おっさんの異世界生活は無理がある。
第545話
宿泊予定日が2日程ズレたせいで多少の追加料金は取られたりはしたがとりあえず寝泊まりする場所を確保する事が出来た俺は、少しだけ立ち寄りたい所があったので晩飯を食べ終えた後にその旨を皆に伝えたのだが……
「……なぁ、さっきから言ってるけど先に宿屋に戻ってくれてても構わないんだぞ?つーか、どうしてわざわざ俺について来るんだよ……」
「うふふ、九条さんの向かう所でしたら何処へなりともお供致しますよ。だって僕と九条さんは絶対に離れる事が出来ない運命で繋がっているんですから。」
「すみません。九条さんにとってご迷惑になっているのは分かっているんですけど、イリスがこんな感じなのでどうしても不安で……」
「……うん、エルアのその判断については正直言って感謝の気持ちしかない。だからいざという時は本当に頼むぞ……!」
「えぇ、お任せ下さい!」
「うーん、そんなに警戒されてしまうと流石の僕でもちょっぴり傷付きますね……」
「エルア……そういう台詞は満面の笑みを浮かべながらいう事じゃないと思うぞ……つーかジーナ、どうしてお前までこっちに来たんだ?他の皆と一緒に店にでも行って親方の為に土産物でも選んでくれば良いだろうが。」
「それはクアウォートでもう買ってあるから大丈夫!私としては九条さんが向かっている所の方が気になるんだよね……自分の仕事の成果を確かめるって意味でもさ。」
「……なるほど、そりゃお前だったらそう考えるか。」
「うん!だから早く行こうよ!急がないと誰も居なくなっちゃうかもしれないよ!」
「あぁ、それもそうだな。」
俺達のそんな会話を聞きながらいまいちよく分かっていなさそうなエルアと不敵に微笑んでいるイリスにチラッと視線を送りながらしばらく歩き続けていると、視線の先に大きな畑を背にして立っているお婆さんの姿が見えてきた。
「あっ、いたいた!お~い!」
「ん?……あら、貴方達は……お久しぶりです、あれからお変わりありませんか?」
「もっちろん!何ならあの時より元気バリバリだよ!いやぁ、それにしても良かった良かった!もしかしたら会えないんじゃないかと思ってたからね!」
「……九条さん、このお婆さんは確か……」
「うふふ、九条さんとジーナさんが農具を修理してあげた方ですよね。」
「まぁ、その通りだな。」
「えぇえぇ、その節は本当にお世話になりました。貴方達が農具を修理して下さったおかげで皆も喜んでおりましたよ。」
「えへへ、勝手に大事な道具を触っちゃったりしたから怒られちゃうかもとか思ってたんだけどそれが本当なら良かった!ね、九条さん。」
「あぁ、教えてくれてありがとうございます。その言葉が聞けて安心しました。」
「いえいえ、お礼を言うのは私達の方ですよ。本当なら他の皆も呼んできちんとした感謝の気持ちをお伝えしたいのですが……」
「そんな、アレは俺達が勝手にやった事なんですからそんなに気にしないで下さい。それと今日はいきなりお邪魔してすみませんでした。そろそろ陽が暮れてきますのでそろそろ失礼しますね。」
「ふふっ、お邪魔だなんてとんでもない。恩人である貴方達に会えて私も凄く嬉しく思っていますよ……そう言えば、貴方達の後ろに立っている方達は……」
「あっ、初めまして!僕はエルアと言います。」
「うふふ、僕はイリスと申します。九条さん達と一緒に旅行をしている者です。」
「あぁ、そういう事でしたか。てっきりお2人のお子さんかと……」
「は……へっ!?」
こ、このお婆さんはいきなりなんつー爆弾を放り込んできやがるんだよ!?って、そういやこの人は俺とジーナの仲を誤解したまんまだったんだっけ……!
