おっさんの異世界生活は無理がある。
第233話
「エリオさん、お願いですから今後はこういった無茶は控えて下さいね。貴方に何かあったりしたら、私は悲しくなって大泣きしちゃうんですから。」
「……すまない、心から反省しているよ。」
「おじさんも私達の事を思って行動してくれたのは嬉しいですけど、それで怪我とかされたらとっても辛い気持ちになるんですからね!」
「……すみませんでした。」
ムッとした表情を浮かべるマホに何度目になるのか分からない謝罪をしていると、すぐ近くで俺とエリオさんの方を見ながら微笑んでいるロイドと目が合った。
「ふふっ、九条さんがマホに謝っている姿を見るのはこれで何度目になるのかな。」
「……さぁな、俺も怒られすぎてよく分からん。」
「まったく、それを自覚してるんだったらもうちょっと行動に気を付けて下さい!」
「はい……申し訳ありませんでした」
「今ので謝った回数は4回になった。」
「……そんなの数えてるんじゃない。」
ソフィを横目に見ながら小声でそう注意をしていると、そのおかげなのかどうかは分からないがマホが呆れた感じのバカでかいため息を吐き出した。
「はぁ……カレンさん、お説教はこれぐらいにしておきましょうか。」
「うふふ、そうですね。私も言いたい事は全て言いましたから。」
「そうか……カレン、心配をかけて本当にすまなかったな。」
「いいえ、分かってくれたなら良いんですよ。」
………良いなぁ、俺もあんな感じで優しく怒られたかったなぁ!マホの説教は心に物凄くダメージを与えて来るから、もうキツイのなんのって……まぁ、自業自得な訳だからしょうがないんだけどさ。
そんな事を考えながら背もたれにドカッと寄りかかった瞬間、運転席側の窓が数回ノックされてゆっくりと開かれていった。
「皆様、もうそろそろクアウォートに到着なさいます。」
「うむ、報告ご苦労。」
エリオさんの返事を聞いて軽く頭を下げた御者さんが窓を静かに閉めると、マホが目をキラキラさせながら俺の事を見てきた。
「おじさん!色々言いたい事はありますがようやくクアウォートに到着しますね!」
「あぁ、一時はどうなる事かと思ったが無事に辿り着けるみたいで良かったな。」
「はい!」
嬉しそうに微笑みながら大きく頷いたマホを見て思わず笑みが零れていたその時、上り坂を馬車が次第に下って行く様な感覚が伝わってきて………
「あっ、皆さん!クアウォートが見えてきましたよ!うわぁ……綺麗ですねぇ……」
感嘆の声を漏らしているマホと同じ様に窓の外を眺めてみると……生まれて初めて見る様な光景が広がっていた……
「あれが………クアウォート?」
「はい、気に入って頂けましたか?」
「え、えっと……まだ何とも言えませんが………ちょっと感動しています。」
「うふふ、それは良かったです。ロイドちゃんはソフィちゃんはどうかしら?」
「私も九条さんと同じ気持ちだよ。本当にクアウォートと言う街は凄い所だね。」
「……うん、ビックリした。」
俺達がジッと見つめる先には白と青を基調とした建造物が並ぶ街が存在していて、その奥の方には綺麗な海が広がっていて大きな船が幾つも停まっていた。
「……当たり前だけど、トリアルとも王国ともミューズとも全然違う街なんだな。」
「雰囲気的で言えば恐らくミューズに近いと思うが、建造物は海に合わせて造られている様だね。」
「何と言うか、街全体がリゾート地って感じがしますよね!」
「うん、早く街を見て回りたい。」
「おぉ、ソフィが戦闘以外の事に積極的になっている……」
「はっはっは、皆さんがクアウォートを気に入っている様で何よりです。」
「えぇ、ですが観光をする為にまずは私達の所有している別荘に向かいますね。」
「あ、はい!お世話になります!」
「いえいえ、うふふふ。」
テンションが上がりまくっているマホと朗らかに笑うカレンさんのおかげで馬車の中にほんわかとした空気が漂うのを感じた俺は、軽く息を吐きながらクアウォートの街並みを見つめ続けるのだった。
