おっさんの異世界生活は無理がある。
第510話
「あ~あ~……マジでどうすっかなぁ……」
「ふんっ、ここまで来てはどうする事も無いだろう。いい加減に諦めて気持ちを切り替えたらどうなのだ?」
「いや、そうは言うけどさぁ……はぁ~……」
「チッ、そんなに後悔してんなら昨日の内にどうにかすりゃ良かっただろうが。」
「それを言われると……まぁ、そうなんだけどさぁ……」
「もう、朝から暗いよ九条さん!それにため息ばっかり零していると幸せがどんどん逃げて行っちゃうよ!」
「……ったく、誰のせいでため息を零してると思ってんだ……あのお婆さん、俺達の関係を誤解したままだったんだぞ?」
ガクッと肩を落としながらジトッとした目線をジーナに送り付けた俺は、出発する直前にお婆さんから受け取った野菜の入った袋を静かに揺らすのだった……
「もう、それの何が不満なのさ?九条さんだって、私みたいな可愛い女の子が奥さんならとっても嬉しいでしょ!」
「いや、そりゃあまぁ……否定はしずらいけども……」
「ほら!それなら問題は無いよね?」
「うふふ……ジーナさん、僕は問題だらけだと思いますよ?」
「えっ、何処が?」
「だって……次にまたクアウォートへ寄る時に九条さんが連れ添っているのは僕なんですから、女性にだらしのない男性だと思われる前に誤解は解いておかないと。」
「えぇ~!?別にそうだって決まった訳じゃなくない?もしかしたら、次また一緒に居るのも私かもしれないよ?」
「いえ、そんな事はあり得ません。そうですよね、九条さん。」
「おぉ!モテモテですね九条さん!コレは世の男性達が羨みますよ!」
「オレットさん、そう言われてどう反応すりゃ良いんだよ……!?」
「3人共、九条さんを困らせない。お婆さんがしている誤解については帰りに寄った時にきちんと説明して解いておきますよ。」
「エ、エルア……!」
「私もそうした方が良いと思います。九条さんが大切を見つけてまたあの村に行った時に非難されたりするのは避けたいですからね。」
「ル、ルゥナさんも……!ありがとう、俺の為に……!」
「いえいえ、どういたしまして。」
「九条さんの助けになれたのなら良かったです。それに……ぼ、僕もその……」
「ん?どうしたんだ?」
「い、いえ!何でもありません!そ、それよりもクアウォートはまだですかね!?時間的にもうそろそろだと思うんですけど……」
「ふむ、そう言えばそうだな。九条透、この辺りの景色に見覚えは無いのか?」
「あー……多分この丘を越えた辺りから街が………うん、見えてきたみたいだな。」
「えっ、どれどれ!?……うわぁ……すっごいなぁ……」
「……へぇ……」
「うふふ、思わず見惚れてしまう美しさですね。」
「……ふっ、悪くないな。」
「うん、海がキラキラと輝いていて……とても綺麗だ……」
「こ、この光景はカメラに収めておかなくては!!」
学生組が窓の外を眺めながらしばらく静かにしていると、ルゥナさんがごほんっとわざと咳払いをして全員の注目を自分に集めた。
「皆さん、浮かれてしまう気持ちも分かりますけれど行動にはくれぐれも気を付けて下さいね。それと遊ぶ事ばかりに夢中になって勉学を忘れない様にして下さい。」
「はい、勿論です。」
「学生としての本分はきちんと果たしますからご心配なく。」
「まぁ、オレはほとんど終わってるから関係ねぇ話だな。」
「我とて与えられた課題に手こずる無様は見せんぞ!」
「うぅ……皆してズルイ……!」
「あははっ!学生ってのは大変なんだねぇ。私達は特に縛られる事も無いから、思う存分遊び回れるね!」
「あぁ、とりあえず応援だけはしといてやるよ。」
そんな他愛もない話をしていると運転席側の小窓がコンコンと叩かれて御者さんがクアウォートへの到着を知らせてくれて……俺達はエリオさんが貸してくれた別荘にそのまま向かって行く事になるのだった。
