おっさんの異世界生活は無理がある。
第208話
「ただいま~……お土産にケーキを買って来たぞぉ。」
「あ!す、すみませんご主人様!ちょっとだけそこで待っていてくれませんか!」
「……はぁ?」
靴を脱いで廊下に足を乗り上げた瞬間にマホの慌てた感じの大声とドタバタと動く様な音を耳にした俺は、疑問に思いながらも仕方なく言われた通りにするのだった。
「ご主人様!もう大丈夫なんでこっちに来て頂いても大丈夫ですよ!」
「……何だったんだ一体?」
首を傾げながらリビングに入って行くと、何事も無かった感じでソファーに座っていたマホが明らかに取り繕った感じの笑顔で俺の事を出迎えてくれた……その近くに居たロイドとソフィは……まぁ、いつもと変わらない感じでこっちを見つめていた。
「お、お帰りなさいご主人様!」
「あぁ、ただいま……って、それより何をしてたんだ?」
「えっと、それはですねぇ………」
「ふふっ、すまないが乙女の秘密という事にしておいてくれないかい?」
ニコッと微笑みながらこっちを見てきたロイドと目が合った直後、頭の中にさっき会った2人の姿とある考えが浮かび上がってきた。
「……もしかしてだけど、明日の買い物に関する事か?」
「ど、どうしてそう思ったんですか!?」
「いや、さっき帰り際にリリアさんとライルさんに会ったんだよ。その時に明日する買い物の内容を俺に秘密にしなきゃいけないって聞いてな。」
「……これは困った。秘密にしなきゃいけないって秘密がバレちゃった。」
「……うん、よく分からないけどつまりはそういう事なんだろ?」
「うぅ……それは……その……」
マホのモジモジとした態度と泳ぎまくる目を見て色々と察した俺は、軽くため息を吐き出しながら持っていた幾つかの袋をソファーの前のテーブルに置いた。
「まぁ、言いたくないなら別に良いんだけどさ。」
「ふふっ、そう言ってくれると助かるよ。」
「ありがとう。」
「すみません……でもでも!何で秘密にしてるのかは明日になったら絶対にお話しをしますからね!」
「……だったら、今すぐ話してくれても良いんじゃね?」
「それはダメです!絶対に!」
「あ、そうですか……」
ジッと俺を見つめながら力強い口調でそう宣言したマホと目が合った俺は、思わず苦笑いを浮かべながら空気を切り替える為に軽く手を叩いた。
「よしっ、それじゃあこの話はここまでにしてケーキでも食べるか?」
「えっ、ケーキを買って来てくれたんですかご主人様?!」
「……さっき帰って来た時にそう言ったよな?」
「ふふっ、どうやらマホの耳には届いて無かった様だね。」
「焦ってたからしょうがないね。」
「あ、あはは……そ、それより何のケーキを買ってきてくれたんですか?」
「この時期限定のケーキを幾つかな。やっぱ果物とかも夏物が出てるらしいぞ。」
「へぇ!それじゃあ早速ですけど、開けてみても良いですか?」
「あぁ、幾つかあるから食いたいのを選んでくれ。」
「はい!………うわぁ、どれも凄く美味しそうですね!」
「ふむ、これはどれが良いか悩んでしまうね。」
「……全部美味しそう。」
3人の反応を見ながらホッと胸を撫で下ろした俺は、日焼け止めの入った袋を手に持つとこっちを見てきたマホと目を合わせた。
「それじゃあ俺はこれを洗面所に置いてくるついでに手を洗ってくるから、飲み物の事は任せたぞ。」
「分かりました!って、ご主人様はケーキを選ばないんですか?」
「あぁ、俺は残ったので良いよ。そんじゃあ行ってくるな。」
「あ、はい!それじゃあ急いで準備をしちゃいますね!」
マホの嬉しそうな声を聞きながら洗面所に向かった俺は、日焼け止めを適当な所に並べるとシッカリと手を洗ってリビングに戻って行った。
「おっ、もうケーキを選び終わったのか?」
「ふふっ、皆が別々のケーキを選んだからすぐにね。」
「なるほどね、それなら良かったよ。」
「ご主人様、もう少し待っていてくださいね!すぐに紅茶の用意をしますから!」
「別にそんな慌てなくても良いぞ。」
「いえ!私が早く食べたいので急ぎますね!」
「………うん、それじゃあ頑張ってくれ。」
やる気に満ち溢れているマホの後姿を見ながらいつも座ってる椅子に腰を下ろした俺は、それからしばらくした後に皆と一緒にケーキを食べ始めるのだった。
「うーーん!このケーキとっても美味しいですよ!特にクリームがもう最高です!」
「こちらのケーキも美味しいね。フルーツとの相性が素晴らしいよ。」
「……美味しい。」
「あぁ、確かに季節限定の物って一味違うって感じがするな。」
「えへへ!ご主人様、ケーキを買って来てくれて本当にありがとうございます!」
「いや、気にするな。」
これも俺の自堕落な生活を護る為だと思えば安い投資さ!……なんて事を心の中で思いながらケーキを食べ終えた俺は、使った食器を洗う事を自ら申し出て更に点数を稼ぎまくるのだった!
