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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第267話

馬車に乗り込んだアリシアさんとシアンは俺達から水神龍の宮殿で何が起きたのか教えられると、困惑した表情を浮かべながら微笑んでいるレミに視線を向け始めた。

「あの………本当なんですか?こんなに可愛い女の子が神様だなんて……」

「にわかには信じられない話ではありますが……皆様が私達に嘘を吐く必要が無いと分かっている以上、全て真実であると考えた方がよろしいのでしょうね。」

「あぁ、そうしてくれると助かるよ……」

「……それと理解しているとは思いますが、この事は他言無用に願いますわよ。」

「えぇ、当然ですわ……と言うよりも、神様と知り合いになったと誰かに話した所で信じて貰えるとは思えませんが。」

「ふふっ、確かにそうかもしれないね。だがこの事実を知って危害を加えようとする人達がもしかしたら存在するかもしれないから、注意だけはしておいてほしい。」

「言われなくても、私はシアンを危険な目に遭わせるつもりはありませんわ。」

「わ、私も誰にも言いません!」

「うん、それじゃあ頼んだよ2人共。」

話が一段落して馬車の中にゆるやかな空気が流れ始めてきたその瞬間、隣に座っていたレミがニコニコしながら俺の顔をジッと見つめてきた?

「……どうしたんだ?」

「いやなに、わしについての説明が終わった事じゃからこの後はどうするのか聞いておこうと思ってのう。」

「この後はって……あっ、そういや食事会だ!」

「おっと、そう言えばそうだったね。うっかりしていたな。」

「今がお昼時を少し過ぎた頃ですから、まだ時間には余裕はありますわね。」

「よしっ、そんじゃあ別荘に戻って………なぁ、まさかとは思うけどさっきの質問は食事会に参加したいと思ったからしたって訳じゃ………ないよな?」

向けられた笑顔と質問をされたタイミングから嫌な予感がした俺がそう尋ねると、レミは口元をニヤリと歪ませ始めて………

「はっはっは…………久方ぶりに美味い飯にありつける機会をわしが逃すとでも?」

「だよなぁ……って、そんなの認める訳が無いだろうが!お前は別荘で留守番だ!」

「な、なんじゃとおおお!?!?何故じゃ!?どうしてなんじゃ!?」

「店に予約してる人数はここに居ないマホを含めて6人なんだよ!だからレミが座る席は最初から用意されてねぇの!だからお前は別荘で飯を食いなさい!」

「そんなの嫌じゃ!父上、わしを置いて行くなんて酷いではないか!?」

「だから父上じゃねぇつってんだろうが!くっ、しがみ付いてくんなこんにゃろ!」

「えぇい!わしを連れて行ってくれると行ってくれるまで離れんからな!」

「……九条さん、相手は神様だと言うのにかなりぞんざいに扱っていますわね。」

「まぁ、バカンスに来ただけなのに無理やり試練を与えられてしまったからね。敬う気持ちが無いのも仕方が無いんじゃないのかな。」

「あぁ……そう聞くと納得しちゃいますね……」

(もう、ご主人様ったら子供じゃないんですから………)

羽織っているパーカーを強く握り締めてガクガクと揺さぶってくるレミとしばらく小競り合いを続けていると、真正面に座っていたロイドが手を叩く音が聞こえてきて俺達の動きが一時的に止まった。

「九条さん、レミ、馬車が揺れてしまうからあんまり暴れない様にね。」

「いや、でも!」

「しかしじゃな!」

「まぁまぁ………九条さん、レミの事についてなら心配は要らないよ。」

「心配はって……そりゃどういう事だよ?」

「ふふっ、実は九条さんが予約した店の方と私達は知り合いなんだよ。だから事情を話せばレミの分の席を用意してくれるはずだよ。」

「なに?!それは本当かのう!?」

「うん、だからレミも食事会に参加出来るという訳さ。」

「そ、そうか!ならば良かったのじゃ!」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ!店側は良くても皆はレミと一緒でも良いのか?」

「あぁ、私は問題無いよ。」

「私も大丈夫。」

「ロイド様が良いと仰るのなら特にいう事はありませんわ。」

「そ、そうですね!私も良いと思います!お2人はどうですか?」

「わ、私もレミさんが参加しても良いと思いますわよ。」

「私もです!折角お知り合いになれたんですから、一緒にお食事をしましょう!」

(あっ、言うまでも無く私も賛成ですからね!)

「えぇ………マジかよ………」

「はっはっはっは!それではお主達よ、食事会に向けて行動を開始するのじゃ!」

美味い飯が食べられる事がその確定したその瞬間、座席に立ち上がったレミは腕を組み偉そうに俺達に指示を飛ばすのだった。

ってかマジでヤバい………クエストで稼いできた金が一夜にして溶け切る未来しか見えてこないんですけど………うぅ、まだまだ俺の試練は続くのかよ……

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