おっさんの異世界生活は無理がある。
第260話
(おぉ、本当に水中でも息が出来るなんて少し感動するな……ってそう言えばマホ、スマホの方は大丈夫か?ケースの中に海水が入って濡れたりしてないか?)
(はい!全然問題ありません!)
(そうか、なら良かった……トリアルに戻ったらシーナに礼を言っておかないとな。)
(えへへ、そうですね!)
マホの元気な声を頭の中で聞きながら周囲を岩盤に覆われた光の輪をシュダールを使って進んで行ったんだが……
(なんか……こうも暗い場所が続いていると少しだけ不安になってくるな。)
(ふふっ、そんなに心配しなくても大丈夫だよ九条さん。もう少し進めば太陽の光が届く場所まで辿り着けるはずさ。)
(そうだと良いんだが……って、そんな事を言ってる間にもう出口が見えてきたな。)
(ほら、ご主人様!シュダールを使って早く洞窟の外に行ってくださいよ!)
(いやいや、俺だけ先行したらはしゃいでるみたいで恥ずかしいだろうが!ここは、大人としての余裕を持って冷静にだな……)
(……じゃあお先。)
(あっ、おいソフィ!……アイツ、もしかしなくても結構はしゃいでるのか?)
(まぁ、その気持ちも分からなくはないかな……という訳だから、私も先に行かせてもらうね。)
(え、ちょ!?)
シュダールに込める魔力を増やして出口に向かってしまったソフィとロイドの姿を呆れながらと見つめていると、後ろから物凄い速さで俺を追い抜いて行く人影が!?
(ご、ご主人様!皆さんに置いて行かれちゃいましたよ!?)
(あぁもう!どいつもこいつも勝手に行動しすぎだろ?!)
思わずゴボゴボと酸素を吐き出してしまいながら足元に流している魔力を増やした俺は、先に行ってしまった皆に追い付く為に急いで洞窟を抜け出すと………目の前に広がる圧倒的な光景に見惚れてしまっていた。
(うわぁ……きれい…………)
(………すげぇな………)
太陽の光がここまで届いているおかげで幻想的な景色が築き上げれていて、しかもその中心とも言える場所には虹色の何かに覆われた神々しい宮殿が……何て言うか、西洋版の竜宮城に来ちまったって感じだな………
(まさか海底にこんな世界があるとはね………驚いて呼吸をするのを忘れていたよ。)
(……同じく。)
ロイドとソフィが驚いているのと同じ様に、リリアさんとライルさんもこの光景に心を奪われているのが少し離れたここからでも見て分かった。
その時間を邪魔してさっさと行こうと合図するのも気が引けたので、太陽が照らす水神龍の宮殿を何の気なしに見ていたんだが………
(そう言えば……なぁマホ、こっから海岸までってそんなに距離が無いよな?)
(え?まぁそうですね……さっき通って来た洞窟もそんなに長くなかったですから、ここから上に向かって泳いで行けばすぐに陸に出ると思いますよ。)
(だよなぁ……だとしたらあのダンジョン、かなり陸地に近い場所にあるんだな。)
(あっ、確かにそうですね……でもアレ?私達が海に来た時、あんなに目立つ建物は無かった気がしますよ。)
(それに海であの宮殿を見て騒いでる人も居なかったよな……うーん、立ち入り禁止エリアにあるから発見しずらいのは分かるんだが……だとしても、少しも騒ぎにならないってのもおかしな話だよな。)
あんなバカみたいに大きくて存在感もあるってのに……多分、海の家近くからでも見ようと思えば見れるよな?………いや、マジでどうなってんだ?
(……恐らくだけど、あの宮殿を見る為には条件があるんじゃないかい。)
(……条件?例えばどんなのだ?)
(そうだね……例えば、光の輪の中に入るっていうのはどうかな。)
(……あぁ、確かにその可能性はあるかもな。あの宮殿、そもそもは神様に選ばれた人間しか行けない神聖な場所だって書いてあったからな。)
(なるほど!だから光の輪の外からは宮殿が見えないんですね!)
(ふーん……やっぱ神様が住んでるって言われてるだけの事はあるんだな。)
ロイドの説を聞いて小さく頷きながら改めて水神龍の宮殿を改めてジッと見つめた俺は…………何だか…………イライラしてきていた。
(……九条さん、どうかしたの?)
(いや……人の都合なんてお構いなしに試練を与えてきた神様があんな豪勢な場所に住んでるんだと思ったら………ふざけんなって気持ちが沸き上がってきて………)
(ふふっ、確かに折角のバカンスなのに随分と勝手な神様だね。)
(あーそうだよ……俺達はバカンスで来てんだよ……それなのに試練だぁ?逃げたら罰を与えるだと………冗談じゃねぇぞちきしょうめ!)
(……九条さんが燃えてる。)
(あぁ!こうなったら神様に文句の1つでも言わねぇと気が済まねぇな!)
(うんうん、その意気ですよご主人様!神様からの試練なんて、サクッと終わらせてしまいましょう!)
(おう!そんじゃあさっさと宮殿に行くぞぉ!)
(おー!)
