おっさんの異世界生活は無理がある。
第427話
「ソフィ、頼んだよ!」
「任せて……!」
「「ハァッ!」」
「キャー!ロイド様ー!素敵ですわー!それにソフィさんも流石ですわよー!」
「皆さーん!頑張ってくださーい!」
「はぁ……はぁ……うぅ、朝っぱらから重労働すぎんだろ……!」
人生で初のスキーを体験した次の日の朝、俺は強引にさせられた約束を果たす為に朝早くから斡旋所に行ってクエストを受注するとスノードを担いで街の外までやってきた訳なんだが……コレ、マジで洒落にならないレベルでキツ過ぎなんですけど!?
雪の中を高速で移動するだけならまだしも遠距離から連続して攻撃を仕掛けて来るモンスターって流石に難易度が高すぎなんじゃありませんかねぇ?!
(おじさん!ほら、アレが最後の一匹みたいですよ!ロイドさんやソフィさんの様にさっさと倒しちゃって下さい!)
(アホか!それが出来ないから攻撃を避けつつ進路を妨害するって役目を必死こいてやってるんだろうが!つーか、俺はあいつ等みたいな常人離れした動きが出来る様な人間じゃないの!ただのおっさんなの!って言うか、どうしてロイドとソフィは昨日今日スノードに触れたばっかりだってのにあんなに乗りこなせてるんだよ!?本当にどうなってのんか教えて欲しいぐらいなんですがっとと!?)
討伐対象であるイタチによく似たモンスターの後を追いかけながら心の中で大騒ぎしていると、ソイツが雪の中からいきなり飛び出してきて鎌になっている両手を勢いよく振り回してそこから生まれる氷の刃を連続して撃ちこんで来やがった!
「ロイド!ソフィ!」
「あぁ!分かっているよ!」
「これで終わり……!」
スノードで雪の上を滑りながら向かって来る氷の刃を右手に持った武器でどうにか斬り落としていたら、正面の方からロイドとソフィがやって来て雪を舞い上げながら空中に浮かび上がると交差する様にモンスターを斬り付けていった!
俺に攻撃を集中してたせいで背後から迫っていた刃を躱《かわ》せなかったモンスターは、そのまま息絶えると地面に落下して動かなくなるのだった。
「ロイド様ー!周囲に他にモンスターの姿は見当たりませんわー!」
「クエスト達成、お疲れ様でしたー!」
「うん、そっちもお疲れ様!援護、助かったよ!」
「はぁ……これでようやくクエスト達成か……いやぁ、マジで疲れた……」
「……楽しかった。」
「ふふっ、ソフィが満足したのなら何よりだよ。まぁ、私自身もこんな戦闘は初めてだからつい気合が入ってしまったけどね。九条さんはどうだった?」
「……このどんよりとした顔を見れば分かるだろ?俺はさっさと街に戻って、温泉にゆっくり浸かりたくて仕方ないわ。」
「おや、そうなのかい?どうせならもう少しぐらいこの辺りを散策してモンスターと戦闘をしてみたいと思っていたんだが……それなら仕方ないね。」
「……残念。」
「うっ……そんな寂しげな目でこっちを見ないでくれ………ん?」
しょんぼりと肩と落としてしまったソフィから思わず目を逸らして視線を森の方へ向けてみたら……そこには………
「おや、どうしたんだい九条さん。何か気になる物でも……おや、急に天気が曇ってきたみたいだね。」
「あ、あぁ……もしかしたら雪でも降るのかもしれないな。」
「ふむ、それならば急いで街に戻ったほうが良いかもしれないね。ソフィ、残念だが今日はこの辺りにしておこう。」
「……分かった。」
「うん、良い子だ。それじゃあ行こうか。」
「だな。」
俺達はスノードに乗って援護に回ってくれていた2人と合流すると、雪が本格的に降り始める前に街に戻る事にした。
そして今日は寒くなる予感がするからと言って留守番をしているレミが待つ宿屋に帰って行くのだった。
「任せて……!」
「「ハァッ!」」
「キャー!ロイド様ー!素敵ですわー!それにソフィさんも流石ですわよー!」
「皆さーん!頑張ってくださーい!」
「はぁ……はぁ……うぅ、朝っぱらから重労働すぎんだろ……!」
人生で初のスキーを体験した次の日の朝、俺は強引にさせられた約束を果たす為に朝早くから斡旋所に行ってクエストを受注するとスノードを担いで街の外までやってきた訳なんだが……コレ、マジで洒落にならないレベルでキツ過ぎなんですけど!?
