おっさんの異世界生活は無理がある。
第646話
「九条さん、滑り方はこんな感じで良いんですか?」
「えぇ、後はもう少し姿勢を気を付けてもらえれば大丈夫だと思いますよ。」
「ありがとうございます。いやはや、いい歳してこんな物で遊ぶ事になるとは思いもしませんでしたが、実際にやってると意外に楽しいものですね。」
「ははっ、気に入って頂けたのなら何よりです。でも、凄い上達ぶりですね。まさかこんなに早くスノードを乗りこなせるだなんて。」
「いえいえ、先生が良いおかげですよ。それにあちらの方もそろそろ指導が終わりに近づいているみたいですね。」
スキー場として開放されている山のふもとでスノードの乗り方の講座を始めてから早数十分、鍛え上げられた肉体のおかげであっと言う間に上達していった親父さんは少し離れた場所に居るジーナ達の方に視線を向けていた。
「よーっし!どうかな?私的にはかなり良い感じだと思うんだけど!」
「うん、流石はジーナだ。呑み込みが早いね。」
「えへへ、ありがとう!そう言ってくれると嬉しいよ!それじゃあお父さん!まずは初心者コースで勝負しよっ!」
「アホ、まずは下まで滑り切れるか確かめるのが先だろ。仕事でも何でもそうだが、基本が出来る様になったからってすぐに色々な事が出来る訳じゃねぇんだよ。」
「むぅー!どうしてそういう事しか言えないかなー!ここは私に乗っかって、勝負をしてやるって言う所じゃないのー!?」
「やかましい。調子に乗って怪我をするよりかはマシだろうが。」
「ぶぅー!……あっ、そっか!もしかしてお父さん……私に負けるのが、怖かったりするんじゃないの?」
「……あ?」
「うんうん!分かるよその気持ち!そうだよね!何時も偉そうにしてるのに負けたりしたら恥ずかしいもんねぇ!それにお母さんの前で実の娘に敗北する姿なんて見せる訳にはいかないよね!」
「……ほほぅ……実の親に挑発をしてくるなんていい度胸じゃねぇか……なぁ?そう思わないか?ルーシー……」
「うふふ、そうですね。一緒に遊んで欲しくてあんな事を言うなんてジーナちゃんも可愛いですね。」
「いやあの、どう見てもそんな微笑ましい状況じゃないと思うんですけど……?」
バチバチに火花を散らしあってる2人を微笑みながら見つめているルーシーさんに視線を向けながら反応に困っていると、親父さんとジーナがスノードに魔力を込めて初心者リフトがある方へ滑って行ってしまった!
「ジーナ!負けたら仕事量を倍々に増やしてやるから覚悟しやがれ!」
「へーん!それなら私が勝ったら今度のお小遣いを倍々にして貰うからね!」
「上等だ!おら、行くぞ!」
「おうともさ!」
「あっ、ちょっとまっ!……おいおい、大丈夫かよ……?」
「まぁ、好きにさせておきなさいよ。アレも親子のスキンシップってやつでしょ。」
「うむ、ああやって対等の勝負が出来るというのは仲の良い証拠じゃぞ。」
「そりゃそうかもしれんけど……」
「おじさん、私とルーシーさんはここで雪だるまを作って待っていますので皆さんで2人の様子を見に行ってあげて下さい。」
「あっ、私は1人で勝手に滑って来るから放っといてくれて構わないわよ。」
「これユキ、寂しい事を言うでない。わしが付き合ってやるから一緒に行こうぞ!」
「……仕方ないわね。そういう事だから後の事はよろしくね。」
「ふふっ、任された。それでは私達も行くとしようか、九条さん、ソフィ。」
「うん、私達も勝負に行こう。」
「いや、俺達は親父さんとジーナを止めに……って、言っても無駄か……」
2人に触発されたのか明らかにやる気が満ち溢れまくっているソフィに呆れながら足元にあるスノードにゆっくり魔力を込めた俺は、皆と一緒に初心者リフトの方へと滑って行く事にするのだった。