(了解した。)
(頑張る。)
ソフィとロイドと目を合わせて力強く頷きシュダールに魔力を込めた俺は、周りの景色に目もくれずに宮殿に向かって行くのだった!
(はい!全然問題ありません!)
(そうか、なら良かった……トリアルに戻ったらシーナに礼を言っておかないとな。)
(えへへ、そうですね!)
マホの元気な声を頭の中で聞きながら周囲を岩盤に覆われた光の輪をシュダールを使って進んで行ったんだが……
(なんか……こうも暗い場所が続いていると少しだけ不安になってくるな。)
(ふふっ、そんなに心配しなくても大丈夫だよ九条さん。もう少し進めば太陽の光が届く場所まで辿り着けるはずさ。)
(そうだと良いんだが……って、そんな事を言ってる間にもう出口が見えてきたな。)
(ほら、ご主人様!シュダールを使って早く洞窟の外に行ってくださいよ!)
(いやいや、俺だけ先行したらはしゃいでるみたいで恥ずかしいだろうが!ここは、大人としての余裕を持って冷静にだな……)
(……じゃあお先。)
(あっ、おいソフィ!……アイツ、もしかしなくても結構はしゃいでるのか?)
(まぁ、その気持ちも分からなくはないかな……という訳だから、私も先に行かせてもらうね。)
(え、ちょ!?)
シュダールに込める魔力を増やして出口に向かってしまったソフィとロイドの姿を呆れながらと見つめていると、後ろから物凄い速さで俺を追い抜いて行く人影が!?
(ご、ご主人様!皆さんに置いて行かれちゃいましたよ!?)
(あぁもう!どいつもこいつも勝手に行動しすぎだろ?!)
思わずゴボゴボと酸素を吐き出してしまいながら足元に流している魔力を増やした俺は、先に行ってしまった皆に追い付く為に急いで洞窟を抜け出すと………目の前に広がる圧倒的な光景に見惚れてしまっていた。
(うわぁ……きれい…………)
(………すげぇな………)
太陽の光がここまで届いているおかげで幻想的な景色が築き上げれていて、しかもその中心とも言える場所には虹色の何かに覆われた神々しい宮殿が……何て言うか、西洋版の竜宮城に来ちまったって感じだな………
(まさか海底にこんな世界があるとはね………驚いて呼吸をするのを忘れていたよ。)
(……同じく。)
ロイドとソフィが驚いているのと同じ様に、リリアさんとライルさんもこの光景に心を奪われているのが少し離れたここからでも見て分かった。
その時間を邪魔してさっさと行こうと合図するのも気が引けたので、太陽が照らす水神龍の宮殿を何の気なしに見ていたんだが………
(そう言えば……なぁマホ、こっから海岸までってそんなに距離が無いよな?)
(え?まぁそうですね……さっき通って来た洞窟もそんなに長くなかったですから、ここから上に向かって泳いで行けばすぐに陸に出ると思いますよ。)
(だよなぁ……だとしたらあのダンジョン、かなり陸地に近い場所にあるんだな。)
(あっ、確かにそうですね……でもアレ?私達が海に来た時、あんなに目立つ建物は無かった気がしますよ。)
(それに海であの宮殿を見て騒いでる人も居なかったよな……うーん、立ち入り禁止エリアにあるから発見しずらいのは分かるんだが……だとしても、少しも騒ぎにならないってのもおかしな話だよな。)
あんなバカみたいに大きくて存在感もあるってのに……多分、海の家近くからでも見ようと思えば見れるよな?………いや、マジでどうなってんだ?
(……恐らくだけど、あの宮殿を見る為には条件があるんじゃないかい。)
(……条件?例えばどんなのだ?)
(そうだね……例えば、光の輪の中に入るっていうのはどうかな。)
(……あぁ、確かにその可能性はあるかもな。あの宮殿、そもそもは神様に選ばれた人間しか行けない神聖な場所だって書いてあったからな。)
(なるほど!だから光の輪の外からは宮殿が見えないんですね!)
(ふーん……やっぱ神様が住んでるって言われてるだけの事はあるんだな。)
ロイドの説を聞いて小さく頷きながら改めて水神龍の宮殿を改めてジッと見つめた俺は…………何だか…………イライラしてきていた。
(……九条さん、どうかしたの?)
(いや……人の都合なんてお構いなしに試練を与えてきた神様があんな豪勢な場所に住んでるんだと思ったら………ふざけんなって気持ちが沸き上がってきて………)
(ふふっ、確かに折角のバカンスなのに随分と勝手な神様だね。)
(あーそうだよ……俺達はバカンスで来てんだよ……それなのに試練だぁ?逃げたら罰を与えるだと………冗談じゃねぇぞちきしょうめ!)
(……九条さんが燃えてる。)
(あぁ!こうなったら神様に文句の1つでも言わねぇと気が済まねぇな!)
(うんうん、その意気ですよご主人様!神様からの試練なんて、サクッと終わらせてしまいましょう!)
(おう!そんじゃあさっさと宮殿に行くぞぉ!)
(おー!)
(了解した。)
(頑張る。)
ソフィとロイドと目を合わせて力強く頷きシュダールに魔力を込めた俺は、周りの景色に目もくれずに宮殿に向かって行くのだった!
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