おっさんの異世界生活は無理がある。
第234話
ゲームやアニメで見る様な海上に架かっている広くて長い橋を渡りクアウォートにやって来た俺は、窓の外に広がる街並みを眺めながら驚きの声を上げていた。
遠目からでは分からなかったが建物だけじゃなくて道や街灯も海に合わせた感じの造りや色遣いをしていて、この場所に似合わない物が全然存在していなかった!
他にも大通りを歩いている人の数がメチャクチャ多く……特に若いカップル連中が目立っている様な気がしたが俺の気のせいか?!……なんて思っていたら、マホからそういう人達ばっかり見ているからですよと冷静に言われてしまった……
ま、まぁそんなこんなありながら俺達を乗せていた馬車は街の西側方面に向かって10分程走って目的地である別荘に辿り着いたんだが……
「……おじさん、やっぱり貴族の方が所有している別荘って凄いですね。」
「……あぁ、俺達が住む家の何倍ぐらい広いんだろうな。」
恐らく2倍……3倍?いや、それ以上なのか?……なんて考えながらマホと一緒に別荘を見上げていると、皆が馬車から降り始めたので俺達もそれに続いて行った。
「うわっ、外に出るとやっぱり暑いな………」
「そうですね……でも、トリアルよりは涼しく感じますよ!」
「あぁ、恐らく海が近くにあるからだろうね。」
「……早く別荘の中に入りたい。」
「あらあら、ソフィさんは暑いのは苦手の様ですね。」
「うむ、それならば急いで別荘に入るとしようか。九条さん達は荷物を忘れない様にお気を付け下さい。」
「あ、はい……よしっ、そんじゃあ取りに行くとするか。」
「はい!」
別荘に向かって行くエリオさん達と別れて荷物を預けてる馬車に向かって行くと、列の一番前を走っていた馬車から何故かリリアさんとディオスさんが降りて来た。
「あれ、どうかしたんですか?」
「いやなに、俺達の別荘はこっから少し行った所にあるって教えに来たんだよ!」
「あ、そうなんですか?」
「おう!だからもし何か困った事があったら、何時でも相談に来てくれ!」
「あはは……そうなる可能性は低いとは思いますけど、分かりました。何かあったら寄らせて貰います……で、リリアさんはどうして?」
「私はロイド様と皆様にお別れのご挨拶をしに来たんですわ!」
リリアさんはそう言うとグッとロイドに急接近してその手を強く握りしめると熱い視線を向け始めた……
「ロイド様!荷物の整理が終わり次第すぐにライルさんとお迎えに上がりますので、その時は私達とお出掛けをして下さいますか!?」
「勿論、ここに居る皆が一緒で良ければね。」
「はい!かしこまりましたわ!それではまた後でお会いしましょうね!さぁお父様、急いで別荘へ向かいますわよ!」
「がっはっはっは!分かった分かった!それじゃあまたな!」
「あ、それではまた……………ふぅ、暑い所で暑い展開は見たくないものだな。」
「はい……何だかどっと疲れた気がします……」
「ふふっ、それじゃあ荷物を持って早く別荘に入ろうか。」
「……うん、そうしよう。」
預けてた武器と荷物を持ってリリアさん達の乗る馬車を見送った俺達は振り返って別荘に向かおうとした………その時、後ろの方に停まっていた馬車からライルさんが降りて来て小走りで近寄って来た。
「おや、どうしたんだいライル。」
「あ、その、私達が居る別荘はリリアさんの所から少し奥の方にあるとお伝えに……それとお父さんから九条さんに伝言を頼まれたんです。」
「伝言って……どんな内容だ?」
「えっと、困った事があったらいつでも頼ってほしいと。」
「そ、そうか………じゃあ、機会があったらお言葉に甘えさせて貰いますって伝えてくれるか?」
「わ、分かりました……あの、ロイドさん。もし良かったらで良いんですけど……」
「おや、ライルもお出掛けのお誘いかな?」
「え、え?どうしてそれを……」
「さっきリリアからも同じお誘いを受けたからね。荷物の整理が終わったらライルを誘って迎えに来るって。」
「そ、そうなんですか?じゃ、じゃあその、し、失礼します!」
慌てた様子でペコリと頭を下げたライルさんが戻って行った馬車は、リリアさん達と同じ方向に走り去ってしまった。
「……おじさん、ロイドさんって凄いですね。」
「……あぁ、この暑さの中で見せつけられると妬ましすぎるな。」
「流石ロイド、モテモテ。」
「ふふっ、それじゃあ彼女達が迎えに来る前に急いで荷物整理を終わらせるとしようじゃないか。」
爽やかに微笑みながら別荘に向かって歩き出したロイドの姿を見てから青く広がる空に目を向けた俺は、モテ期が訪れてくれる事を必死に願うしか出来なかった………
遠目からでは分からなかったが建物だけじゃなくて道や街灯も海に合わせた感じの造りや色遣いをしていて、この場所に似合わない物が全然存在していなかった!