「えぇ、後はもう少し姿勢を気を付けてもらえれば大丈夫だと思いますよ。」
「ありがとうございます。いやはや、いい歳してこんな物で遊ぶ事になるとは思いもしませんでしたが、実際にやってると意外に楽しいものですね。」
「ははっ、気に入って頂けたのなら何よりです。でも、凄い上達ぶりですね。まさかこんなに早くスノードを乗りこなせるだなんて。」
「いえいえ、先生が良いおかげですよ。それにあちらの方もそろそろ指導が終わりに近づいているみたいですね。」
スキー場として開放されている山のふもとでスノードの乗り方の講座を始めてから早数十分、鍛え上げられた肉体のおかげであっと言う間に上達していった親父さんは少し離れた場所に居るジーナ達の方に視線を向けていた。
「よーっし!どうかな?私的にはかなり良い感じだと思うんだけど!」
「うん、流石はジーナだ。呑み込みが早いね。」
「えへへ、ありがとう!そう言ってくれると嬉しいよ!それじゃあお父さん!まずは初心者コースで勝負しよっ!」
「アホ、まずは下まで滑り切れるか確かめるのが先だろ。仕事でも何でもそうだが、基本が出来る様になったからってすぐに色々な事が出来る訳じゃねぇんだよ。」
「むぅー!どうしてそういう事しか言えないかなー!ここは私に乗っかって、勝負をしてやるって言う所じゃないのー!?」
「やかましい。調子に乗って怪我をするよりかはマシだろうが。」
「ぶぅー!……あっ、そっか!もしかしてお父さん……私に負けるのが、怖かったりするんじゃないの?」
「……あ?」
「うんうん!分かるよその気持ち!そうだよね!何時も偉そうにしてるのに負けたりしたら恥ずかしいもんねぇ!それにお母さんの前で実の娘に敗北する姿なんて見せる訳にはいかないよね!」
「……ほほぅ……実の親に挑発をしてくるなんていい度胸じゃねぇか……なぁ?そう思わないか?ルーシー……」
「うふふ、そうですね。一緒に遊んで欲しくてあんな事を言うなんてジーナちゃんも可愛いですね。」
「いやあの、どう見てもそんな微笑ましい状況じゃないと思うんですけど……?」
バチバチに火花を散らしあってる2人を微笑みながら見つめているルーシーさんに視線を向けながら反応に困っていると、親父さんとジーナがスノードに魔力を込めて初心者リフトがある方へ滑って行ってしまった!
「ジーナ!負けたら仕事量を倍々に増やしてやるから覚悟しやがれ!」
「へーん!それなら私が勝ったら今度のお小遣いを倍々にして貰うからね!」
「上等だ!おら、行くぞ!」
「おうともさ!」
「あっ、ちょっとまっ!……おいおい、大丈夫かよ……?」
「まぁ、好きにさせておきなさいよ。アレも親子のスキンシップってやつでしょ。」
「うむ、ああやって対等の勝負が出来るというのは仲の良い証拠じゃぞ。」
「そりゃそうかもしれんけど……」
「おじさん、私とルーシーさんはここで雪だるまを作って待っていますので皆さんで2人の様子を見に行ってあげて下さい。」
「あっ、私は1人で勝手に滑って来るから放っといてくれて構わないわよ。」
「これユキ、寂しい事を言うでない。わしが付き合ってやるから一緒に行こうぞ!」
「……仕方ないわね。そういう事だから後の事はよろしくね。」
「ふふっ、任された。それでは私達も行くとしようか、九条さん、ソフィ。」
「うん、私達も勝負に行こう。」
「いや、俺達は親父さんとジーナを止めに……って、言っても無駄か……」
2人に触発されたのか明らかにやる気が満ち溢れまくっているソフィに呆れながら足元にあるスノードにゆっくり魔力を込めた俺は、皆と一緒に初心者リフトの方へと滑って行く事にするのだった。
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