おっさんの異世界生活は無理がある。
第379話
「……なるほど、リーパー・アレクシスはロイドとの見合いに応じなければ我が家の信頼を失墜させると脅しをかけてきたのですか。」
「えぇ、ハッキリとそう言われた訳ではありませんが……それに近い事は実行をするつもりかもしれません。」
「ふむ……」
2日連続でやって来た俺達の話を聞いたエリオさんが険しい表情で唸り声をあげていると、その隣に立っていたカレンさんが困惑した感じでこっちの方に……ってか、ロイドに視線を送って来た。
「ロイドちゃん……さっきも聞いたんだけど、本当にその人とお見合いをするつもりなの?」
「うん、そのつもりだよ。」
「ロイド様、考え直す事は出来ませんか?向こうはここを襲撃してきた者と繋がりがあるかもしれない男、あまりにも危険すぎます。」
「ふふっ、心配してくれてありがとうカーム。だがすまない、私は自分のせいで皆に迷惑を掛けたくはないんだよ。」
「迷惑だなんて……ロイドちゃん、そんな事を私達が思うはずないでしょ?」
「あぁ、母さんならそう言ってくれるだろうと思っていたよ。でも、だからと言ってそれに甘える訳にはいかないんだ。ウィスリム家に生まれた娘として、それに大切な家族や仲間を護る為、ここで引いてはいられないだろう?」
「し、しかしっ!」
「カーム、止めるんだ。ロイドがこうと決めたら折れない娘なのはお前もよく知っているだろう。」
「……はい、申し訳ありませんでした。」
「ありがとう父さん、理解してくれていて嬉しいよ。」
「礼を言われる事じゃない……それよりもロイド、最後に確認させてもらうが本当にリーパー・アレクシスと見合いをするつもりなのだな。」
「うん。そこで正式に断りの言葉を伝えてあげさえすれば、向こうもこれ以上の事は出来ないだろうからね。」
「振られたのにしつこく付き纏っていたらあっちが悪者になる。」
「そうなれば色々と困るはずです!……よね?」
「まぁ、そうなってくれる事を願う……っていうのが、正直な所だな。」
「ふっ、何の行動も起こさんよりその方が良いじゃろうな。」
「うん、それと見合いの席に関しては全てこちらで決める。それを飲めないと言うのなら正式に断るとするよ。もしかしたら時間稼ぎにしかならないかもしれないけど、父さん達ならその間にきっと有力な情報を掴んでくれるだろう?」
確信に満ちた声でロイドにそう問いかけられたエリオさんは小さくため息を零すと静かに微笑みながら静かに首を横に振って……
「やれやれ、そうまで言われてしまっては私達も覚悟を決めるしかないな。」
「エリオさん、それじゃあ……」
「うむ、リーパー・アレクシスにロイドが見合いに応じると連絡しよう。」
「……ご当主様、本当によろしいのですか?」
「あぁ……カーム、すまないがロイドの為に力を貸して貰えるだろうか。」
「……かしこまりました。全力で応えさせていただきます。」
深々とお辞儀をしてそう返事をしたカームさんと目を合わせたエリオさんは、机に向き直るとそこに置かれていた一枚の紙を手に取って俺達の顔を見回してきた。
「皆さん、見合いの当日にご協力をお願いするかもしれませんがよろしいですか?」
「はい!勿論ですよ!ロイドさんの為ならどんな事でも頑張っちゃいます!」
「同じく。」
「まぁ、どこまで力になれるかは分かりませんが出来る限りの事はしますよ。」
「ありがとうございます。それでは見合いの事に関して話を進めさせていだだく……その前に、皆さんにご報告しておきたい事が幾つかあるので聞いてもらえますか。」
「……父さん、それはもしかしなくてもリーパー・アレクシスについてかい?」
「うむ、その通りだ。実は2人が屋敷を去った後に例の襲撃者との繋がりについて、新しい情報が入ってきたんだ。」
「そうなのかい?一体どんな情報が?」
「それがな、リーパーアレクシスが例の襲撃者と知り合ったのは彼の父親がその者を紹介したかららしいのだ。」
「……はっ?それってどういう……」
「簡単にご説明しますと、リーパー・アレクシスは父親がやっていた裏の仕事を引き継いだという事らしいのです。」
「え、えぇ!?そ、そうなんですか!?」
「はい。これもまた確証があるという訳ではありませんが、彼の父親は貴族としての力とコネを使ってそういった人脈を増やしていったそうです。」
「うへぇ……その話が本当なら、親子2代に渡って悪事をって事ですか……」
「えぇ、そうなりますね。」
「……その父親は?この騒動に絡んでいるの?」
「それなんですが、報告によるとリーパー・アレクシスの父親は数週間程前から姿を消しているみたいです。」
「おや、そうなのかい?」
「あぁ、姿を消す何日か前に怪しい連中と共に居たらしいが……息子の方は、父親は仕事の都合で家を留守にしていると言っているらしい。」
「う、嘘くさいな……」
「私もそう思います。ですが所在が掴めないのは事実なので、父親については今後も調査結果の報告を待たなくてはなりませんね。」
「そうですか……」
「……父さん、それで新しい情報については終わりかな?それならば、急いで予定を組み立てていきたいだが。」
「あぁ、報告はこれで以上だ。それでは、始めるとしようか。」
エリオさんのその一言を切っ掛けにして、俺達はロイドの見合いについてどうするのか話し合いを進めていくのだった……まぁこの場に居合わせた約一名ってか神様は呑気に紅茶を飲んで菓子を食いまくっていたんだけどなぁ……!
