おっさんの異世界生活は無理がある。
第547話
太陽が大きく傾いて辺りが茜色に染まり始めてきた頃、無事にトリアルまで帰って来た俺達は正門前の広場に停まった馬車から順番に降りて行った。
「さてと、お前達はこのまま別荘の方に帰るんだよな?悪いんだけど、エリオさんとカレンさんによろしく言っといてくれるか?多分、近い内に挨拶に行くってさ。」
「うむ、その時は土産物を忘れるでないぞ!」
「はいはい、お前の為じゃねぇけどちゃんと買ってくよ。それじゃあな。ユキの方も2人によろしくな。」
「えぇ、後でアタシにもお礼をくれるって言うんなら考えといてあげるわよ。」
「……分かったよ、ちゃんと頭を悩ませておけば良いんだろ。」
「よろしい。アンタ達、それじゃあまたね。王都に戻った後もシッカリやるのよ。」
「はっはっは、何か困った事があれば何時でも九条を訪ねて来るんじゃぞ!」
「うふふ、その時は是非ともそうさせてもらいますね。」
「あははっ、私の場合は尋ねられる方になると思うけどね。」
「あぁ、どっちかって言うとこっちがお邪魔させてもらう立場だからな。」
「ハッ、そういうのは知ったこっちゃねぇがオレはコイツに頼る様な事態になったりしねぇって断言しといてやるよ。」
「ふっはっはっ、我としても力を借りるのではなく貸す方になるであろうな!」
「私としては色々と記事になりそうな事件が起きそうなんで何度でも遊びに来たい所なんですが……しばらくは卒業に向けて色々と忙しくなりそうですので、ソレを乗り越えたらお邪魔したいと思います!」
「僕は……皆が九条さんに迷惑を掛けないか不安なので、そういう事になった時にはこちらに来させてもらいますね。」
「私は学園の用事があればって感じになっちゃうと思いますが……そうですね、またお会い出来る機会があればレミさんとユキさんも含めてよろしくお願い致します。」
「うむ!それではな!」
「それじゃあね、ばいばーい。」
そんな別れの挨拶をした後、2人を乗せた馬車が大通りの方に走り去って行くのを見送った俺達はそれぞれの荷物を改めて持ち直すと……
「………はぁ………」
「えっと……九条さん?やっぱりご迷惑でしたでしょうか?いきなりご自宅に泊めて頂くというのは……」
「いえ、別に迷惑だなんて事はありませんよ。ただ……色々大変そうだなって……」
割高料金になった宿屋に泊まるよりも無料宿泊が出来るウチに一泊する……そんな話が馬車の中で展開されて当然の如く逆らいきれなかった俺は、この後に起こるかもしれない事態に対してどう対処しようかと考えながら思わずため息を零していた……
「うふふ、大丈夫ですよ九条さん。家事の心配なら僕が全て手伝ってあげますから。それに勿論、旅行で疲れた体を癒す為に一晩中マッサージもしてあげます。」
「うん、何が勿論なのかは分からないし知りたくも無いから丁重にお断りするな……ってか、泊めるのは構わないが絶対に俺の部屋には侵入してくるんじゃねぇぞ!?」
「………うふふ。」
「笑って誤魔化すな!」
「ったく、ゴチャゴチャうっせぇな。良いからさっさとテメェの家に案内しやがれ。こっちは座りっぱなしでいい加減に疲れてんだよ。」
「あー確かに座り心地は最高だったけどずっと同じ姿勢だったからねぇ……うぅ……それにしても良いなぁ!私も九条さんの所でお泊りしたかったよ!」
「いや、そういう訳にもいかんだろうが……予定日よりも帰るのが遅くなってるから親方が心配してだろ。」
「むぅ……そう言われると困っちゃうんだけど……」
「すみませんジーナさん……私のせいでご家族の方に余計なご心配を……」
「あっ、ううん!大丈夫大丈夫!ルゥナさんは何にも悪くないから!それを言うならルゥナさんにお酒を飲ませ過ぎた九条さんにも責任があるし!」
「は、はぁ!?いきなり何を……って言いたい所だが、微妙に反論しにくい……!」
「ジーナさん!もしご家族の方がお許しになって下さるなら、後で九条さんのご自宅までいらっしゃれば良いんじゃないですか?」
「おっ、オレットちゃん良い事言うね!うんうん、そういう事なら早く戻らないと!それじゃあ皆、また後でね~!」
「ちょっ、おい!……い、行っちまいやがった……」
「あはっ、それじゃあ私達も行きましょうか!九条さん、案内お願いします!」
「……あぁもう、分かったよ!でも、その前に晩飯用の食材を買いに行くぞ。流石に村で貰ったヤツだけじゃ足りねぇからな。」
後頭部をガシガシと掻きながら皆を引き連れて歩き始めた俺は、帰って来たばかりだと言うのに無駄に荷物を増やして自宅まで戻って行くのだった。
……そんでもってもしかしたら何て考えたりしていたのだが、馬車の中で予想していた通りあいつ等はまだ戻って来ていなかったとさ。
