おっさんの異世界生活は無理がある。
第325話
翌朝、フラウさんとの決めた集合時間の数十分前に宿屋を出て行った俺達は近場の店で朝飯を済ませるとクラリスを迎えに行く為にウィルさんとキャシーさんが営んでいるという大通りの端にあるレトロチックな外観の雑貨店の前までやって来ていた。
「うわぁ……!とってもお洒落なお店ですね!凄いです!」
「あぁ、思わず入るのを躊躇っちまいそうになっちまうけど……待ち合わせの時間に遅れる訳にもいかないから、さっさと店の中に入るとしますかねぇ。」
「うん、それもそうだね。」
カランカランとベルの音を鳴り響かせながら扉を開いて店内に足を踏み入れると、そこにはドラゴン族の親子が受付の後ろに並んで立っていて……
「おねえちゃん!おじちゃん!おはようございます!」
「皆さん、おはようございます。朝早くから来て頂いてすみませんでした。」
「……あ、あぁいえ!それは別に構わないんですけども……あの……もしかして……ウィルさんとキャシーさん……ですか?」
戸惑いながら俺がそう問いかけると、人間だった頃の面影が残っている男性の方がきょとんとした表情を浮かべながら首を傾げてこっちを見てきた。
「はい?そうですけど………あっ、そう言えばこの姿になってお会いするのは初めてでしたよね。すみません、驚かせてしまいましたか。」
「ちょ、ちょっとだけ……昨日はまだ、人間の姿でいらっしゃったので……」
「あはは……実は今朝方になって薬の効果が切れたみたいなんでして……」
「あぁ、なるほどそういう事でしたか。」
うーん、しかしこうして見てみると本当に見た目がそっくりなんだなぁ……でも、他のドラゴン族とは肌の色とかが全然違うし……やっぱり種族は同じでも血の繋がりとかで色々と変化しているもんなのか……そこら辺は人間と同じって事なのかねぇ。
「さてと、それでは2人の姿が元に戻った事情が分かった所で本題に入るとしよう。フラウさんの性格を考えると、もう集合場所で待っている可能性があるからね。」
「確かに、それはありえるかもですね!」
「うふふ、それいう事なら早めに出た方が良いかもしれませんね。それでは皆さん、今日はクリスタの事をよろしくお願い致します。」
「はい、分かりました。責任を持てお預かりさせて頂きます。」
「クリスちゃん、今日は私達の近くから絶対に離れたりしたらダメだからね!」
「うん!ぜったいにはなれない!」
「ふふっ、良い子だ。」
「えへへー!」
「はっはっは、安心せい!わしとマホがしっかりとレミの両手を掴んで離さぬから、はぐれるなんて心配はせんでも大丈夫じゃよ!」
「……それはそれで別の意味で不安になってくるんだがな……マホ、俺達も注意しておくけど2人の事はマジで頼んだぞ……!」
「は、はい!頑張ります!」
興味を惹かれるものを見つけたらすぐに突っ走ってしまう癖を持つ神様を見た後にマホと握り拳を握って気合を入れなおした俺は、改めてウィルさんとキャシーさんと向き合おうと姿勢を正して視線を交わした。
「陽が暮れる前には戻りますんで、安心して待っていて下さい。」
「えぇ、それでは娘の事をよろしくお願いします。」
互いにお辞儀をしあってからクリスタと共に店を出て行った俺達は、フラウさんが待っているであろう広場まで朝日に照らされながら歩いて行くのだった。
「うわぁ……!とってもお洒落なお店ですね!凄いです!」
「あぁ、思わず入るのを躊躇っちまいそうになっちまうけど……待ち合わせの時間に遅れる訳にもいかないから、さっさと店の中に入るとしますかねぇ。」
「うん、それもそうだね。」
カランカランとベルの音を鳴り響かせながら扉を開いて店内に足を踏み入れると、そこにはドラゴン族の親子が受付の後ろに並んで立っていて……
「おねえちゃん!おじちゃん!おはようございます!」
「皆さん、おはようございます。朝早くから来て頂いてすみませんでした。」
「……あ、あぁいえ!それは別に構わないんですけども……あの……もしかして……ウィルさんとキャシーさん……ですか?」
戸惑いながら俺がそう問いかけると、人間だった頃の面影が残っている男性の方がきょとんとした表情を浮かべながら首を傾げてこっちを見てきた。
「はい?そうですけど………あっ、そう言えばこの姿になってお会いするのは初めてでしたよね。すみません、驚かせてしまいましたか。」
「ちょ、ちょっとだけ……昨日はまだ、人間の姿でいらっしゃったので……」
「あはは……実は今朝方になって薬の効果が切れたみたいなんでして……」
「あぁ、なるほどそういう事でしたか。」
うーん、しかしこうして見てみると本当に見た目がそっくりなんだなぁ……でも、他のドラゴン族とは肌の色とかが全然違うし……やっぱり種族は同じでも血の繋がりとかで色々と変化しているもんなのか……そこら辺は人間と同じって事なのかねぇ。
「さてと、それでは2人の姿が元に戻った事情が分かった所で本題に入るとしよう。フラウさんの性格を考えると、もう集合場所で待っている可能性があるからね。」
「確かに、それはありえるかもですね!」
「うふふ、それいう事なら早めに出た方が良いかもしれませんね。それでは皆さん、今日はクリスタの事をよろしくお願い致します。」
「はい、分かりました。責任を持てお預かりさせて頂きます。」
「クリスちゃん、今日は私達の近くから絶対に離れたりしたらダメだからね!」
「うん!ぜったいにはなれない!」
「ふふっ、良い子だ。」
「えへへー!」
「はっはっは、安心せい!わしとマホがしっかりとレミの両手を掴んで離さぬから、はぐれるなんて心配はせんでも大丈夫じゃよ!」
「……それはそれで別の意味で不安になってくるんだがな……マホ、俺達も注意しておくけど2人の事はマジで頼んだぞ……!」
「は、はい!頑張ります!」
興味を惹かれるものを見つけたらすぐに突っ走ってしまう癖を持つ神様を見た後にマホと握り拳を握って気合を入れなおした俺は、改めてウィルさんとキャシーさんと向き合おうと姿勢を正して視線を交わした。
「陽が暮れる前には戻りますんで、安心して待っていて下さい。」
「えぇ、それでは娘の事をよろしくお願いします。」
互いにお辞儀をしあってからクリスタと共に店を出て行った俺達は、フラウさんが待っているであろう広場まで朝日に照らされながら歩いて行くのだった。
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