おっさんの異世界生活は無理がある。
第297話
どうにかこうにか部屋に燃え移った火を消し止めた俺達は、黒焦げになったボスのコアになっていた宝箱の中から宝石類を回収してさっさとダンジョンを脱出して街に戻ろうといたんだが……
「お前達に迷惑を掛けた罪、この場で償わせて貰おうか!」
エルアが渡したアイテムを使って魔力と何故かメンタルまで一緒に回復しやがった中二病患者が腕を組みながら偉そうにそんな事を言いやがった……そして…………
「クリフ君の………バカアアアアアア!!!!」
「ぐべらぁあああああああ!!!」
「おやおや、エルアがあんなに力強い一撃を放つだなんて驚きだね。」
「うん、ちゃんと成長してる。」
「………いや、その感想はおかしくね?」
エルアから平手ではなく握り拳をお見舞いされてしまった哀れな中二病は、何とも情けない叫びを上げながら変わり果てたボスに向かって突っ込んで行くのだった……まぁ、再燃しない様に水で濡らしてあるから火傷とかをする心配は無いだろ!多分!
「あっ!ご、ごめんねクリフ君!つ、つい思いっきり殴っちゃった!」
「ふ、ふっ………お、お前の拳なぞ……な、何でも……ないわ……!」
(……アレ、どう見たって何でもない事はありませんよね。)
(そう言ってやるな……男としての意地……みたいなもんなんだからな。)
殴られた跡がクッキリと頬に残った状態のまま、全身を炭だらけにしてズルズルとボスの中から這い出てきたクリフは足腰をふらふらさせながら立ち上がるのだった。
その姿を見て思わず同情しそうになっているとさっきまで俺の隣に居たイリスが、静かな足取りでアイツに近寄って行った。
「……つ、次はお前の番か……良いだろう……更なる罰をこの我に……」
「……最っ低。」
「がはっ!?」
(う、うわぁ……クリフさん、膝から崩れ落ちちゃいましたよ………)
(む、むごすぎる……!)
ゴミ屑を見る様な眼差しで蔑みながらビックリするぐらい低い声であんな台詞……俺があんな目に遭ったとしたら、1ヶ月ぐらいは絶対に家から出られねぇぞ?!
「……うふふ、それじゃあ次は九条さんの番ですね。」
「うぇっ!?いやいや、流石にそれは無理なんですけど!?ほぼ死体になってる今のクリフに更なる追い打ちとかマジで俺の心が持たねぇっての!」
「あっ、そうなんですか?それなら僕が、九条さんの代わりに……」
「やめたげて!それ以上は本当にヤバいからやめたげて!ほらイリス!街に戻ったら一緒に出掛けてやるからこっちに戻って」
「はぁい!うふふふ……九条さんとのデート……あぁ、何だか胸が凄くドキドキしてきましたぁ……」
「ちょ、ちょっと九条さん!イリスさんばっかりズルいじゃないですか!僕だって、九条さんとお出掛けがしたいですよ!」
「わ、分かった!それじゃあ皆で出掛けよう!なっ?」
(……ご主人様、何だか女の人にだらしない男の人みたいですね。)
(だ、黙らっしゃい!今はこうするしか無いんだからしょうがないでしょうが!)
「あらあら……それでは2人きりでお出掛けするのは、またの機会という事で。」
「むぅ!」
「ふふっ、それでは暗くなる前に街に戻るとしようか。」
「うん、そうだね。」
「よ、よしっ!ほらクリフ!さっさとこっちに……って、おい?どうしたんだ?何で睨みつけるかの様な視線を俺に……?」
「……九条透………やはり貴様は………我の敵だあああああ!!!」
「ええええぇぇぇ?!!??!!何でいきなりブチ切れてんの!?」
どういう訳なのか知らないが2本のブレードを両手に握りしめたアイツに敵として認定されてしまった俺は、エルアとイリスがさっきと同じ様に止めてくれるまでの間ダンジョン内をひたすら逃げ回る事になるのだった!って、マジでどうしてだよ!?