「……すまない、心から反省しているよ。」
「おじさんも私達の事を思って行動してくれたのは嬉しいですけど、それで怪我とかされたらとっても辛い気持ちになるんですからね!」
「……すみませんでした。」
ムッとした表情を浮かべるマホに何度目になるのか分からない謝罪をしていると、すぐ近くで俺とエリオさんの方を見ながら微笑んでいるロイドと目が合った。
「ふふっ、九条さんがマホに謝っている姿を見るのはこれで何度目になるのかな。」
「……さぁな、俺も怒られすぎてよく分からん。」
「まったく、それを自覚してるんだったらもうちょっと行動に気を付けて下さい!」
「はい……申し訳ありませんでした」
「今ので謝った回数は4回になった。」
「……そんなの数えてるんじゃない。」
ソフィを横目に見ながら小声でそう注意をしていると、そのおかげなのかどうかは分からないがマホが呆れた感じのバカでかいため息を吐き出した。
「はぁ……カレンさん、お説教はこれぐらいにしておきましょうか。」
「うふふ、そうですね。私も言いたい事は全て言いましたから。」
「そうか……カレン、心配をかけて本当にすまなかったな。」
「いいえ、分かってくれたなら良いんですよ。」
………良いなぁ、俺もあんな感じで優しく怒られたかったなぁ!マホの説教は心に物凄くダメージを与えて来るから、もうキツイのなんのって……まぁ、自業自得な訳だからしょうがないんだけどさ。
そんな事を考えながら背もたれにドカッと寄りかかった瞬間、運転席側の窓が数回ノックされてゆっくりと開かれていった。
「皆様、もうそろそろクアウォートに到着なさいます。」
「うむ、報告ご苦労。」
エリオさんの返事を聞いて軽く頭を下げた御者さんが窓を静かに閉めると、マホが目をキラキラさせながら俺の事を見てきた。
「おじさん!色々言いたい事はありますがようやくクアウォートに到着しますね!」
「あぁ、一時はどうなる事かと思ったが無事に辿り着けるみたいで良かったな。」
「はい!」
嬉しそうに微笑みながら大きく頷いたマホを見て思わず笑みが零れていたその時、上り坂を馬車が次第に下って行く様な感覚が伝わってきて………
「あっ、皆さん!クアウォートが見えてきましたよ!うわぁ……綺麗ですねぇ……」
感嘆の声を漏らしているマホと同じ様に窓の外を眺めてみると……生まれて初めて見る様な光景が広がっていた……
「あれが………クアウォート?」
「はい、気に入って頂けましたか?」
「え、えっと……まだ何とも言えませんが………ちょっと感動しています。」
「うふふ、それは良かったです。ロイドちゃんはソフィちゃんはどうかしら?」
「私も九条さんと同じ気持ちだよ。本当にクアウォートと言う街は凄い所だね。」
「……うん、ビックリした。」
俺達がジッと見つめる先には白と青を基調とした建造物が並ぶ街が存在していて、その奥の方には綺麗な海が広がっていて大きな船が幾つも停まっていた。
「……当たり前だけど、トリアルとも王国ともミューズとも全然違う街なんだな。」
「雰囲気的で言えば恐らくミューズに近いと思うが、建造物は海に合わせて造られている様だね。」
「何と言うか、街全体がリゾート地って感じがしますよね!」
「うん、早く街を見て回りたい。」
「おぉ、ソフィが戦闘以外の事に積極的になっている……」
「はっはっは、皆さんがクアウォートを気に入っている様で何よりです。」
「えぇ、ですが観光をする為にまずは私達の所有している別荘に向かいますね。」
「あ、はい!お世話になります!」
「いえいえ、うふふふ。」
テンションが上がりまくっているマホと朗らかに笑うカレンさんのおかげで馬車の中にほんわかとした空気が漂うのを感じた俺は、軽く息を吐きながらクアウォートの街並みを見つめ続けるのだった。
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