おっさんの異世界生活は無理がある。
第128話
テンションが上がって無駄にカッコつけた翌日の早朝、俺達はダンジョンに向かう為に街の正面に集まっていたのだが・・・
「なぁ、やっぱりダンジョンに挑むのは午後からと言う事には・・・」
「残念だがならないだろうね。ダンジョンがどれだけ広いのか未知数だから、今日中にボスを倒すんだったらこの時間帯から挑まないといけないだろ?」
「・・・ですよね。」
「それに、2人のやる気に水を差す訳には行かないだろ?」
ロイドは微笑みながら、少し先の方で話し合いをしているソフィとエルアに目線を送った・・・いや、マジで物凄いやる気満々なんですけど。
「ボスとの戦闘が始まったら最初に私達が様子見をする。分かった?」
「は、はい!」
「エルアがボスの動きを把握したら、私達はサポートに回るから頑張ってね。」
「分かりました!ボスを倒せるように頑張ります!」
「・・・うん。」
うわぁ、ボスを倒したいっていう欲求が滲み出てるのが見えるぞ!まぁ、ほぼほぼ無表情だから気づいているのは俺とロイドぐらいだけどな。
「・・・ここで突っ立ってても体が冷えるだけだから、そろそろダンジョンに行くとするか。」
「そ、そうですね!」
「ふふっ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよエルア。私達がついてるからね。」
「ちゃんと護ってあげるから安心して。」
「い、いえ!僕もしっかり戦います!」
「おやおや、それなら頼りにさせてもらおうかな。」
「でも無理は禁物。危ないと思ったらすぐに下がってね。」
「はい!自分の実力を過信せず、頑張ります!」
「おぅ、そうしてくれ。」
(皆さん!怪我には気をつけて下さいね!)
(あぁ、分かってるよ。)
(勿論、気を付けて行くとするさ。)
(ワクワクしてきた。)
静かに心を躍らせてマホの心配を聞いてなかったソフィは置いといて、俺達は街を出発するとダンジョンに向かって行った。その道中で何度かモンスターと戦闘をしたが、まぁ所詮は雑魚なので無事にダンジョンの入口前に辿り着く事が出来た。
「・・・にしても、やっぱでけぇよなぁ。」
「そうだね。ボスの部屋に行くまでかなり時間がかかりそうだ。」
「あの、少しお聞きしたいんですが・・・ボスの部屋と言うのはどの辺りにあるんでしょうか?」
「ん?そうだな・・・これまで行った所だと、ダンジョンの一番奥にあるのがボスの部屋だったな。」
「それじゃあ、とにかく奥を目指せば良いんでしょうか?」
「まぁそうだろうな。でも宝箱の中身もなるべく回収していきたいから、どうやって攻略していくかな・・・」
「それならジグザグに進みながらボスの部屋を目指してみるかい?それなら、あまり時間をかける事無く奥の方に辿り着けると思うけど。」
「・・・私はその意見に賛成する。」
「そうですね。ちょっと大変そうですけど、時間はありますし僕もロイドさんの意見に賛成です。」
「・・・うっし、そんじゃあそれで行ってみるとすっか。」
俺は一足先に氷の屋敷に向かって行くと、扉を手に持ってゆっくり開いていった。
そして扉を全開にした瞬間、天井に吊るされてる小さなシャンデリアっぽい物が次々と明るくなり始めた。
「ふふっ、明かりの心配をしなくても良いとは中々に良心的なダンジョンだね。」
「良心的ってなら、もうちょっと暖かそうなダンジョンにしてもらいたかったがな。まぁ、炎魔法を使っても全然溶けないって所が良心的っちゃ良心的か?」
「確か安全性を確かめる為、ダンジョンの内部を燃やそうとしたんでしたっけ?」
「あぁ・・・今聞いても、かなりぶっ飛んだ確認方法だよな。」
「でもそのおかげで、気兼ねなく炎の魔法を使えるんだから助かるよ。」
「だな・・・よしっ、お喋りはここまでにしてダンジョンに入るとするか。」
「私が先頭を歩く。皆はその後からついて来て。」
瞳をキラキラさせながらダンジョンに入って行ったソフィに苦笑いを浮かべつつ、その後に続いて俺達もダンジョンの内部に足を踏み入れた。
ダンジョン内の廊下はかなり横幅が広く、俺達が横に並んでも問題ない程だった。てか、よく見たら壁と天井だけじゃなくて床も氷みたいなしてんだな。滑りはしないが、冷気みたいな物を感じるし凄く反射してるし・・・って、畜生!どうして俺の周囲にはスカートを履いてる女の子が居ないんだ!もしスカートだったなら!!
