おっさんの異世界生活は無理がある。
第431話
「……九条よ、そやつは本当にわしを連れて来いと言っておったのか?」
「あぁ、ハッキリとそう告げたって訳じゃあないが……間違いないはずだ。」
「ふむ、そうか……」
休憩所で待っていた皆を外に連れて来た俺は、周囲に人が居ない事を確認してから何が起こったのかを説明するのだった。
「く、九条さん!お、お姉様は……お姉様は大丈夫なのでしょうか!?」
「……心配する必要は無い……なんて無責任な事は言えないが、奴がアリシアさんに危害を加える気はないはずだ……まぁ、楽観視をしていられる状況でもないがな。」
「そうですわね……相手方の目的が分からない以上、何か悪い事が起きてしまう前にアリシアさんを早急に救出しないといけませんわ。」
「えぇ、その為にも宿屋に戻って武器を持って来ましょう!」
「いや、残念だがスキー場は武器の持ち込みが禁止されているはずだ。それに時間的余裕もそんなに残っていないと思うよ。」
「あっ、そ、そう言えばもうすぐ……」
「日暮れ時、ですね……今から宿屋に戻って装備を整えていては、今日中にお姉様をお救いするのは難しいかと……う、うぅ……」
「シアンちゃん……おじさん……」
冷たい雪の上に崩れ落ちる様にして泣き始めたシアンの肩をそっと抱きしめながらこっちを見上げて来たマホと目が合った俺は、奥歯を噛みしめながらグッと拳を握り締めて視線を下に向けると……
「……悪い、こんな事になっちまったのは全部俺の責任だ。だから」
「俺1人でどうにかする……なんて冗談を言うつもりは無いよね?」
「そんな事を言ったら絶対に許さない。」
「おーっほっほっほ!アリシアさんを救出するという役目、私達も混ぜて頂かないと困りますわ!」
「アリシアさんは私達の大切なお友達なんです!絶対に協力させてもらいますよ!」
「……おじさん、分かっていますよね?」
決意に満ちた皆の言葉と優しく問いかけてきたマホの声を聞いた俺は……心の中でため息を零しながらゆっくりと顔を上げてニヤリと笑うのだった。
「あぁ、勿論だ。こんな時にアリシアさんは俺が救い出すから皆は待機していてくれなんてバカな事を言うつもりはねぇよ。」
「はっはっは!これだけの戦力があれば、相手が何者であっても怖い事は無いのう!シアン、安心せい!アリシアの奴は、どんな事があろうと救い出してやるからな!」
「み、皆さん………お姉様の事……どうかよろしくお願い致します……!」
「おう、任せとけ。」
「うむ!それで九条、どんな作戦でいくつもりなんじゃ?」
「……とりあえずお前をアイツが待っている城に連れて行く。」
「うむうむ!それで?」
「……アリシアさんを救出する!以上だ!…………何だよ、お前達のその残念な人を見る様な目つきは。」
「いえ……まぁそうですよね。おじさんですものね。」
「リリア、ライル、2人はシアンの事を護衛しながら私達の援護を頼めるかい。」
「かしこまりましたわ!皆様のお背中とシアンさんは私達が責任を持ってお護り致しますわ!」
「ぜ、全力で頑張ります!」
「うん、頼んだよ。ソフィ、私達は皆の為に道を切り開こう。九条さんはレミの事をお願いするね。」
「分かった。」
「りょ、了解しました……」
「えっと、それじゃあ私は休憩所で皆さんのお帰りを待っていますね!」
「はぁ……ヤレヤレじゃのう……」
こうしてとりあえずの作戦を決めた俺達は少しだけ弱まった吹雪の中でスノードに乗ると、アリシアさんが囚われている城に向かって滑り始めるのだった。
そしてマホはと言うと……休憩所で留守番をする訳もなく、当然の如く腰に付けたポーチの中にあるスマホの中に入って俺達と共に来る事になるのだった。
「あぁ、ハッキリとそう告げたって訳じゃあないが……間違いないはずだ。」
