おっさんの異世界生活は無理がある。
第483話
ヤン子と屋上で話し合いをしてから数日後の夜、講師活動を終えて家に帰って来た俺とマホは普段の倍近い料理を一緒に作ってテーブルの上に並べていた。
「すみません皆さん、いきなりお邪魔する様な事をしてしまって……」
「ふふっ、謝る必要は無いよエルア。」
「そうですよ!どうせ使わなかった食材はトリアルに持って帰るだけなんですから、こうして今日中に使い切る事が出来て良かったぐらいです!」
「うふふ、そう言って頂けると助かりますね。」
「はい!つまりはこういう事ですよね!私達は、皆さんが持って帰る荷物を減らした救世主ってイタッ!」
「オレット、調子に乗らない。皆さんに迷惑を掛けている事実は変わらないんだからそういう自覚をちゃんと持つんだ。」
「ぶぅ~!そんな事を言うんならエルアちゃんは帰れば良かったんじゃないの~?」
「そ、そういう訳にもいかないだろ!ルゥナさんとミ、ミアさんが居るとはいえ君とクリフとイリスとドクターがどんな迷惑を掛けるか分からないし……」
「ちょっと待てエルア、俺をこやつらと一緒にするとはどういうつもりだ!」
「うふふ、僕だって九条さんに迷惑を掛けるつもりなんてありませんよ。運命の人に嫌がられたくはありませんからね。」
「そうよねぇ~愛する人に嫌われちゃったら生きていけないもの~」
「……はぁ?」
「……あら、なぁに?」
「そこの2人!人の家で殺気立つんじゃない!それと色々と怖すぎるから勝手な事を言わない様に!分かったか!」
「「……はぁ~い。」」
「おぉ……!これは素晴らしい……!エ、エルアちゃん。お願いだから私のカメラを返してほしんだけど……」
「ダメ。オレットにカメラを渡したら撮影した写真を使って勝手な記事を作るだろ。そんな事をして皆さんにご迷惑をお掛けする訳にはいかない。」
「そ、そんなぁ~!うぅ、折角のチャンスがぁ~……くぅ……!こうなったら明日の送別会で面白い写真をバンバン撮りまくってやるんだから!」
「おやおや、凄い気合だね。」
「……巻き込まれる方はたまったもんじゃないんだけどな。」
「あ~……まぁ、その時は頑張ってくださいねおじさん!」
「いや、何をどう頑張れば良いんだよ……」
マホの無責任な励ましを受けてからしばらくして晩飯を食べ始めた俺達は、一斉にこれまでの思い出話を始めるのだった。
「皆さん……改めてになりますが今回は王立学園での講師活動を引き受けて下さって本当にありがとうございました。明日はいよいよ最終日となってしまいますが、是非とも悔いない様にお過ごし下さいね。」
「あぁ、そうさせてもらうよ。活動中に仲良くなった生徒にもシッカリ別れの挨拶をしておきたいからね。」
「うん、そうだね。」
「はぁ……お前達は忙しそうで良いな。俺なんかは特にそういう相手もいねぇから、これまでと変わらず普通に過ごすだけだもんなぁ……あっ、そういや明日って俺達の送別会を開いてくれるんだよな?」
「……送別会?」
「ギ、ギクッ!」
わーお……物凄い分かりやすい反応を示してくれた人物が1人だけ居たので、皆が彼女の方に視線を向けると……
「……オレット?」
「あぁ~いやぁ~そのぉ~……エ、エルアちゃん?お顔が怖いから……ね?ほらぁ、もっとニコ~っと……」
「オレット……僕達に隠している事……吐け。」
「は、はひぃいいいいい!!!!」
目だけが笑っていないエルアの瞳に思いっきり屈したオレットさんはその場で勢いよく頭を下げると、送別会についの真相を早口で話し始めたの……だが……
「……つまり送別会をするって言うのは嘘で、本当は取材を手伝ってもらいたかったって事なのか?俺達を騙して?」
「そ、そうです……ゴメンナサイ……」
「……はぁ、どうしてそんな嘘を吐いたんだ?」
「えっと……前にも言った通り……絶対に忘れられない思い出を作ろうと……」
