがデールの魔法より小さいのは明らかだった。

それを見たデールは口角を釣り上げ魔法を放つ。それと同時にリリスも魔法を放った。先程までと同じなら中央付近で相殺され消滅するはずが今回は結果的には違った。

中央付近で大岩とそれより小さい岩がぶつかりデールや観客達は皆デールの魔法が勝ったと思っただろう。
だが、リリスの放った小さい岩は砕ける事なくデールの大岩を砕いていく───

デールの顔は驚愕に染められるが自分の魔法が砕かれこっちに向かってきているリリスの魔法を既の所で横に飛び避ける事に成功する。

「なんで…!?」

デールには理解出来ていなかった。

「馬鹿なんじゃないの?ただでかいだけの岩なんて意味ないでしょ。あんたの魔法より私の魔法の方が密度が高く出来が良かった魔法だったて事だけ」

「く、くそがー!見せてやるよデュパリエ家の血統魔法ユニークを!」

溶岩兵アンタイオス

デールが魔法を発動すると魔法式が魔法を構築していき目の前にはデールの2倍の大きさがある赤く身体がボコボコと音を立ててまるで燃えているようなゴーレムが出来上がる。

「どうだ!これがデュパリエ家の血統魔法、溶岩アータルだ!この魔法は触れるものをすべて焼き尽くす。今更命乞いした所で遅いからな!お前の泣き叫び逃げ惑う姿が楽しみだ」

自分の魔法に圧倒的な自信があるのだろうもう勝ち誇った顔をしていた。

「ふーん、デュパリエ家の血統魔法ユニークね…」

高笑いを続けているデールなど見ておらず溶岩兵観察し何かを納得いったような顔をし彼女は口を開く。

溶岩兵アンタイオス

リリスの前に魔法式が構築され溶岩兵が現れる。

「な、なぜ…?何でお前が…」

その溶岩兵を見て驚きを隠せないのはデールだけでなく観客で見ていたほとんどの生徒も同じであった────



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