おっさんの異世界生活は無理がある。
第598話
「うーん……なぁマホ、帰り際にアシェンさんからされたあの依頼ってどうするべきだと思う?引き受けた方が良いのか、それとも断った方が良いのか……」
「もう、それを私達に聞かれても困りますよ。頼まれたのはご主人様なんですから、引き受けるかどうかはご主人様が決めて下さい。」
「うぅ、そう言われてもなぁ……」
ソファーに寝転がって唸り声を上げてどうしたもんかと頭を悩ませ続けていると、風呂から上がったばかりのロイドがティーカップを2つ手に持ちながら俺の顔を覗き込んできた。
「ふふっ、帰って来てからずっとその調子だね。とりあえず紅茶を淹れたから、コレでも飲んですこし落ち着いたらどうだい?」
「……おう、ありがとうな……よっこいせっと。」
体を起こして目の前に置かれた紅茶を一口飲んでため息を零していると、アシェンさんから貰った本を読んでいたソフィが顔を上げてこっちに視線を送って来た。
「九条さん、イリスとイベントに参加するのが嫌だから悩んでるの?」
「あーいや、別にそういう訳じゃないんだが……その、イベントの内容がな?ほら、大切な人と素敵な思い出をって感じのもんみたいだろ?それってつまり、恋人同士で仲良く参加して下さいって事だと思うんだけど……そこに男同士ってのが……な?」
「なるほど、確かに大通りを見ていた感じだとそういった考えを持って参加している人達ばかりだった気がするね。」
「だろ?だからその、どうしたもかってなぁ……」
「ご主人様、別にそこまで深く考える必要は無いんじゃないですか?大切な人って、恋人だけじゃなくて家族や友人も含まれると思いますし……」
「仲間も大切な人に含まれる。」
「ふふっ、そうだね。もしかして九条さんは、私達の事を大切だとは思っていないという事なのかな?もしそうなら、凄く悲しいな。」
「……ロイド、本当にそう思ってるんなら微笑まない方が良いと思うぞ……つーか、そんな恥ずかしくなる様な事を言わせようとするんじゃない!俺がお前達の事をどう思ってるのかは……わざわざ口にしなくても分かってるだろ。」
「うーん、それはどうだろうね?考えている事、思っている事はきちんと言葉として口に出さなければ相手には伝わってくれない。そうではないかな?」
「言葉にしないと余計な誤解が生まれて仲がこじれるのはお約束。」
「……だ、そうですよ?ご主人様、どうしますか?」
「ぐ、ぐぬぬぅ……!あぁもう分かったよ!言えば良いんだろ言えば!お前達の事は大切に想ってる!これで良いか!?ったく、何かもうお前達に付き合ってたら考える事がバカらしくなってきたわ……」
「ふふっ、それは良かった。でも、本当はもう答えは決まっていたんだよね?それを決断する勇気が無かっただけで。」
「やれやれ、手の掛かるご主人様ですね。」
「うん、仕方ない人。」
「くっ、好き放題言いやがって……はぁ……」
皆から送られて来る生暖かい視線に何とも言えない小っ恥ずかしさを感じた俺は、再びソファーに倒れ込んで右腕を使って顔を覆うのだった。
「もう、それを私達に聞かれても困りますよ。頼まれたのはご主人様なんですから、引き受けるかどうかはご主人様が決めて下さい。」
「うぅ、そう言われてもなぁ……」
ソファーに寝転がって唸り声を上げてどうしたもんかと頭を悩ませ続けていると、風呂から上がったばかりのロイドがティーカップを2つ手に持ちながら俺の顔を覗き込んできた。
「ふふっ、帰って来てからずっとその調子だね。とりあえず紅茶を淹れたから、コレでも飲んですこし落ち着いたらどうだい?」
「……おう、ありがとうな……よっこいせっと。」
体を起こして目の前に置かれた紅茶を一口飲んでため息を零していると、アシェンさんから貰った本を読んでいたソフィが顔を上げてこっちに視線を送って来た。
「九条さん、イリスとイベントに参加するのが嫌だから悩んでるの?」
「あーいや、別にそういう訳じゃないんだが……その、イベントの内容がな?ほら、大切な人と素敵な思い出をって感じのもんみたいだろ?それってつまり、恋人同士で仲良く参加して下さいって事だと思うんだけど……そこに男同士ってのが……な?」
「なるほど、確かに大通りを見ていた感じだとそういった考えを持って参加している人達ばかりだった気がするね。」
「だろ?だからその、どうしたもかってなぁ……」
「ご主人様、別にそこまで深く考える必要は無いんじゃないですか?大切な人って、恋人だけじゃなくて家族や友人も含まれると思いますし……」
「仲間も大切な人に含まれる。」
「ふふっ、そうだね。もしかして九条さんは、私達の事を大切だとは思っていないという事なのかな?もしそうなら、凄く悲しいな。」
「……ロイド、本当にそう思ってるんなら微笑まない方が良いと思うぞ……つーか、そんな恥ずかしくなる様な事を言わせようとするんじゃない!俺がお前達の事をどう思ってるのかは……わざわざ口にしなくても分かってるだろ。」
「うーん、それはどうだろうね?考えている事、思っている事はきちんと言葉として口に出さなければ相手には伝わってくれない。そうではないかな?」
「言葉にしないと余計な誤解が生まれて仲がこじれるのはお約束。」
「……だ、そうですよ?ご主人様、どうしますか?」
「ぐ、ぐぬぬぅ……!あぁもう分かったよ!言えば良いんだろ言えば!お前達の事は大切に想ってる!これで良いか!?ったく、何かもうお前達に付き合ってたら考える事がバカらしくなってきたわ……」
「ふふっ、それは良かった。でも、本当はもう答えは決まっていたんだよね?それを決断する勇気が無かっただけで。」
「やれやれ、手の掛かるご主人様ですね。」
「うん、仕方ない人。」
「くっ、好き放題言いやがって……はぁ……」
皆から送られて来る生暖かい視線に何とも言えない小っ恥ずかしさを感じた俺は、再びソファーに倒れ込んで右腕を使って顔を覆うのだった。
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