……それにしても、どうして買い物に関する事を秘密にする必要があるんだ?明日にはその理由を教えて貰えるって事らしいが………もしかして、無理やり行かされた買い物にも関係する事なのか?……まぁ、明日になれば分かるから別に今は良いか。
悩む事が面倒になった俺は考える事を放り投げると、いつもの様に時間を過ごしてベッドの中で1日を終えるのだった……
「あ!す、すみませんご主人様!ちょっとだけそこで待っていてくれませんか!」
「……はぁ?」
靴を脱いで廊下に足を乗り上げた瞬間にマホの慌てた感じの大声とドタバタと動く様な音を耳にした俺は、疑問に思いながらも仕方なく言われた通りにするのだった。
「ご主人様!もう大丈夫なんでこっちに来て頂いても大丈夫ですよ!」
「……何だったんだ一体?」
首を傾げながらリビングに入って行くと、何事も無かった感じでソファーに座っていたマホが明らかに取り繕った感じの笑顔で俺の事を出迎えてくれた……その近くに居たロイドとソフィは……まぁ、いつもと変わらない感じでこっちを見つめていた。
「お、お帰りなさいご主人様!」
「あぁ、ただいま……って、それより何をしてたんだ?」
「えっと、それはですねぇ………」
「ふふっ、すまないが乙女の秘密という事にしておいてくれないかい?」
ニコッと微笑みながらこっちを見てきたロイドと目が合った直後、頭の中にさっき会った2人の姿とある考えが浮かび上がってきた。
「……もしかしてだけど、明日の買い物に関する事か?」
「ど、どうしてそう思ったんですか!?」
「いや、さっき帰り際にリリアさんとライルさんに会ったんだよ。その時に明日する買い物の内容を俺に秘密にしなきゃいけないって聞いてな。」
「……これは困った。秘密にしなきゃいけないって秘密がバレちゃった。」
「……うん、よく分からないけどつまりはそういう事なんだろ?」
「うぅ……それは……その……」
マホのモジモジとした態度と泳ぎまくる目を見て色々と察した俺は、軽くため息を吐き出しながら持っていた幾つかの袋をソファーの前のテーブルに置いた。
「まぁ、言いたくないなら別に良いんだけどさ。」
「ふふっ、そう言ってくれると助かるよ。」
「ありがとう。」
「すみません……でもでも!何で秘密にしてるのかは明日になったら絶対にお話しをしますからね!」
「……だったら、今すぐ話してくれても良いんじゃね?」
「それはダメです!絶対に!」
「あ、そうですか……」
ジッと俺を見つめながら力強い口調でそう宣言したマホと目が合った俺は、思わず苦笑いを浮かべながら空気を切り替える為に軽く手を叩いた。
「よしっ、それじゃあこの話はここまでにしてケーキでも食べるか?」
「えっ、ケーキを買って来てくれたんですかご主人様?!」
「……さっき帰って来た時にそう言ったよな?」
「ふふっ、どうやらマホの耳には届いて無かった様だね。」
「焦ってたからしょうがないね。」
「あ、あはは……そ、それより何のケーキを買ってきてくれたんですか?」
「この時期限定のケーキを幾つかな。やっぱ果物とかも夏物が出てるらしいぞ。」
「へぇ!それじゃあ早速ですけど、開けてみても良いですか?」
「あぁ、幾つかあるから食いたいのを選んでくれ。」
「はい!………うわぁ、どれも凄く美味しそうですね!」
「ふむ、これはどれが良いか悩んでしまうね。」
「……全部美味しそう。」
3人の反応を見ながらホッと胸を撫で下ろした俺は、日焼け止めの入った袋を手に持つとこっちを見てきたマホと目を合わせた。
「それじゃあ俺はこれを洗面所に置いてくるついでに手を洗ってくるから、飲み物の事は任せたぞ。」
「分かりました!って、ご主人様はケーキを選ばないんですか?」
「あぁ、俺は残ったので良いよ。そんじゃあ行ってくるな。」
「あ、はい!それじゃあ急いで準備をしちゃいますね!」
マホの嬉しそうな声を聞きながら洗面所に向かった俺は、日焼け止めを適当な所に並べるとシッカリと手を洗ってリビングに戻って行った。
「おっ、もうケーキを選び終わったのか?」
「ふふっ、皆が別々のケーキを選んだからすぐにね。」
「なるほどね、それなら良かったよ。」
「ご主人様、もう少し待っていてくださいね!すぐに紅茶の用意をしますから!」
「別にそんな慌てなくても良いぞ。」
「いえ!私が早く食べたいので急ぎますね!」
「………うん、それじゃあ頑張ってくれ。」
やる気に満ち溢れているマホの後姿を見ながらいつも座ってる椅子に腰を下ろした俺は、それからしばらくした後に皆と一緒にケーキを食べ始めるのだった。
「うーーん!このケーキとっても美味しいですよ!特にクリームがもう最高です!」
「こちらのケーキも美味しいね。フルーツとの相性が素晴らしいよ。」
「……美味しい。」
「あぁ、確かに季節限定の物って一味違うって感じがするな。」
「えへへ!ご主人様、ケーキを買って来てくれて本当にありがとうございます!」
「いや、気にするな。」
これも俺の自堕落な生活を護る為だと思えば安い投資さ!……なんて事を心の中で思いながらケーキを食べ終えた俺は、使った食器を洗う事を自ら申し出て更に点数を稼ぎまくるのだった!
……それにしても、どうして買い物に関する事を秘密にする必要があるんだ?明日にはその理由を教えて貰えるって事らしいが………もしかして、無理やり行かされた買い物にも関係する事なのか?……まぁ、明日になれば分かるから別に今は良いか。
悩む事が面倒になった俺は考える事を放り投げると、いつもの様に時間を過ごしてベッドの中で1日を終えるのだった……
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