「ふんっ、ここまで来てはどうする事も無いだろう。いい加減に諦めて気持ちを切り替えたらどうなのだ?」
「いや、そうは言うけどさぁ……はぁ~……」
「チッ、そんなに後悔してんなら昨日の内にどうにかすりゃ良かっただろうが。」
「それを言われると……まぁ、そうなんだけどさぁ……」
「もう、朝から暗いよ九条さん!それにため息ばっかり零していると幸せがどんどん逃げて行っちゃうよ!」
「……ったく、誰のせいでため息を零してると思ってんだ……あのお婆さん、俺達の関係を誤解したままだったんだぞ?」
ガクッと肩を落としながらジトッとした目線をジーナに送り付けた俺は、出発する直前にお婆さんから受け取った野菜の入った袋を静かに揺らすのだった……
「もう、それの何が不満なのさ?九条さんだって、私みたいな可愛い女の子が奥さんならとっても嬉しいでしょ!」
「いや、そりゃあまぁ……否定はしずらいけども……」
「ほら!それなら問題は無いよね?」
「うふふ……ジーナさん、僕は問題だらけだと思いますよ?」
「えっ、何処が?」
「だって……次にまたクアウォートへ寄る時に九条さんが連れ添っているのは僕なんですから、女性にだらしのない男性だと思われる前に誤解は解いておかないと。」
「えぇ~!?別にそうだって決まった訳じゃなくない?もしかしたら、次また一緒に居るのも私かもしれないよ?」
「いえ、そんな事はあり得ません。そうですよね、九条さん。」
「おぉ!モテモテですね九条さん!コレは世の男性達が羨みますよ!」
「オレットさん、そう言われてどう反応すりゃ良いんだよ……!?」
「3人共、九条さんを困らせない。お婆さんがしている誤解については帰りに寄った時にきちんと説明して解いておきますよ。」
「エ、エルア……!」
「私もそうした方が良いと思います。九条さんが大切を見つけてまたあの村に行った時に非難されたりするのは避けたいですからね。」
「ル、ルゥナさんも……!ありがとう、俺の為に……!」
「いえいえ、どういたしまして。」
「九条さんの助けになれたのなら良かったです。それに……ぼ、僕もその……」
「ん?どうしたんだ?」
「い、いえ!何でもありません!そ、それよりもクアウォートはまだですかね!?時間的にもうそろそろだと思うんですけど……」
「ふむ、そう言えばそうだな。九条透、この辺りの景色に見覚えは無いのか?」
「あー……多分この丘を越えた辺りから街が………うん、見えてきたみたいだな。」
「えっ、どれどれ!?……うわぁ……すっごいなぁ……」
「……へぇ……」
「うふふ、思わず見惚れてしまう美しさですね。」
「……ふっ、悪くないな。」
「うん、海がキラキラと輝いていて……とても綺麗だ……」
「こ、この光景はカメラに収めておかなくては!!」
学生組が窓の外を眺めながらしばらく静かにしていると、ルゥナさんがごほんっとわざと咳払いをして全員の注目を自分に集めた。
「皆さん、浮かれてしまう気持ちも分かりますけれど行動にはくれぐれも気を付けて下さいね。それと遊ぶ事ばかりに夢中になって勉学を忘れない様にして下さい。」
「はい、勿論です。」
「学生としての本分はきちんと果たしますからご心配なく。」
「まぁ、オレはほとんど終わってるから関係ねぇ話だな。」
「我とて与えられた課題に手こずる無様は見せんぞ!」
「うぅ……皆してズルイ……!」
「あははっ!学生ってのは大変なんだねぇ。私達は特に縛られる事も無いから、思う存分遊び回れるね!」
「あぁ、とりあえず応援だけはしといてやるよ。」
そんな他愛もない話をしていると運転席側の小窓がコンコンと叩かれて御者さんがクアウォートへの到着を知らせてくれて……俺達はエリオさんが貸してくれた別荘にそのまま向かって行く事になるのだった。
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