おっさんの異世界生活は無理がある。
第503話
滅多に食べられない豪華な料理をご馳走になったり、ロイドが幼い頃のアルバムを見ながらカレンさんの思い出話を聞かされたり、ウチより何倍も広い大浴場でエリオさんと2人きりになったりしながら一夜を明かす事になった俺は、太陽が昇り始めて間もない頃合いに3人に見送られながら屋敷の外に出るのだった。
「九条さん、本当にもう帰ってしまわれるんですか?私達としましては、ご旅行日になるまでこちらで過ごして頂いても全然構わないんですよ?」
「いえ、流石にそこまで甘える訳にはいきませんよ。それに家の掃除は1日サボると後が大変ですからね。なるべくなら手間の掛かる前に綺麗にしておきたいんです。」
「そうですか……では、こうしませんか!九条さんのお家の事は使用人にお任せしてやっぱり旅行日までごゆっくりして頂くという事で」
「カレン、いい加減に諦めなさい。九条さんが困っているじゃないか。」
「むぅ……エリオさんは私と九条さん、どちらの味方なんですか?」
「勿論カレンの味方だ……と言いたい所だが、今回ばかりは九条さんの味方だな。」
「えぇ~!」
「あはは……どうもありがとうございます。それじゃあ俺はこれで……エリオさん、カレンさん、お世話になりました。レミ、2人に迷惑掛けるんじゃないぞ。」
「ふっ、そんな事はお主に言われんでも心得ておるわ!それよりも九条、家には1人きりなんじゃろう?寂しかったら戻って来ても構わんのじゃぞ。」
「アホか、俺はあいつ等と暮らしてる時間より1人で暮らしていた時間の方がずっと多いんだぞ。今更そんな感情を抱くはずが無いだろうが。」
「はっはっは、お主のその強がりが旅行日まで持つとよいのう。」
「ハッ、余裕だそんなもん。って、こんな事を話してたら気温が上がっちまうわ……では、失礼します。お2人共、お体にはお気を付けてお過ごし下さい。」
「えぇ、九条さんもどうかお気を付け下さい。それと何か困った事があれば何時でもお力になりますので、また好きな時に遊びに来て下さい。」
「九条さん、またロイドちゃんの事についていっぱいお喋りをしましょうね。今度はまた別のアルバムをお見せ致しますから。」
「はい、楽しみにしています。まぁ、次はロイドも一緒に来ると思いますからソレについてはまたの機会になりそうですけどね。」
「うふふ、その時はロイドちゃんも交えてお話すれば良いだけですよ。」
「ははっ、それをアイツが了承してくれるか分かりませんけど……それではまた。」
軽く頭を下げてから3人に背を向けて歩き出してから数分後、噴水の辺りを超えた地点で向こう側からこっちに近寄って来るカームさんの姿を発見した。
「おや、九条さん。もしかしてお帰りなるのですか?」
「はい、あんまり厄介になりすぎてここでの暮らしから抜け出せなくなったりしたらあいつ等に合わせる顔が無くなりますからね。」
「なるほど、そういう事でしたら九条さんをお引き留めする訳にはまいりませんね。あっ、もしご必要でしたらすぐに帰りの馬車をご用意なさいますが……」
「いえいえ、そこまでしてもらう訳にはいきませんよ。それにまだ朝方なので涼しいですから、お気持ちだけ受け取らせて頂きますね。」
「そうですか……それでは九条さん、また来て頂ける日が来るのを心よりお待ちしております。」
「えぇ、分かりました。それでは、今日は失礼します。」
最後の最後にカームさんに見送られながらその場を後にした俺は、真夏の日差しが襲い掛かって来る前に急いで家に帰って行くのだった。
「九条さん、本当にもう帰ってしまわれるんですか?私達としましては、ご旅行日になるまでこちらで過ごして頂いても全然構わないんですよ?」
「いえ、流石にそこまで甘える訳にはいきませんよ。それに家の掃除は1日サボると後が大変ですからね。なるべくなら手間の掛かる前に綺麗にしておきたいんです。」
「そうですか……では、こうしませんか!九条さんのお家の事は使用人にお任せしてやっぱり旅行日までごゆっくりして頂くという事で」
「カレン、いい加減に諦めなさい。九条さんが困っているじゃないか。」
「むぅ……エリオさんは私と九条さん、どちらの味方なんですか?」
「勿論カレンの味方だ……と言いたい所だが、今回ばかりは九条さんの味方だな。」
「えぇ~!」
「あはは……どうもありがとうございます。それじゃあ俺はこれで……エリオさん、カレンさん、お世話になりました。レミ、2人に迷惑掛けるんじゃないぞ。」
「ふっ、そんな事はお主に言われんでも心得ておるわ!それよりも九条、家には1人きりなんじゃろう?寂しかったら戻って来ても構わんのじゃぞ。」
「アホか、俺はあいつ等と暮らしてる時間より1人で暮らしていた時間の方がずっと多いんだぞ。今更そんな感情を抱くはずが無いだろうが。」
「はっはっは、お主のその強がりが旅行日まで持つとよいのう。」
「ハッ、余裕だそんなもん。って、こんな事を話してたら気温が上がっちまうわ……では、失礼します。お2人共、お体にはお気を付けてお過ごし下さい。」
「えぇ、九条さんもどうかお気を付け下さい。それと何か困った事があれば何時でもお力になりますので、また好きな時に遊びに来て下さい。」
「九条さん、またロイドちゃんの事についていっぱいお喋りをしましょうね。今度はまた別のアルバムをお見せ致しますから。」
「はい、楽しみにしています。まぁ、次はロイドも一緒に来ると思いますからソレについてはまたの機会になりそうですけどね。」
「うふふ、その時はロイドちゃんも交えてお話すれば良いだけですよ。」
「ははっ、それをアイツが了承してくれるか分かりませんけど……それではまた。」
軽く頭を下げてから3人に背を向けて歩き出してから数分後、噴水の辺りを超えた地点で向こう側からこっちに近寄って来るカームさんの姿を発見した。
「おや、九条さん。もしかしてお帰りなるのですか?」
「はい、あんまり厄介になりすぎてここでの暮らしから抜け出せなくなったりしたらあいつ等に合わせる顔が無くなりますからね。」
「なるほど、そういう事でしたら九条さんをお引き留めする訳にはまいりませんね。あっ、もしご必要でしたらすぐに帰りの馬車をご用意なさいますが……」
「いえいえ、そこまでしてもらう訳にはいきませんよ。それにまだ朝方なので涼しいですから、お気持ちだけ受け取らせて頂きますね。」
「そうですか……それでは九条さん、また来て頂ける日が来るのを心よりお待ちしております。」
「えぇ、分かりました。それでは、今日は失礼します。」
最後の最後にカームさんに見送られながらその場を後にした俺は、真夏の日差しが襲い掛かって来る前に急いで家に帰って行くのだった。
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