「あっ、そこは本当ですね。」
「全くもう……そんな嘘、すぐにバレるのにどうして今まで隠していたんだ。」
「それはその……明日、皆さんを驚かせたくて……はい、すみません。正直に言うとただ面白そうだからって行動してみたただけです……」
「……オレットさん、取材って以前から申請を受けていたあの……?」
「は、はい……そうですね……」
「以前からって……何の取材をするつもりなんだ?」
「えっ!いや、そのぉ……うぅーん……」
床に敷かれたふかふかのカーペットに正座をしていたオレットさんは、ネタバレをするのかどうか悩む様に唸り声を上げ始めた……
「……まぁ、追求するのはこれぐらいで良いんじゃないかな。」
「ロ、ロイド……さん……?」
「明日、私達に忘れられない思い出を作ってくれると言うのは本当なんだろう?」
「は、はい!それはもう!」
「それならば、私達は明日が来るのを心待ちにさせてらもらうよ。」
「はっ……へっ!?ほ、本当に……それで……い、良いんですか……?」
「うん。明日の送別会が無かった事は非常に残念だけれど、それならば今を楽しめば良いだけの話だからね。皆もそれで構わないかな。」
「……まぁ、気にはなるが俺もそれで良いぞ。」
「異論無し。」
「……皆さんがそれで良いなら僕達も……良いよね?」
「うふふ、私は皆さんと楽しくお食事が出来ればそれで構いませんよ。」
「ふっ、部外者の我が口を挟む事ではないな!」
「僕も特にいう事はありません。」
「あらあらぁ、若いって素晴らしいわね。」
「……オレットさん、今後は軽率に嘘を吐かない様にして下さいね。」
「は、はい!オレット、了解致しました!」
「……よしっ、そんじゃあ晩飯の続きといきますか。」
オレットさんの嘘が急に暴かれた事に驚きはしたが特に気にする事も無く食事会という名の送別会は進んで行き、俺達はそれはそれは楽しいひと時を過ごすのだった。
「すみません皆さん、いきなりお邪魔する様な事をしてしまって……」
「ふふっ、謝る必要は無いよエルア。」
「そうですよ!どうせ使わなかった食材はトリアルに持って帰るだけなんですから、こうして今日中に使い切る事が出来て良かったぐらいです!」
「うふふ、そう言って頂けると助かりますね。」
「はい!つまりはこういう事ですよね!私達は、皆さんが持って帰る荷物を減らした救世主ってイタッ!」
「オレット、調子に乗らない。皆さんに迷惑を掛けている事実は変わらないんだからそういう自覚をちゃんと持つんだ。」
「ぶぅ~!そんな事を言うんならエルアちゃんは帰れば良かったんじゃないの~?」
「そ、そういう訳にもいかないだろ!ルゥナさんとミ、ミアさんが居るとはいえ君とクリフとイリスとドクターがどんな迷惑を掛けるか分からないし……」
「ちょっと待てエルア、俺をこやつらと一緒にするとはどういうつもりだ!」
「うふふ、僕だって九条さんに迷惑を掛けるつもりなんてありませんよ。運命の人に嫌がられたくはありませんからね。」
「そうよねぇ~愛する人に嫌われちゃったら生きていけないもの~」
「……はぁ?」
「……あら、なぁに?」
「そこの2人!人の家で殺気立つんじゃない!それと色々と怖すぎるから勝手な事を言わない様に!分かったか!」
「「……はぁ~い。」」
「おぉ……!これは素晴らしい……!エ、エルアちゃん。お願いだから私のカメラを返してほしんだけど……」
「ダメ。オレットにカメラを渡したら撮影した写真を使って勝手な記事を作るだろ。そんな事をして皆さんにご迷惑をお掛けする訳にはいかない。」
「そ、そんなぁ~!うぅ、折角のチャンスがぁ~……くぅ……!こうなったら明日の送別会で面白い写真をバンバン撮りまくってやるんだから!」
「おやおや、凄い気合だね。」
