おっさんの異世界生活は無理がある。
第316話
5人部屋のはずなのに大きめのベッドが2つしか無かったので座り心地があんまり良くないリビングの二人掛けソファーで1人寂しく眠りについた俺は、誰よりも早く目を覚ますとなるべく音を立てない様に気を付けながら身支度を整えるのだった。
それからしばらくして起きてきた皆と朝飯を食べに行こうとしたら宿屋のロビーで偶然リザードさん達と再会した俺達は、一緒に昨晩も訪れた店に行って食事をしたり雑談を楽しんだりしながら朝の時間を過ごしていった。
そうこうしていると集合時間があっと言う間にやって来たので俺達は荷物を持って宿屋を後にすると、リザードさん達と村の入口広場に停車していた馬車に乗り込んでファントリアスに向かって行くのだった。
そして昼食を挟んだりしながら数時間近く街道を進んでいると、馬車の外に広がる景色が少しずつ変わってきている事に気が付いたんけど……これはどうなってんだ?
「……九条さん、もしかしてが荒れている事が気になっているんですか?」
「えっ?いやその……まぁ……ウィルさん達には失礼だとは思うんですけど、流石にこれだけ枯れ果てた木々が多くなってくると自然と目に入って来るというか……」
「そう言えば村を出てしばらくは紅葉が見えていたはずなのに、どうしてこの辺りはこんな風になっているんですかね?」
「あのね、それはね、悪い神様のせいなんだよ。」
「……悪い神様?」
「ふむ、それは何とも興味深い話じゃな……すまぬが、詳しく聞いても良いか?」
「うん!まま、おねえちゃんたちにおはなしをしてあげて!」
「はいはい……ですがその、これからお話するのはファントリアスに古くから伝わるおとぎ話みたいなものですけれど……それでもよろしいでしょうか?」
「えぇ、勿論ですよ。」
「分かりました……それでは、簡単にですがお話をさせて頂きますね。」
キャシーさんはクラリスの頭をゆっくりと撫でながら優しく微笑みかけてくると、俺達にファントリアスに伝わっている昔話を教えてくれた。
その内容とは今から数百年前の事……つまりは魔人種と人間がどうして戦争状態に陥ってしまったのかと言う話だった。
ただし本当におとぎ話レベルでしか伝わってなかったらしいので、キャシーさんに聞いた事を俺なりに纏めてみた訳なんだが……
その1、人間と戦争する事になったのは数百年前に居た魔人種の王様のせい。
その2、その王様は悪しき神様を蘇らせる事を条件にして魔人種の中に流れているモンスターとしての強制的に覚醒させて操りこの大陸を乗っ取ろうとした。
その3、しかしその計画は他の神々と勇ましき者達の力のおかげで失敗に終わって王様と悪しき神は共に消え去る運命を辿っていった。
その4、こうして大陸に平和が戻ったが悪しき神を蘇らせようとした影響を受けてファントリアスの大地は力を失ってしまい荒れ果ててしまう事になった。
「…………何と言うか、あまりにも現実離れしたお話ですね。」
「そうか?わしは実際にあった出来事だと言われてもおかしいとは思わんぞ。」
「ふふっ、レミがそう言うなら信憑性が増してくるね。」
「うん。私もそう思う。」
「た、確かにレミさんが言うと説得力が凄いですね……」
「はっはっは、そんなに褒めるでないわ!それよりもキャシー、話を聞かせてくれた事を感謝するぞ!クラリスもありがとうのう!」
「えへへ、どういたしまして!」
「うふふ、喜んでもらえたのなら良かったです。」
……本物の神様であるレミに信憑性があると言われてしまった恐るべきおとぎ話を聞き終わってからしばらくすると、御者さんがファントリアスまでもう少しだという報告をされたので進行先をチラッと見てみた……すると……
「ア、アレが……ファントリアス……なのか?」
「はい、そうですよ。」
「え、えっと……その………す、凄いですね……」
「あぁ、一言で表すならまるで……」
「……要塞。」
荒れ果てた道の先に続く先にあるファントリアスは、ちょっとした恐怖心を感じるぐらいのゴツイ防壁に護られた物々しい雰囲気が漂ってくる街だった……
それからしばらくして起きてきた皆と朝飯を食べに行こうとしたら宿屋のロビーで偶然リザードさん達と再会した俺達は、一緒に昨晩も訪れた店に行って食事をしたり雑談を楽しんだりしながら朝の時間を過ごしていった。
そうこうしていると集合時間があっと言う間にやって来たので俺達は荷物を持って宿屋を後にすると、リザードさん達と村の入口広場に停車していた馬車に乗り込んでファントリアスに向かって行くのだった。
そして昼食を挟んだりしながら数時間近く街道を進んでいると、馬車の外に広がる景色が少しずつ変わってきている事に気が付いたんけど……これはどうなってんだ?