「ふむ、そうか……」
休憩所で待っていた皆を外に連れて来た俺は、周囲に人が居ない事を確認してから何が起こったのかを説明するのだった。
「く、九条さん!お、お姉様は……お姉様は大丈夫なのでしょうか!?」
「……心配する必要は無い……なんて無責任な事は言えないが、奴がアリシアさんに危害を加える気はないはずだ……まぁ、楽観視をしていられる状況でもないがな。」
「そうですわね……相手方の目的が分からない以上、何か悪い事が起きてしまう前にアリシアさんを早急に救出しないといけませんわ。」
「えぇ、その為にも宿屋に戻って武器を持って来ましょう!」
「いや、残念だがスキー場は武器の持ち込みが禁止されているはずだ。それに時間的余裕もそんなに残っていないと思うよ。」
「あっ、そ、そう言えばもうすぐ……」
「日暮れ時、ですね……今から宿屋に戻って装備を整えていては、今日中にお姉様をお救いするのは難しいかと……う、うぅ……」
「シアンちゃん……おじさん……」
冷たい雪の上に崩れ落ちる様にして泣き始めたシアンの肩をそっと抱きしめながらこっちを見上げて来たマホと目が合った俺は、奥歯を噛みしめながらグッと拳を握り締めて視線を下に向けると……
「……悪い、こんな事になっちまったのは全部俺の責任だ。だから」
「俺1人でどうにかする……なんて冗談を言うつもりは無いよね?」
「そんな事を言ったら絶対に許さない。」
「おーっほっほっほ!アリシアさんを救出するという役目、私達も混ぜて頂かないと困りますわ!」
「アリシアさんは私達の大切なお友達なんです!絶対に協力させてもらいますよ!」
「……おじさん、分かっていますよね?」
決意に満ちた皆の言葉と優しく問いかけてきたマホの声を聞いた俺は……心の中でため息を零しながらゆっくりと顔を上げてニヤリと笑うのだった。
「あぁ、勿論だ。こんな時にアリシアさんは俺が救い出すから皆は待機していてくれなんてバカな事を言うつもりはねぇよ。」
「はっはっは!これだけの戦力があれば、相手が何者であっても怖い事は無いのう!シアン、安心せい!アリシアの奴は、どんな事があろうと救い出してやるからな!」
「み、皆さん………お姉様の事……どうかよろしくお願い致します……!」
「おう、任せとけ。」
「うむ!それで九条、どんな作戦でいくつもりなんじゃ?」
「……とりあえずお前をアイツが待っている城に連れて行く。」
「うむうむ!それで?」
「……アリシアさんを救出する!以上だ!…………何だよ、お前達のその残念な人を見る様な目つきは。」
「いえ……まぁそうですよね。おじさんですものね。」
「リリア、ライル、2人はシアンの事を護衛しながら私達の援護を頼めるかい。」
「かしこまりましたわ!皆様のお背中とシアンさんは私達が責任を持ってお護り致しますわ!」
「ぜ、全力で頑張ります!」
「うん、頼んだよ。ソフィ、私達は皆の為に道を切り開こう。九条さんはレミの事をお願いするね。」
「分かった。」
「りょ、了解しました……」
「えっと、それじゃあ私は休憩所で皆さんのお帰りを待っていますね!」
「はぁ……ヤレヤレじゃのう……」
こうしてとりあえずの作戦を決めた俺達は少しだけ弱まった吹雪の中でスノードに乗ると、アリシアさんが囚われている城に向かって滑り始めるのだった。
そしてマホはと言うと……休憩所で留守番をする訳もなく、当然の如く腰に付けたポーチの中にあるスマホの中に入って俺達と共に来る事になるのだった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
32
-
-
4112
-
-
141
-
-
221
-
-
29
-
-
75
-
-
440
-
-
549
-
-
361
コメント