雪の中を高速で移動するだけならまだしも遠距離から連続して攻撃を仕掛けて来るモンスターって流石に難易度が高すぎなんじゃありませんかねぇ?!
(おじさん!ほら、アレが最後の一匹みたいですよ!ロイドさんやソフィさんの様にさっさと倒しちゃって下さい!)
(アホか!それが出来ないから攻撃を避けつつ進路を妨害するって役目を必死こいてやってるんだろうが!つーか、俺はあいつ等みたいな常人離れした動きが出来る様な人間じゃないの!ただのおっさんなの!って言うか、どうしてロイドとソフィは昨日今日スノードに触れたばっかりだってのにあんなに乗りこなせてるんだよ!?本当にどうなってのんか教えて欲しいぐらいなんですがっとと!?)
討伐対象であるイタチによく似たモンスターの後を追いかけながら心の中で大騒ぎしていると、ソイツが雪の中からいきなり飛び出してきて鎌になっている両手を勢いよく振り回してそこから生まれる氷の刃を連続して撃ちこんで来やがった!
「ロイド!ソフィ!」
「あぁ!分かっているよ!」
「これで終わり……!」
スノードで雪の上を滑りながら向かって来る氷の刃を右手に持った武器でどうにか斬り落としていたら、正面の方からロイドとソフィがやって来て雪を舞い上げながら空中に浮かび上がると交差する様にモンスターを斬り付けていった!
俺に攻撃を集中してたせいで背後から迫っていた刃を躱《かわ》せなかったモンスターは、そのまま息絶えると地面に落下して動かなくなるのだった。
「ロイド様ー!周囲に他にモンスターの姿は見当たりませんわー!」
「クエスト達成、お疲れ様でしたー!」
「うん、そっちもお疲れ様!援護、助かったよ!」
「はぁ……これでようやくクエスト達成か……いやぁ、マジで疲れた……」
「……楽しかった。」
「ふふっ、ソフィが満足したのなら何よりだよ。まぁ、私自身もこんな戦闘は初めてだからつい気合が入ってしまったけどね。九条さんはどうだった?」
「……このどんよりとした顔を見れば分かるだろ?俺はさっさと街に戻って、温泉にゆっくり浸かりたくて仕方ないわ。」
「おや、そうなのかい?どうせならもう少しぐらいこの辺りを散策してモンスターと戦闘をしてみたいと思っていたんだが……それなら仕方ないね。」
「……残念。」
「うっ……そんな寂しげな目でこっちを見ないでくれ………ん?」
しょんぼりと肩と落としてしまったソフィから思わず目を逸らして視線を森の方へ向けてみたら……そこには………
「おや、どうしたんだい九条さん。何か気になる物でも……おや、急に天気が曇ってきたみたいだね。」
「あ、あぁ……もしかしたら雪でも降るのかもしれないな。」
「ふむ、それならば急いで街に戻ったほうが良いかもしれないね。ソフィ、残念だが今日はこの辺りにしておこう。」
「……分かった。」
「うん、良い子だ。それじゃあ行こうか。」
「だな。」
俺達はスノードに乗って援護に回ってくれていた2人と合流すると、雪が本格的に降り始める前に街に戻る事にした。
そして今日は寒くなる予感がするからと言って留守番をしているレミが待つ宿屋に帰って行くのだった。
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