「……九条さん、もしかしてが荒れている事が気になっているんですか?」
「えっ?いやその……まぁ……ウィルさん達には失礼だとは思うんですけど、流石にこれだけ枯れ果てた木々が多くなってくると自然と目に入って来るというか……」
「そう言えば村を出てしばらくは紅葉が見えていたはずなのに、どうしてこの辺りはこんな風になっているんですかね?」
「あのね、それはね、悪い神様のせいなんだよ。」
「……悪い神様?」
「ふむ、それは何とも興味深い話じゃな……すまぬが、詳しく聞いても良いか?」
「うん!まま、おねえちゃんたちにおはなしをしてあげて!」
「はいはい……ですがその、これからお話するのはファントリアスに古くから伝わるおとぎ話みたいなものですけれど……それでもよろしいでしょうか?」
「えぇ、勿論ですよ。」
「分かりました……それでは、簡単にですがお話をさせて頂きますね。」
キャシーさんはクラリスの頭をゆっくりと撫でながら優しく微笑みかけてくると、俺達にファントリアスに伝わっている昔話を教えてくれた。
その内容とは今から数百年前の事……つまりは魔人種と人間がどうして戦争状態に陥ってしまったのかと言う話だった。
ただし本当におとぎ話レベルでしか伝わってなかったらしいので、キャシーさんに聞いた事を俺なりに纏めてみた訳なんだが……
その1、人間と戦争する事になったのは数百年前に居た魔人種の王様のせい。
その2、その王様は悪しき神様を蘇らせる事を条件にして魔人種の中に流れているモンスターとしての強制的に覚醒させて操りこの大陸を乗っ取ろうとした。
その3、しかしその計画は他の神々と勇ましき者達の力のおかげで失敗に終わって王様と悪しき神は共に消え去る運命を辿っていった。
その4、こうして大陸に平和が戻ったが悪しき神を蘇らせようとした影響を受けてファントリアスの大地は力を失ってしまい荒れ果ててしまう事になった。
「…………何と言うか、あまりにも現実離れしたお話ですね。」
「そうか?わしは実際にあった出来事だと言われてもおかしいとは思わんぞ。」
「ふふっ、レミがそう言うなら信憑性が増してくるね。」
「うん。私もそう思う。」
「た、確かにレミさんが言うと説得力が凄いですね……」
「はっはっは、そんなに褒めるでないわ!それよりもキャシー、話を聞かせてくれた事を感謝するぞ!クラリスもありがとうのう!」
「えへへ、どういたしまして!」
「うふふ、喜んでもらえたのなら良かったです。」
……本物の神様であるレミに信憑性があると言われてしまった恐るべきおとぎ話を聞き終わってからしばらくすると、御者さんがファントリアスまでもう少しだという報告をされたので進行先をチラッと見てみた……すると……
「ア、アレが……ファントリアス……なのか?」
「はい、そうですよ。」
「え、えっと……その………す、凄いですね……」
「あぁ、一言で表すならまるで……」
「……要塞。」
荒れ果てた道の先に続く先にあるファントリアスは、ちょっとした恐怖心を感じるぐらいのゴツイ防壁に護られた物々しい雰囲気が漂ってくる街だった……
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