おっさんの異世界生活は無理がある。
第350話
「九条さん、マホ、すまないが家の事は任せたよ。もしかしたら帰るのが遅くなってしまうかもしれないから、夕飯は先に済ませておいてくれるかい。」
「あぁ、どうせだったら実家に泊まって来ても構わないんだぞ?」
「おや、それはもしかしてマホと2人きりになりたいという事かな?」
「えー……それはそれで身の危険を感じると言いますか……」
「はっはっは!そんなのは要らぬ心配じゃよマホ。こやつにそんな度胸があるはずがなかろう!」
「はっはっは……どいつもこいつも好き放題言いやがってこんにゃろうが……!」
「ふふっ、それじゃあそろそろ行ってくるよ。レミ、忘れ物はないかい?」
「うむ、手土産も持ったし問題はあるまい!2人共、色々と世話になったのう!また遊びに来るからその時は頼んだぞ!」
「はいはい、その時は盛大にもてなしてやるよ。」
「レミさん、ロイドさん、いってらっしゃいです!」
朝早くから出掛けて行った2人を玄関で見送った後、俺は大きくあくびをしながら隣に立ってたマホと目を合わせた。
「さてと……それじゃあ俺は二度寝してくるから、後は任せたぞ……」
「いやいや!朝ごはんを食べたばっかりなのにまた寝るんですか!?」
「ふぁ~……しょうがないだろ……旅行の疲れが体に残ってんだからさ……」
「もう、そんな嘘ばっかり言って……食べてすぐに寝ると体に良くありませんよ。」
「そうは言うけどさぁ……久しぶりにのんびり出来る時間があるんだから、たまにはこうやってだらしない生活を満喫してだな……ん?」
「あれ、お客さんですかね?はいはーい!すぐに開けますから、ちょっとだけ待っていて下さいね!」
マホが大きな声で呼びかけながら鍵の掛かってない扉をゆっくりと開いていくと、そこには何故か装備をガッツリと身に付けた……
「ただいま。」
「ソ、ソフィ?それにガドルさんにサラさんも……」
「おはようございます、朝早くからすみません。」
「うふふ、もしかして起きたばっかりの所でしたか?」
「あっ、いや!別にそんな事も無いんですけど、あの……こんなに朝早くからどうかなさったんですか?もしかして、ソフィさんが忘れ物でも?」
「いえ、そういう訳では……ソフィちゃん?」
「…………」
「ちょっ、ど、どうしたんだよ?」
「…………九条さん、何時もみたいに呼んで。」
「はっ?い、何時もみたいにって……」
「ソフィさんはやだ。ソフィって呼んで。」
「あら!あらあらあら!ねぇねぇガドルさん見てる!ソフィちゃんってば九条さんにさん付けで呼ばれたから怒っているみたい!うふふ、可愛いわね!」
「……ははっ、そうだねサラさん。九条さん、私達には気を遣わなくても大丈夫ですから、ソフィの事は普段通りに呼んであげて下さい。」
「わ、分かりました……」
おかしいな……ガドルさんから一瞬だけ得体の知れない恐怖を感じたんだけど……き、きっと気のせいだよ……な?だって昨日と変わらずニコニコしているし……ね。
「あの、皆さん……それで本日はどういったご用件で?」
「あっ、すみません。まだ言っていませんでしたね。実はこちらにお伺いしたのは、ちょっとしたお願いをしたかったからなんですよ。」
「お願い……ですか?」
「はい。お2人にお時間があればでよろしいんですが、よろしければこの街の案内をお願い出来ませんか?」
「あ、案内?いやでも、それはソフィに頼めば良いのでは?」
「それがソフィちゃん、本屋さんと加工屋さんと斡旋所以外は良く知らないらしくて街の案内をするのは難しいみたいなんです。」
「え、えぇ……ソフィ、お前それマジか……」
「うん、だからお願い。」
「……分かりました!そういう事でしたら任せて下さい!」
「お、おいマホ!何を勝手に……!」
「もう、折角こうして頼って下さったのに断る訳にはいかないじゃないですか!」
「そ、そりゃそうだが……」
「ほらほら、ブツブツと言っている暇があるならお出掛けの準備をしますよ!あの、ちょっと家の事とかもやらないといけないのでリビングで待っていてくれますか?」
「えぇ、もしよろしければ私もお手伝いしますよ。」
「えへへ、それじゃあお願いしちゃいます!」
「……私もやる。ぱぱ、待っててね。」
「あぁ、分かったよ。それでは九条さん、今日はよろしくお願いします。」
「あ、あはは……よろしくお願いします……」
面倒な事は素直に嫌だと断れる、そんな根性のある男になってみたかったなぁ……なんて思いながら心の中でそっとため息を零してから十数分後、やるべき事を手早く終わらせた俺達はちゃちゃっと出掛ける準備を済ませると家を出て行くのだった。