「さてと、お前達はこのまま別荘の方に帰るんだよな?悪いんだけど、エリオさんとカレンさんによろしく言っといてくれるか?多分、近い内に挨拶に行くってさ。」
「うむ、その時は土産物を忘れるでないぞ!」
「はいはい、お前の為じゃねぇけどちゃんと買ってくよ。それじゃあな。ユキの方も2人によろしくな。」
「えぇ、後でアタシにもお礼をくれるって言うんなら考えといてあげるわよ。」
「……分かったよ、ちゃんと頭を悩ませておけば良いんだろ。」
「よろしい。アンタ達、それじゃあまたね。王都に戻った後もシッカリやるのよ。」
「はっはっは、何か困った事があれば何時でも九条を訪ねて来るんじゃぞ!」
「うふふ、その時は是非ともそうさせてもらいますね。」
「あははっ、私の場合は尋ねられる方になると思うけどね。」
「あぁ、どっちかって言うとこっちがお邪魔させてもらう立場だからな。」
「ハッ、そういうのは知ったこっちゃねぇがオレはコイツに頼る様な事態になったりしねぇって断言しといてやるよ。」
「ふっはっはっ、我としても力を借りるのではなく貸す方になるであろうな!」
「私としては色々と記事になりそうな事件が起きそうなんで何度でも遊びに来たい所なんですが……しばらくは卒業に向けて色々と忙しくなりそうですので、ソレを乗り越えたらお邪魔したいと思います!」
「僕は……皆が九条さんに迷惑を掛けないか不安なので、そういう事になった時にはこちらに来させてもらいますね。」
「私は学園の用事があればって感じになっちゃうと思いますが……そうですね、またお会い出来る機会があればレミさんとユキさんも含めてよろしくお願い致します。」
「うむ!それではな!」
「それじゃあね、ばいばーい。」
そんな別れの挨拶をした後、2人を乗せた馬車が大通りの方に走り去って行くのを見送った俺達はそれぞれの荷物を改めて持ち直すと……
「………はぁ………」
「えっと……九条さん?やっぱりご迷惑でしたでしょうか?いきなりご自宅に泊めて頂くというのは……」
「いえ、別に迷惑だなんて事はありませんよ。ただ……色々大変そうだなって……」
割高料金になった宿屋に泊まるよりも無料宿泊が出来るウチに一泊する……そんな話が馬車の中で展開されて当然の如く逆らいきれなかった俺は、この後に起こるかもしれない事態に対してどう対処しようかと考えながら思わずため息を零していた……
「うふふ、大丈夫ですよ九条さん。家事の心配なら僕が全て手伝ってあげますから。それに勿論、旅行で疲れた体を癒す為に一晩中マッサージもしてあげます。」
「うん、何が勿論なのかは分からないし知りたくも無いから丁重にお断りするな……ってか、泊めるのは構わないが絶対に俺の部屋には侵入してくるんじゃねぇぞ!?」
「………うふふ。」
「笑って誤魔化すな!」
「ったく、ゴチャゴチャうっせぇな。良いからさっさとテメェの家に案内しやがれ。こっちは座りっぱなしでいい加減に疲れてんだよ。」
「あー確かに座り心地は最高だったけどずっと同じ姿勢だったからねぇ……うぅ……それにしても良いなぁ!私も九条さんの所でお泊りしたかったよ!」
「いや、そういう訳にもいかんだろうが……予定日よりも帰るのが遅くなってるから親方が心配してだろ。」
「むぅ……そう言われると困っちゃうんだけど……」
「すみませんジーナさん……私のせいでご家族の方に余計なご心配を……」
「あっ、ううん!大丈夫大丈夫!ルゥナさんは何にも悪くないから!それを言うならルゥナさんにお酒を飲ませ過ぎた九条さんにも責任があるし!」
「は、はぁ!?いきなり何を……って言いたい所だが、微妙に反論しにくい……!」
「ジーナさん!もしご家族の方がお許しになって下さるなら、後で九条さんのご自宅までいらっしゃれば良いんじゃないですか?」
「おっ、オレットちゃん良い事言うね!うんうん、そういう事なら早く戻らないと!それじゃあ皆、また後でね~!」
「ちょっ、おい!……い、行っちまいやがった……」
「あはっ、それじゃあ私達も行きましょうか!九条さん、案内お願いします!」
「……あぁもう、分かったよ!でも、その前に晩飯用の食材を買いに行くぞ。流石に村で貰ったヤツだけじゃ足りねぇからな。」
後頭部をガシガシと掻きながら皆を引き連れて歩き始めた俺は、帰って来たばかりだと言うのに無駄に荷物を増やして自宅まで戻って行くのだった。
……そんでもってもしかしたら何て考えたりしていたのだが、馬車の中で予想していた通りあいつ等はまだ戻って来ていなかったとさ。
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