おっさんの異世界生活は無理がある。
第158話
何回か心が折れそうになりながら1人で本を運んだり戻したりしていると、あっと言う間に時間は過ぎて約束の時間の10分前になっていた。俺はその事を報告した後に課題の進捗状況がどうなっているのかお姫様に聞いてみたら……
「当然終わってるに決まってるでしょ。それより後10分で学園の課題を片付けるんだから急いで指示した本を持ってきなさいよ。」
そんな感じの事を冷めた視線を送られながら言われてしまったので、俺は小さな声で返事をして再び本を探す作業に取り掛かるのだった……しばらくして、9時45分を迎えるのと同時にステラさんが自習室に戻ってきた。
そんで当たり前の様に俺を無視して2人に歩み寄って行き挨拶をすると、お姫様が終わらせた課題を受け取ってその中身に目を通し始めた。
「……ミアお嬢様、どうやら今回の課題も完璧に終わらせている様ですね。お見事でございます。」
「ふふっ、お褒め頂きありがとうございますね。こんなにやりがいのある課題を用意してくれたステラ先生には感謝しかありません。」
「いえ、私は私のやるべき事を行っているだけですから。それより残り時間は少ないですが、課題に対する私の解説は必要でしょうか?」
「はい、是非ともお願い致します。」
「かしこまりました。それではそちらへお座りください。」
それからマジで俺には理解出来ないレベルの解説が始まり、全然理解出来ないまま解説の時間は終わりを告げた。そして次の予定の為にステラ先生と一緒に自習室を後にした俺達は、すぐ近くにある部屋に移動して礼儀作法を学ぶ予定を始めたのだが…
「九条さん、よろしかったら私と一緒に礼儀作法をお勉強しませんか?」
そんな提案をお姫様がしてきたせいで、何故か俺まで礼儀作法を学ぶことになってしまった訳で……それから先はマジで地獄だったね!姿勢が汚いだのお辞儀がなってないだのをこの歳になってから怒られるなんて考えてなかったからな!
しかもそれを言ってくるのが俺より年下に見える美人な先生だったんだぞ!?もう色々辛くて軽く泣きそうになったわ!……そんな思いをしながら時間は過ぎていき、礼儀作法の時間は終わりを迎えた。
俺達は先生に別れを告げて部屋を出ると、次の予定であるピアノの練習を行う部屋に向かって行ったのだが……この時、俺の頭の中には嫌な予感が浮かんでいた訳で…
「九条さん、よろしかったらピアノを一緒に習ってみませんか?」
そんなお姫様の悪魔の様な提案を俺が断れる訳も無く、これまたさっきと同じ様に俺はピアノを習う事になるのだった………まぁさっきも今回も、薬の効果のおかげで素人に毛が生えたレベルには上達したからそれはそれで良かったと思うけどな。
…そんな事を考えながらピアノを習う地獄の時間も終わり、休憩を挟んだ後に俺達は午前中の最後の予定である民との接見を行う為に玉座の間にやって来ていた。
部屋の中では国王陛下が難しい表情で紙の束を見ながら執事さんと小声で話し合いをしていて、その隣に座っていた王妃様はティーカップを持ちながら空いている方の手を俺達に向かって小さく振って微笑んでいた…………あの優しさの10分の1でもお姫様に受け継がれていたら良かったのにさぁ!
「それではセバス・チャン、九条さん。私はここで失礼しますね。」
「かしこまりました。」
「か、かしこまりました。」
隣のセバスさんに合わせてお辞儀をすると、お姫様は部屋の奥に歩いて行き自分の椅子に静かに腰を下ろすのだった。そんな姿を見送った後、俺はセバスさんと一緒に壁際に移動して予定が始まるのを待っていた。
「当然終わってるに決まってるでしょ。それより後10分で学園の課題を片付けるんだから急いで指示した本を持ってきなさいよ。」
そんな感じの事を冷めた視線を送られながら言われてしまったので、俺は小さな声で返事をして再び本を探す作業に取り掛かるのだった……しばらくして、9時45分を迎えるのと同時にステラさんが自習室に戻ってきた。
そんで当たり前の様に俺を無視して2人に歩み寄って行き挨拶をすると、お姫様が終わらせた課題を受け取ってその中身に目を通し始めた。
「……ミアお嬢様、どうやら今回の課題も完璧に終わらせている様ですね。お見事でございます。」
「ふふっ、お褒め頂きありがとうございますね。こんなにやりがいのある課題を用意してくれたステラ先生には感謝しかありません。」
「いえ、私は私のやるべき事を行っているだけですから。それより残り時間は少ないですが、課題に対する私の解説は必要でしょうか?」
「はい、是非ともお願い致します。」
「かしこまりました。それではそちらへお座りください。」
それからマジで俺には理解出来ないレベルの解説が始まり、全然理解出来ないまま解説の時間は終わりを告げた。そして次の予定の為にステラ先生と一緒に自習室を後にした俺達は、すぐ近くにある部屋に移動して礼儀作法を学ぶ予定を始めたのだが…
「九条さん、よろしかったら私と一緒に礼儀作法をお勉強しませんか?」
そんな提案をお姫様がしてきたせいで、何故か俺まで礼儀作法を学ぶことになってしまった訳で……それから先はマジで地獄だったね!姿勢が汚いだのお辞儀がなってないだのをこの歳になってから怒られるなんて考えてなかったからな!
しかもそれを言ってくるのが俺より年下に見える美人な先生だったんだぞ!?もう色々辛くて軽く泣きそうになったわ!……そんな思いをしながら時間は過ぎていき、礼儀作法の時間は終わりを迎えた。
俺達は先生に別れを告げて部屋を出ると、次の予定であるピアノの練習を行う部屋に向かって行ったのだが……この時、俺の頭の中には嫌な予感が浮かんでいた訳で…
「九条さん、よろしかったらピアノを一緒に習ってみませんか?」
そんなお姫様の悪魔の様な提案を俺が断れる訳も無く、これまたさっきと同じ様に俺はピアノを習う事になるのだった………まぁさっきも今回も、薬の効果のおかげで素人に毛が生えたレベルには上達したからそれはそれで良かったと思うけどな。
…そんな事を考えながらピアノを習う地獄の時間も終わり、休憩を挟んだ後に俺達は午前中の最後の予定である民との接見を行う為に玉座の間にやって来ていた。
部屋の中では国王陛下が難しい表情で紙の束を見ながら執事さんと小声で話し合いをしていて、その隣に座っていた王妃様はティーカップを持ちながら空いている方の手を俺達に向かって小さく振って微笑んでいた…………あの優しさの10分の1でもお姫様に受け継がれていたら良かったのにさぁ!
「それではセバス・チャン、九条さん。私はここで失礼しますね。」
「かしこまりました。」
「か、かしこまりました。」
隣のセバスさんに合わせてお辞儀をすると、お姫様は部屋の奥に歩いて行き自分の椅子に静かに腰を下ろすのだった。そんな姿を見送った後、俺はセバスさんと一緒に壁際に移動して予定が始まるのを待っていた。
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