おっさんの異世界生活は無理がある。
第445話
翌日、朝早くからトリアル行きの馬車が出る広場までやって来た俺は出発の時間が来るのを待ちながら近くにあったベンチに座ってボーっと空を眺めていた。
「はぁ……今回も色々あったが、どうにか無事に帰れそうだなぁ……つっても、街に戻ったら戻ったでやる事があるから忙しいし……ゆっくりと出来るのはその後か……あー……家に引きこもりてぇ……もう家から出たくねぇ……」
考えてみればファントリアスから始まって今日に至るまでほとんど動きっぱなしな気がするし……主人公詐欺にあってソフィの親父にボコられて、ロイドを助ける為に死神と戦って入院が終わったら旅行して……最終的には神様に因縁を付けられて……
「ここ最近、俺の人生マジでハードすぎるだろ……」
「おじさーん、そんな所で空を見上げながら何をブツブツ言ってるんですか?」
「ん?あぁいや、別に大した事じゃ無いから気にすんな……ただちょっと、思い出を振り返って自分の不運っぷりを嘆いただけからさ……」
「……朝から何をしてるんですかおじさんは……」
「本当、1人で辛気臭い事してんじゃないわよ。こっちまで気が滅入るじゃない。」
「……悪い、ちょっと疲れにやられしまってたみたいだ。」
「はっはっは、確かにこれまで色々とあったからのう!無理もあるまい。」
「ふふっ、九条さんは特に大忙しだったからね。私の件も含めてさ。」
「き、きっとホッとして気が抜けてしまったんですね。私、近くのお店に行って何か暖かい飲み物でも買って来ます。」
「ライルさん、それなら私もご一緒致しますわよ。貴女の事ですから、九条さんの分だけではなく皆様の分もご購入なさるおつもりなのでしょう?」
「あ、あはは……はい、それじゃあお願いします。」
「あっ、そんな気を遣ってくれなくても………行っちまった………」
「九条さん、ここは2人に甘えよう。」
「うん、疲れているのに気を張る必要はないよ。大丈夫、私達が付いているから。」
「……ははっ、そりゃ頼もしい限りだな。」
ニコッと爽やかに微笑みかけてきたロイドと目を合わせながら自然に笑みが零れていた俺は、心の中でマホにさっき伝えた不運という言葉を取り消す事にした……
「九条さん、そう思うなら1人で突っ走らないで欲しい。」
「うぐっ……な、なるべく努力したいと思います……」
「おじさん、それって約束を守らない人が言う台詞じゃないですかね?」
「えぇ、どうせ口先だけの言葉ね。」
「うむ、今後も無茶をしない様に見張っておかねばな。」
「お、俺はどんだけ信用されてないんだよ……」
「ふふっ、これまでの実績が築き上げた結果だね。」
「仕方ない。」
「ガックシ……」
「皆さーん!お飲み物を買ってきまし……あれ、どうかなさったんですか?」
さっきまであった良い感じの雰囲気は何処へやら……俺は自業自得という名の刃に貫かれて更にどんよりとした空気を身に纏《まと》う事になるのだった……
それから数分後の事、出発時間が間近に迫った合図が広場に鳴り響くのを耳にした俺達はそれぞれの荷物を抱えて馬車に乗り込んで王都を離れていくのだった。
「はぁ……今回も色々あったが、どうにか無事に帰れそうだなぁ……つっても、街に戻ったら戻ったでやる事があるから忙しいし……ゆっくりと出来るのはその後か……あー……家に引きこもりてぇ……もう家から出たくねぇ……」
考えてみればファントリアスから始まって今日に至るまでほとんど動きっぱなしな気がするし……主人公詐欺にあってソフィの親父にボコられて、ロイドを助ける為に死神と戦って入院が終わったら旅行して……最終的には神様に因縁を付けられて……
「ここ最近、俺の人生マジでハードすぎるだろ……」
「おじさーん、そんな所で空を見上げながら何をブツブツ言ってるんですか?」
「ん?あぁいや、別に大した事じゃ無いから気にすんな……ただちょっと、思い出を振り返って自分の不運っぷりを嘆いただけからさ……」
「……朝から何をしてるんですかおじさんは……」
「本当、1人で辛気臭い事してんじゃないわよ。こっちまで気が滅入るじゃない。」
「……悪い、ちょっと疲れにやられしまってたみたいだ。」
「はっはっは、確かにこれまで色々とあったからのう!無理もあるまい。」
「ふふっ、九条さんは特に大忙しだったからね。私の件も含めてさ。」
「き、きっとホッとして気が抜けてしまったんですね。私、近くのお店に行って何か暖かい飲み物でも買って来ます。」
「ライルさん、それなら私もご一緒致しますわよ。貴女の事ですから、九条さんの分だけではなく皆様の分もご購入なさるおつもりなのでしょう?」
「あ、あはは……はい、それじゃあお願いします。」
「あっ、そんな気を遣ってくれなくても………行っちまった………」
「九条さん、ここは2人に甘えよう。」
「うん、疲れているのに気を張る必要はないよ。大丈夫、私達が付いているから。」
「……ははっ、そりゃ頼もしい限りだな。」
ニコッと爽やかに微笑みかけてきたロイドと目を合わせながら自然に笑みが零れていた俺は、心の中でマホにさっき伝えた不運という言葉を取り消す事にした……
「九条さん、そう思うなら1人で突っ走らないで欲しい。」
「うぐっ……な、なるべく努力したいと思います……」
「おじさん、それって約束を守らない人が言う台詞じゃないですかね?」
「えぇ、どうせ口先だけの言葉ね。」
「うむ、今後も無茶をしない様に見張っておかねばな。」
「お、俺はどんだけ信用されてないんだよ……」
「ふふっ、これまでの実績が築き上げた結果だね。」
「仕方ない。」
「ガックシ……」
「皆さーん!お飲み物を買ってきまし……あれ、どうかなさったんですか?」
さっきまであった良い感じの雰囲気は何処へやら……俺は自業自得という名の刃に貫かれて更にどんよりとした空気を身に纏《まと》う事になるのだった……
それから数分後の事、出発時間が間近に迫った合図が広場に鳴り響くのを耳にした俺達はそれぞれの荷物を抱えて馬車に乗り込んで王都を離れていくのだった。
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