「えぇ、ハッキリとそう言われた訳ではありませんが……それに近い事は実行をするつもりかもしれません。」
「ふむ……」
2日連続でやって来た俺達の話を聞いたエリオさんが険しい表情で唸り声をあげていると、その隣に立っていたカレンさんが困惑した感じでこっちの方に……ってか、ロイドに視線を送って来た。
「ロイドちゃん……さっきも聞いたんだけど、本当にその人とお見合いをするつもりなの?」
「うん、そのつもりだよ。」
「ロイド様、考え直す事は出来ませんか?向こうはここを襲撃してきた者と繋がりがあるかもしれない男、あまりにも危険すぎます。」
「ふふっ、心配してくれてありがとうカーム。だがすまない、私は自分のせいで皆に迷惑を掛けたくはないんだよ。」
「迷惑だなんて……ロイドちゃん、そんな事を私達が思うはずないでしょ?」
「あぁ、母さんならそう言ってくれるだろうと思っていたよ。でも、だからと言ってそれに甘える訳にはいかないんだ。ウィスリム家に生まれた娘として、それに大切な家族や仲間を護る為、ここで引いてはいられないだろう?」
「し、しかしっ!」
「カーム、止めるんだ。ロイドがこうと決めたら折れない娘なのはお前もよく知っているだろう。」
「……はい、申し訳ありませんでした。」
「ありがとう父さん、理解してくれていて嬉しいよ。」
「礼を言われる事じゃない……それよりもロイド、最後に確認させてもらうが本当にリーパー・アレクシスと見合いをするつもりなのだな。」
「うん。そこで正式に断りの言葉を伝えてあげさえすれば、向こうもこれ以上の事は出来ないだろうからね。」
「振られたのにしつこく付き纏っていたらあっちが悪者になる。」
「そうなれば色々と困るはずです!……よね?」
「まぁ、そうなってくれる事を願う……っていうのが、正直な所だな。」
「ふっ、何の行動も起こさんよりその方が良いじゃろうな。」
「うん、それと見合いの席に関しては全てこちらで決める。それを飲めないと言うのなら正式に断るとするよ。もしかしたら時間稼ぎにしかならないかもしれないけど、父さん達ならその間にきっと有力な情報を掴んでくれるだろう?」
確信に満ちた声でロイドにそう問いかけられたエリオさんは小さくため息を零すと静かに微笑みながら静かに首を横に振って……
「やれやれ、そうまで言われてしまっては私達も覚悟を決めるしかないな。」
「エリオさん、それじゃあ……」
「うむ、リーパー・アレクシスにロイドが見合いに応じると連絡しよう。」
「……ご当主様、本当によろしいのですか?」
「あぁ……カーム、すまないがロイドの為に力を貸して貰えるだろうか。」
「……かしこまりました。全力で応えさせていただきます。」
深々とお辞儀をしてそう返事をしたカームさんと目を合わせたエリオさんは、机に向き直るとそこに置かれていた一枚の紙を手に取って俺達の顔を見回してきた。
「皆さん、見合いの当日にご協力をお願いするかもしれませんがよろしいですか?」
「はい!勿論ですよ!ロイドさんの為ならどんな事でも頑張っちゃいます!」
「同じく。」
「まぁ、どこまで力になれるかは分かりませんが出来る限りの事はしますよ。」
「ありがとうございます。それでは見合いの事に関して話を進めさせていだだく……その前に、皆さんにご報告しておきたい事が幾つかあるので聞いてもらえますか。」
「……父さん、それはもしかしなくてもリーパー・アレクシスについてかい?」
「うむ、その通りだ。実は2人が屋敷を去った後に例の襲撃者との繋がりについて、新しい情報が入ってきたんだ。」
「そうなのかい?一体どんな情報が?」
「それがな、リーパーアレクシスが例の襲撃者と知り合ったのは彼の父親がその者を紹介したかららしいのだ。」
「……はっ?それってどういう……」
「簡単にご説明しますと、リーパー・アレクシスは父親がやっていた裏の仕事を引き継いだという事らしいのです。」
「え、えぇ!?そ、そうなんですか!?」
「はい。これもまた確証があるという訳ではありませんが、彼の父親は貴族としての力とコネを使ってそういった人脈を増やしていったそうです。」
「うへぇ……その話が本当なら、親子2代に渡って悪事をって事ですか……」
「えぇ、そうなりますね。」
「……その父親は?この騒動に絡んでいるの?」
「それなんですが、報告によるとリーパー・アレクシスの父親は数週間程前から姿を消しているみたいです。」
「おや、そうなのかい?」
「あぁ、姿を消す何日か前に怪しい連中と共に居たらしいが……息子の方は、父親は仕事の都合で家を留守にしていると言っているらしい。」
「う、嘘くさいな……」
「私もそう思います。ですが所在が掴めないのは事実なので、父親については今後も調査結果の報告を待たなくてはなりませんね。」
「そうですか……」
「……父さん、それで新しい情報については終わりかな?それならば、急いで予定を組み立てていきたいだが。」
「あぁ、報告はこれで以上だ。それでは、始めるとしようか。」
エリオさんのその一言を切っ掛けにして、俺達はロイドの見合いについてどうするのか話し合いを進めていくのだった……まぁこの場に居合わせた約一名ってか神様は呑気に紅茶を飲んで菓子を食いまくっていたんだけどなぁ……!
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