他にも大通りを歩いている人の数がメチャクチャ多く……特に若いカップル連中が目立っている様な気がしたが俺の気のせいか?!……なんて思っていたら、マホからそういう人達ばっかり見ているからですよと冷静に言われてしまった……
ま、まぁそんなこんなありながら俺達を乗せていた馬車は街の西側方面に向かって10分程走って目的地である別荘に辿り着いたんだが……
「……おじさん、やっぱり貴族の方が所有している別荘って凄いですね。」
「……あぁ、俺達が住む家の何倍ぐらい広いんだろうな。」
恐らく2倍……3倍?いや、それ以上なのか?……なんて考えながらマホと一緒に別荘を見上げていると、皆が馬車から降り始めたので俺達もそれに続いて行った。
「うわっ、外に出るとやっぱり暑いな………」
「そうですね……でも、トリアルよりは涼しく感じますよ!」
「あぁ、恐らく海が近くにあるからだろうね。」
「……早く別荘の中に入りたい。」
「あらあら、ソフィさんは暑いのは苦手の様ですね。」
「うむ、それならば急いで別荘に入るとしようか。九条さん達は荷物を忘れない様にお気を付け下さい。」
「あ、はい……よしっ、そんじゃあ取りに行くとするか。」
「はい!」
別荘に向かって行くエリオさん達と別れて荷物を預けてる馬車に向かって行くと、列の一番前を走っていた馬車から何故かリリアさんとディオスさんが降りて来た。
「あれ、どうかしたんですか?」
「いやなに、俺達の別荘はこっから少し行った所にあるって教えに来たんだよ!」
「あ、そうなんですか?」
「おう!だからもし何か困った事があったら、何時でも相談に来てくれ!」
「あはは……そうなる可能性は低いとは思いますけど、分かりました。何かあったら寄らせて貰います……で、リリアさんはどうして?」
「私はロイド様と皆様にお別れのご挨拶をしに来たんですわ!」
リリアさんはそう言うとグッとロイドに急接近してその手を強く握りしめると熱い視線を向け始めた……
「ロイド様!荷物の整理が終わり次第すぐにライルさんとお迎えに上がりますので、その時は私達とお出掛けをして下さいますか!?」
「勿論、ここに居る皆が一緒で良ければね。」
「はい!かしこまりましたわ!それではまた後でお会いしましょうね!さぁお父様、急いで別荘へ向かいますわよ!」
「がっはっはっは!分かった分かった!それじゃあまたな!」
「あ、それではまた……………ふぅ、暑い所で暑い展開は見たくないものだな。」
「はい……何だかどっと疲れた気がします……」
「ふふっ、それじゃあ荷物を持って早く別荘に入ろうか。」
「……うん、そうしよう。」
預けてた武器と荷物を持ってリリアさん達の乗る馬車を見送った俺達は振り返って別荘に向かおうとした………その時、後ろの方に停まっていた馬車からライルさんが降りて来て小走りで近寄って来た。
「おや、どうしたんだいライル。」
「あ、その、私達が居る別荘はリリアさんの所から少し奥の方にあるとお伝えに……それとお父さんから九条さんに伝言を頼まれたんです。」
「伝言って……どんな内容だ?」
「えっと、困った事があったらいつでも頼ってほしいと。」
「そ、そうか………じゃあ、機会があったらお言葉に甘えさせて貰いますって伝えてくれるか?」
「わ、分かりました……あの、ロイドさん。もし良かったらで良いんですけど……」
「おや、ライルもお出掛けのお誘いかな?」
「え、え?どうしてそれを……」
「さっきリリアからも同じお誘いを受けたからね。荷物の整理が終わったらライルを誘って迎えに来るって。」
「そ、そうなんですか?じゃ、じゃあその、し、失礼します!」
慌てた様子でペコリと頭を下げたライルさんが戻って行った馬車は、リリアさん達と同じ方向に走り去ってしまった。
「……おじさん、ロイドさんって凄いですね。」
「……あぁ、この暑さの中で見せつけられると妬ましすぎるな。」
「流石ロイド、モテモテ。」
「ふふっ、それじゃあ彼女達が迎えに来る前に急いで荷物整理を終わらせるとしようじゃないか。」
爽やかに微笑みながら別荘に向かって歩き出したロイドの姿を見てから青く広がる空に目を向けた俺は、モテ期が訪れてくれる事を必死に願うしか出来なかった………
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