「あぁ、どうせだったら実家に泊まって来ても構わないんだぞ?」
「おや、それはもしかしてマホと2人きりになりたいという事かな?」
「えー……それはそれで身の危険を感じると言いますか……」
「はっはっは!そんなのは要らぬ心配じゃよマホ。こやつにそんな度胸があるはずがなかろう!」
「はっはっは……どいつもこいつも好き放題言いやがってこんにゃろうが……!」
「ふふっ、それじゃあそろそろ行ってくるよ。レミ、忘れ物はないかい?」
「うむ、手土産も持ったし問題はあるまい!2人共、色々と世話になったのう!また遊びに来るからその時は頼んだぞ!」
「はいはい、その時は盛大にもてなしてやるよ。」
「レミさん、ロイドさん、いってらっしゃいです!」
朝早くから出掛けて行った2人を玄関で見送った後、俺は大きくあくびをしながら隣に立ってたマホと目を合わせた。
「さてと……それじゃあ俺は二度寝してくるから、後は任せたぞ……」
「いやいや!朝ごはんを食べたばっかりなのにまた寝るんですか!?」
「ふぁ~……しょうがないだろ……旅行の疲れが体に残ってんだからさ……」
「もう、そんな嘘ばっかり言って……食べてすぐに寝ると体に良くありませんよ。」
「そうは言うけどさぁ……久しぶりにのんびり出来る時間があるんだから、たまにはこうやってだらしない生活を満喫してだな……ん?」
「あれ、お客さんですかね?はいはーい!すぐに開けますから、ちょっとだけ待っていて下さいね!」
マホが大きな声で呼びかけながら鍵の掛かってない扉をゆっくりと開いていくと、そこには何故か装備をガッツリと身に付けた……
「ただいま。」
「ソ、ソフィ?それにガドルさんにサラさんも……」
「おはようございます、朝早くからすみません。」
「うふふ、もしかして起きたばっかりの所でしたか?」
「あっ、いや!別にそんな事も無いんですけど、あの……こんなに朝早くからどうかなさったんですか?もしかして、ソフィさんが忘れ物でも?」
「いえ、そういう訳では……ソフィちゃん?」
「…………」
「ちょっ、ど、どうしたんだよ?」
「…………九条さん、何時もみたいに呼んで。」
「はっ?い、何時もみたいにって……」
「ソフィさんはやだ。ソフィって呼んで。」
「あら!あらあらあら!ねぇねぇガドルさん見てる!ソフィちゃんってば九条さんにさん付けで呼ばれたから怒っているみたい!うふふ、可愛いわね!」
「……ははっ、そうだねサラさん。九条さん、私達には気を遣わなくても大丈夫ですから、ソフィの事は普段通りに呼んであげて下さい。」
「わ、分かりました……」
おかしいな……ガドルさんから一瞬だけ得体の知れない恐怖を感じたんだけど……き、きっと気のせいだよ……な?だって昨日と変わらずニコニコしているし……ね。
「あの、皆さん……それで本日はどういったご用件で?」
「あっ、すみません。まだ言っていませんでしたね。実はこちらにお伺いしたのは、ちょっとしたお願いをしたかったからなんですよ。」
「お願い……ですか?」
「はい。お2人にお時間があればでよろしいんですが、よろしければこの街の案内をお願い出来ませんか?」
「あ、案内?いやでも、それはソフィに頼めば良いのでは?」
「それがソフィちゃん、本屋さんと加工屋さんと斡旋所以外は良く知らないらしくて街の案内をするのは難しいみたいなんです。」
「え、えぇ……ソフィ、お前それマジか……」
「うん、だからお願い。」
「……分かりました!そういう事でしたら任せて下さい!」
「お、おいマホ!何を勝手に……!」
「もう、折角こうして頼って下さったのに断る訳にはいかないじゃないですか!」
「そ、そりゃそうだが……」
「ほらほら、ブツブツと言っている暇があるならお出掛けの準備をしますよ!あの、ちょっと家の事とかもやらないといけないのでリビングで待っていてくれますか?」
「えぇ、もしよろしければ私もお手伝いしますよ。」
「えへへ、それじゃあお願いしちゃいます!」
「……私もやる。ぱぱ、待っててね。」
「あぁ、分かったよ。それでは九条さん、今日はよろしくお願いします。」
「あ、あはは……よろしくお願いします……」
面倒な事は素直に嫌だと断れる、そんな根性のある男になってみたかったなぁ……なんて思いながら心の中でそっとため息を零してから十数分後、やるべき事を手早く終わらせた俺達はちゃちゃっと出掛ける準備を済ませると家を出て行くのだった。
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