「もう、お婆さんったら何を言ってるのさ!こんなに若々しい乙女に、2人みたいな大きな子供が居る訳ないでしょ?」
「そ、そうですよ!って言うかですね、そもそもの誤解として俺とジーナはそういう関係では無くてっ?!イ、イリス!?」
「そうですよね。ジーナさんと九条さんがそんな関係のはずありません……だって、九条さんの運命の相手はこの僕なんですから。」
「まぁ!あらあら……」
「ちょっ!お前は余計な事を言うんじゃないっての!」
「余計な事?僕は真実しか伝えていませんよ?」
「いや、さっきの言葉の何処に真実があるんだ!?」
「そ、そうだよエルア!ほら、早く九条さんから離れるんだ……!」
「あらあらあら……まぁまぁまぁ……一体どの子が本命さんなのかしら?もしかして全員が本命さんだったりして……ふふっ。」
「お、お婆さん!?ニッコリ微笑みながら何を恐ろしい事を仰ってるんですか?!」
頬に手を当てながら不吉な事を口にしたお婆さんに愕然としてから少し経った後、何とかその場を収めた俺は精神的にドッと疲れながら皆と宿屋へ戻るのだった……
「……なぁ、さっきから言ってるけど先に宿屋に戻ってくれてても構わないんだぞ?つーか、どうしてわざわざ俺について来るんだよ……」
「うふふ、九条さんの向かう所でしたら何処へなりともお供致しますよ。だって僕と九条さんは絶対に離れる事が出来ない運命で繋がっているんですから。」
「すみません。九条さんにとってご迷惑になっているのは分かっているんですけど、イリスがこんな感じなのでどうしても不安で……」
「……うん、エルアのその判断については正直言って感謝の気持ちしかない。だからいざという時は本当に頼むぞ……!」
「えぇ、お任せ下さい!」
「うーん、そんなに警戒されてしまうと流石の僕でもちょっぴり傷付きますね……」
「エルア……そういう台詞は満面の笑みを浮かべながらいう事じゃないと思うぞ……つーかジーナ、どうしてお前までこっちに来たんだ?他の皆と一緒に店にでも行って親方の為に土産物でも選んでくれば良いだろうが。」
「それはクアウォートでもう買ってあるから大丈夫!私としては九条さんが向かっている所の方が気になるんだよね……自分の仕事の成果を確かめるって意味でもさ。」
「……なるほど、そりゃお前だったらそう考えるか。」
「うん!だから早く行こうよ!急がないと誰も居なくなっちゃうかもしれないよ!」
「あぁ、それもそうだな。」
俺達のそんな会話を聞きながらいまいちよく分かっていなさそうなエルアと不敵に微笑んでいるイリスにチラッと視線を送りながらしばらく歩き続けていると、視線の先に大きな畑を背にして立っているお婆さんの姿が見えてきた。
「あっ、いたいた!お~い!」
「ん?……あら、貴方達は……お久しぶりです、あれからお変わりありませんか?」
「もっちろん!何ならあの時より元気バリバリだよ!いやぁ、それにしても良かった良かった!もしかしたら会えないんじゃないかと思ってたからね!」
「……九条さん、このお婆さんは確か……」
「うふふ、九条さんとジーナさんが農具を修理してあげた方ですよね。」
「まぁ、その通りだな。」
「えぇえぇ、その節は本当にお世話になりました。貴方達が農具を修理して下さったおかげで皆も喜んでおりましたよ。」
「えへへ、勝手に大事な道具を触っちゃったりしたから怒られちゃうかもとか思ってたんだけどそれが本当なら良かった!ね、九条さん。」
「あぁ、教えてくれてありがとうございます。その言葉が聞けて安心しました。」
「いえいえ、お礼を言うのは私達の方ですよ。本当なら他の皆も呼んできちんとした感謝の気持ちをお伝えしたいのですが……」
「そんな、アレは俺達が勝手にやった事なんですからそんなに気にしないで下さい。それと今日はいきなりお邪魔してすみませんでした。そろそろ陽が暮れてきますのでそろそろ失礼しますね。」
「ふふっ、お邪魔だなんてとんでもない。恩人である貴方達に会えて私も凄く嬉しく思っていますよ……そう言えば、貴方達の後ろに立っている方達は……」
「あっ、初めまして!僕はエルアと言います。」
「うふふ、僕はイリスと申します。九条さん達と一緒に旅行をしている者です。」
「あぁ、そういう事でしたか。てっきりお2人のお子さんかと……」
「は……へっ!?」
こ、このお婆さんはいきなりなんつー爆弾を放り込んできやがるんだよ!?って、そういやこの人は俺とジーナの仲を誤解したまんまだったんだっけ……!
「もう、お婆さんったら何を言ってるのさ!こんなに若々しい乙女に、2人みたいな大きな子供が居る訳ないでしょ?」
「そ、そうですよ!って言うかですね、そもそもの誤解として俺とジーナはそういう関係では無くてっ?!イ、イリス!?」
「そうですよね。ジーナさんと九条さんがそんな関係のはずありません……だって、九条さんの運命の相手はこの僕なんですから。」
「まぁ!あらあら……」
「ちょっ!お前は余計な事を言うんじゃないっての!」
「余計な事?僕は真実しか伝えていませんよ?」
「いや、さっきの言葉の何処に真実があるんだ!?」
「そ、そうだよエルア!ほら、早く九条さんから離れるんだ……!」
「あらあらあら……まぁまぁまぁ……一体どの子が本命さんなのかしら?もしかして全員が本命さんだったりして……ふふっ。」
「お、お婆さん!?ニッコリ微笑みながら何を恐ろしい事を仰ってるんですか?!」
頬に手を当てながら不吉な事を口にしたお婆さんに愕然としてから少し経った後、何とかその場を収めた俺は精神的にドッと疲れながら皆と宿屋へ戻るのだった……
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
3
-
-
55
-
-
440
-
-
124
-
-
24251
-
-
1978
-
-
381
-
-
353
-
-
755
コメント