おっさんの異世界生活は無理がある。
第279話
「なぁマホ、今朝から街中がどうにも騒がしい様な気がするんだけどさ……コレって俺の勘違いだと思うか?」
「いえ、私もそんな風に感じていましたから……」
「そうか……だとしたら、何が原因なんだろうな。」
「うーん……ロイドさんとソフィさんは心当たりはありませんか?」
「……分からない。」
「ふふっ、私は1つだけ心当たりがあるよ。」
「えっ、本当か?」
「あぁ、何せこの事態は私の父さん達が関わっている事だからね。」
「父さん達って……エリオさんやディオスさん、それにファーレスさんの事か?」
「うん、その他の貴族の方達やラウザさんの様な商人の方達も関係しているよ。」
「へぇ……そんなに大勢のお偉方が集まって何をしようとしているんだ?」
「ふふっ、それはね……あの掲示板に貼られている紙を見たらすぐに分かるよ。」
「……はぁ、口で教えてくれた方が早いと思うんだけどなぁ。」
楽しそうに微笑んでるロイドを見ながら愚痴をこぼしつつ苦笑いを浮かべた俺は、肩をすくめながら大通りの十字路部分にある掲示板に向かって歩いて行くのだった。
そして何故かテンションが上がっている若者連中に苦手意識をバリバリ出しながらそいつらに謝りながらも張り出されている紙が見える所までやって来たんだが……
「どれどれ……ふーん、今度アイテム屋で在庫処分の大安売りをやるのかぁ……でもそれって、使えないから売れてないだけなんじゃないのか?」
「効果が値段と釣り合わないから売れてなかった可能性もある。」
「なるほど……それなら適正価格で買えるようになったんだと考えれば……」
「もう、2人共!見るべきなのはその張り紙じゃなくて、その右隣に貼られている紙だと思いますよ!」
「あっ、もう見つけたのか……えっと、どれどれ…………は?」
「……お祭り?」
マホに言われた通りの張り紙に目を読んでみると、そこにはトリアルで祭りを開催するといったお知らせが簡単に書かれていた。
「ふふっ、どうやらトリアルが騒がしくなっている……いや、どうして賑わっているのかと言う原因が分かる張り紙を見つけたみたいだね。」
「………もしかして、エリオさん達がクアウォートでやった仕事ってのはこの祭りが関係してるのか?」
「うん、その通りだよ。」
「え!じゃあじゃあ、クアウォートみたいな派手なお祭りをトリアルでするおつもりなんですか!?」
「いやいや、流石にあの規模のお祭りを開催するのは厳しいんじゃないかな。それに今回の祭りは、観光客を呼び込むと言うのが目的ではないからね。」
「……そうなの?」
「あぁ、屋台は出るだろうけどクアウォートのお祭りの様に大きな花火が上がったりする訳では無いからね。」
「……確かに、それだけだったら観光客は来ないだろうな。」
「ふふっ、だからこのお祭りはトリアルに暮らしている住民の方達と共に楽しむ為の物なんだよ。」
「そう言う事か……それで開催の日時は……まだ決まってないのか。」
「うーん、そうだとしたらどうして今から準備をしているんでしょうか?」
「恐らく、お店の方達には大体の日付を知らせているんだと思うよ。」
「だとしたら……祭りは1カ月後ぐらいにやるのかもな。」
「今日から準備に取り掛かり始めたという事は、まず間違い無いと思うよ。」
「そ、そうなんですか!?何だかワクワクしてきましたね!」
「まぁ、それなりにはな……それよりもほれ、疑問も解けた事だしさっさと斡旋所に行ってクエスト達成の報告を終わらせて家に帰ろうぜ。」
「……早くお風呂に入りたい。」
「ふふっ、それでは私の家でお風呂に入ると言うのはどうだい?」
「あっ、それ良いですね!………おじさん、分かってるとは思いますけど一緒に」
「入らねぇし覗いたりもしねぇからってか余計な心配をしてんじゃねぇよ!」
「あいてっ!」
マホの頭にチョップを落として掲示板の前から離れた俺はため息を思いっきり零しながら大通りに戻ると、斡旋所に向かって歩いて行くのだった。