「……巻き込まれる方はたまったもんじゃないんだけどな。」
「あ~……まぁ、その時は頑張ってくださいねおじさん!」
「いや、何をどう頑張れば良いんだよ……」
マホの無責任な励ましを受けてからしばらくして晩飯を食べ始めた俺達は、一斉にこれまでの思い出話を始めるのだった。
「皆さん……改めてになりますが今回は王立学園での講師活動を引き受けて下さって本当にありがとうございました。明日はいよいよ最終日となってしまいますが、是非とも悔いない様にお過ごし下さいね。」
「あぁ、そうさせてもらうよ。活動中に仲良くなった生徒にもシッカリ別れの挨拶をしておきたいからね。」
「うん、そうだね。」
「はぁ……お前達は忙しそうで良いな。俺なんかは特にそういう相手もいねぇから、これまでと変わらず普通に過ごすだけだもんなぁ……あっ、そういや明日って俺達の送別会を開いてくれるんだよな?」
「……送別会?」
「ギ、ギクッ!」
わーお……物凄い分かりやすい反応を示してくれた人物が1人だけ居たので、皆が彼女の方に視線を向けると……
「……オレット?」
「あぁ~いやぁ~そのぉ~……エ、エルアちゃん?お顔が怖いから……ね?ほらぁ、もっとニコ~っと……」
「オレット……僕達に隠している事……吐け。」
「は、はひぃいいいいい!!!!」
目だけが笑っていないエルアの瞳に思いっきり屈したオレットさんはその場で勢いよく頭を下げると、送別会についの真相を早口で話し始めたの……だが……
「……つまり送別会をするって言うのは嘘で、本当は取材を手伝ってもらいたかったって事なのか?俺達を騙して?」
「そ、そうです……ゴメンナサイ……」
「……はぁ、どうしてそんな嘘を吐いたんだ?」
「えっと……前にも言った通り……絶対に忘れられない思い出を作ろうと……」
「あっ、そこは本当ですね。」
「全くもう……そんな嘘、すぐにバレるのにどうして今まで隠していたんだ。」
「それはその……明日、皆さんを驚かせたくて……はい、すみません。正直に言うとただ面白そうだからって行動してみたただけです……」
「……オレットさん、取材って以前から申請を受けていたあの……?」
「は、はい……そうですね……」
「以前からって……何の取材をするつもりなんだ?」
「えっ!いや、そのぉ……うぅーん……」
床に敷かれたふかふかのカーペットに正座をしていたオレットさんは、ネタバレをするのかどうか悩む様に唸り声を上げ始めた……
「……まぁ、追求するのはこれぐらいで良いんじゃないかな。」
「ロ、ロイド……さん……?」
「明日、私達に忘れられない思い出を作ってくれると言うのは本当なんだろう?」
「は、はい!それはもう!」
「それならば、私達は明日が来るのを心待ちにさせてらもらうよ。」
「はっ……へっ!?ほ、本当に……それで……い、良いんですか……?」
「うん。明日の送別会が無かった事は非常に残念だけれど、それならば今を楽しめば良いだけの話だからね。皆もそれで構わないかな。」
「……まぁ、気にはなるが俺もそれで良いぞ。」
「異論無し。」
「……皆さんがそれで良いなら僕達も……良いよね?」
「うふふ、私は皆さんと楽しくお食事が出来ればそれで構いませんよ。」
「ふっ、部外者の我が口を挟む事ではないな!」
「僕も特にいう事はありません。」
「あらあらぁ、若いって素晴らしいわね。」
「……オレットさん、今後は軽率に嘘を吐かない様にして下さいね。」
「は、はい!オレット、了解致しました!」
「……よしっ、そんじゃあ晩飯の続きといきますか。」
オレットさんの嘘が急に暴かれた事に驚きはしたが特に気にする事も無く食事会という名の送別会は進んで行き、俺達はそれはそれは楽しいひと時を過ごすのだった。
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