「お前達に迷惑を掛けた罪、この場で償わせて貰おうか!」
エルアが渡したアイテムを使って魔力と何故かメンタルまで一緒に回復しやがった中二病患者が腕を組みながら偉そうにそんな事を言いやがった……そして…………
「クリフ君の………バカアアアアアア!!!!」
「ぐべらぁあああああああ!!!」
「おやおや、エルアがあんなに力強い一撃を放つだなんて驚きだね。」
「うん、ちゃんと成長してる。」
「………いや、その感想はおかしくね?」
エルアから平手ではなく握り拳をお見舞いされてしまった哀れな中二病は、何とも情けない叫びを上げながら変わり果てたボスに向かって突っ込んで行くのだった……まぁ、再燃しない様に水で濡らしてあるから火傷とかをする心配は無いだろ!多分!
「あっ!ご、ごめんねクリフ君!つ、つい思いっきり殴っちゃった!」
「ふ、ふっ………お、お前の拳なぞ……な、何でも……ないわ……!」
(……アレ、どう見たって何でもない事はありませんよね。)
(そう言ってやるな……男としての意地……みたいなもんなんだからな。)
殴られた跡がクッキリと頬に残った状態のまま、全身を炭だらけにしてズルズルとボスの中から這い出てきたクリフは足腰をふらふらさせながら立ち上がるのだった。
その姿を見て思わず同情しそうになっているとさっきまで俺の隣に居たイリスが、静かな足取りでアイツに近寄って行った。
「……つ、次はお前の番か……良いだろう……更なる罰をこの我に……」
「……最っ低。」
「がはっ!?」
(う、うわぁ……クリフさん、膝から崩れ落ちちゃいましたよ………)
(む、むごすぎる……!)
ゴミ屑を見る様な眼差しで蔑みながらビックリするぐらい低い声であんな台詞……俺があんな目に遭ったとしたら、1ヶ月ぐらいは絶対に家から出られねぇぞ?!
「……うふふ、それじゃあ次は九条さんの番ですね。」
「うぇっ!?いやいや、流石にそれは無理なんですけど!?ほぼ死体になってる今のクリフに更なる追い打ちとかマジで俺の心が持たねぇっての!」
「あっ、そうなんですか?それなら僕が、九条さんの代わりに……」
「やめたげて!それ以上は本当にヤバいからやめたげて!ほらイリス!街に戻ったら一緒に出掛けてやるからこっちに戻って」
「はぁい!うふふふ……九条さんとのデート……あぁ、何だか胸が凄くドキドキしてきましたぁ……」
「ちょ、ちょっと九条さん!イリスさんばっかりズルいじゃないですか!僕だって、九条さんとお出掛けがしたいですよ!」
「わ、分かった!それじゃあ皆で出掛けよう!なっ?」
(……ご主人様、何だか女の人にだらしない男の人みたいですね。)
(だ、黙らっしゃい!今はこうするしか無いんだからしょうがないでしょうが!)
「あらあら……それでは2人きりでお出掛けするのは、またの機会という事で。」
「むぅ!」
「ふふっ、それでは暗くなる前に街に戻るとしようか。」
「うん、そうだね。」
「よ、よしっ!ほらクリフ!さっさとこっちに……って、おい?どうしたんだ?何で睨みつけるかの様な視線を俺に……?」
「……九条透………やはり貴様は………我の敵だあああああ!!!」
「ええええぇぇぇ?!!??!!何でいきなりブチ切れてんの!?」
どういう訳なのか知らないが2本のブレードを両手に握りしめたアイツに敵として認定されてしまった俺は、エルアとイリスがさっきと同じ様に止めてくれるまでの間ダンジョン内をひたすら逃げ回る事になるのだった!って、マジでどうしてだよ!?
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