「いえ、私もそんな風に感じていましたから……」
「そうか……だとしたら、何が原因なんだろうな。」
「うーん……ロイドさんとソフィさんは心当たりはありませんか?」
「……分からない。」
「ふふっ、私は1つだけ心当たりがあるよ。」
「えっ、本当か?」
「あぁ、何せこの事態は私の父さん達が関わっている事だからね。」
「父さん達って……エリオさんやディオスさん、それにファーレスさんの事か?」
「うん、その他の貴族の方達やラウザさんの様な商人の方達も関係しているよ。」
「へぇ……そんなに大勢のお偉方が集まって何をしようとしているんだ?」
「ふふっ、それはね……あの掲示板に貼られている紙を見たらすぐに分かるよ。」
「……はぁ、口で教えてくれた方が早いと思うんだけどなぁ。」
楽しそうに微笑んでるロイドを見ながら愚痴をこぼしつつ苦笑いを浮かべた俺は、肩をすくめながら大通りの十字路部分にある掲示板に向かって歩いて行くのだった。
そして何故かテンションが上がっている若者連中に苦手意識をバリバリ出しながらそいつらに謝りながらも張り出されている紙が見える所までやって来たんだが……
「どれどれ……ふーん、今度アイテム屋で在庫処分の大安売りをやるのかぁ……でもそれって、使えないから売れてないだけなんじゃないのか?」
「効果が値段と釣り合わないから売れてなかった可能性もある。」
「なるほど……それなら適正価格で買えるようになったんだと考えれば……」
「もう、2人共!見るべきなのはその張り紙じゃなくて、その右隣に貼られている紙だと思いますよ!」
「あっ、もう見つけたのか……えっと、どれどれ…………は?」
「……お祭り?」
マホに言われた通りの張り紙に目を読んでみると、そこにはトリアルで祭りを開催するといったお知らせが簡単に書かれていた。
「ふふっ、どうやらトリアルが騒がしくなっている……いや、どうして賑わっているのかと言う原因が分かる張り紙を見つけたみたいだね。」
「………もしかして、エリオさん達がクアウォートでやった仕事ってのはこの祭りが関係してるのか?」
「うん、その通りだよ。」
「え!じゃあじゃあ、クアウォートみたいな派手なお祭りをトリアルでするおつもりなんですか!?」
「いやいや、流石にあの規模のお祭りを開催するのは厳しいんじゃないかな。それに今回の祭りは、観光客を呼び込むと言うのが目的ではないからね。」
「……そうなの?」
「あぁ、屋台は出るだろうけどクアウォートのお祭りの様に大きな花火が上がったりする訳では無いからね。」
「……確かに、それだけだったら観光客は来ないだろうな。」
「ふふっ、だからこのお祭りはトリアルに暮らしている住民の方達と共に楽しむ為の物なんだよ。」
「そう言う事か……それで開催の日時は……まだ決まってないのか。」
「うーん、そうだとしたらどうして今から準備をしているんでしょうか?」
「恐らく、お店の方達には大体の日付を知らせているんだと思うよ。」
「だとしたら……祭りは1カ月後ぐらいにやるのかもな。」
「今日から準備に取り掛かり始めたという事は、まず間違い無いと思うよ。」
「そ、そうなんですか!?何だかワクワクしてきましたね!」
「まぁ、それなりにはな……それよりもほれ、疑問も解けた事だしさっさと斡旋所に行ってクエスト達成の報告を終わらせて家に帰ろうぜ。」
「……早くお風呂に入りたい。」
「ふふっ、それでは私の家でお風呂に入ると言うのはどうだい?」
「あっ、それ良いですね!………おじさん、分かってるとは思いますけど一緒に」
「入らねぇし覗いたりもしねぇからってか余計な心配をしてんじゃねぇよ!」
「あいてっ!」
マホの頭にチョップを落として掲示板の前から離れた俺はため息を思いっきり零しながら大通りに戻ると、斡旋所に向かって歩いて行くのだった。
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