(・・・ご主人様。)
(・・・ハッ!ち、違うぞ!俺は別にそんな事考えてないからな!)
(いや、語るに落ちすぎですよ・・・・ていうか、やっぱりそんなバカな事を考えていたんですね!)
(ぐっ、誘導尋問とは卑怯だぞ!)
(誘導なんてしてませんよ!話しかけたら勝手に自爆しただけじゃないですか!)
(・・・え?)
・・・1週間ほど家事全般を引き受ける事が決定しました。いや、だって鈍く反射する鏡みたいな床だったらそういう想像するよな!だって、ラノベってそんな展開の
宝庫じゃん!何で俺だけそういう体験が出来ないんだ畜生がぁ!
ラッキースケベと言う名の幸運を授けてくれない世界に怒りを覚えた俺は、襲ってくるモンスターに八つ当たりしながらダンジョンの奥に向かった・・・そして。
「あっ、見てください皆さん!奥の方に大きな扉がありますよ!」
「どうやら、やっとボスの部屋を見つけた様だね。」
「あぁ・・・えっと、時間的に大体2時間ぐらい探索してたみたいだな。」
「そうなんですか?結構かかりましたね・・・」
「それだけこのダンジョンが広かったという事だろうね。でも、休んでいる暇はまだないよ。モンスターとの戦いで体が温まっている内にボスに挑もうじゃないか。」
「は、はい!分かりました!・・・いよいよ、ですね。」
エルアは緊張した面持ちでボス部屋の扉をジッと見つめると、静かに目を閉じた。
そして大きく息を吐くと決意に満ちた表情を浮かべて俺達に視線を送ってきた。
「行きましょう、皆さん。そして、よろしくお願いします!」
「あぁ、任せろ。」
「大丈夫、必ず倒せるよ。」
「私達と自分を信じて。」
「・・・はい!」
気合の入ったエルアの返事を聞いた俺達は廊下の奥に進んで行くと、白くて綺麗な巨大な扉をグッと押して開いていった・・・さぁ、いよいよボス戦の始まりだな。
今回はどんなボスが現れるのか分からないが、キッチリとエルアのサポートをするとしますかね!
「なぁ、やっぱりダンジョンに挑むのは午後からと言う事には・・・」
「残念だがならないだろうね。ダンジョンがどれだけ広いのか未知数だから、今日中にボスを倒すんだったらこの時間帯から挑まないといけないだろ?」
「・・・ですよね。」
「それに、2人のやる気に水を差す訳には行かないだろ?」
ロイドは微笑みながら、少し先の方で話し合いをしているソフィとエルアに目線を送った・・・いや、マジで物凄いやる気満々なんですけど。
「ボスとの戦闘が始まったら最初に私達が様子見をする。分かった?」
「は、はい!」
「エルアがボスの動きを把握したら、私達はサポートに回るから頑張ってね。」
「分かりました!ボスを倒せるように頑張ります!」
「・・・うん。」
うわぁ、ボスを倒したいっていう欲求が滲み出てるのが見えるぞ!まぁ、ほぼほぼ無表情だから気づいているのは俺とロイドぐらいだけどな。
「・・・ここで突っ立ってても体が冷えるだけだから、そろそろダンジョンに行くとするか。」
「そ、そうですね!」
「ふふっ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよエルア。私達がついてるからね。」
「ちゃんと護ってあげるから安心して。」
「い、いえ!僕もしっかり戦います!」
「おやおや、それなら頼りにさせてもらおうかな。」
「でも無理は禁物。危ないと思ったらすぐに下がってね。」
「はい!自分の実力を過信せず、頑張ります!」
「おぅ、そうしてくれ。」
(皆さん!怪我には気をつけて下さいね!)
(あぁ、分かってるよ。)
(勿論、気を付けて行くとするさ。)
(ワクワクしてきた。)
静かに心を躍らせてマホの心配を聞いてなかったソフィは置いといて、俺達は街を出発するとダンジョンに向かって行った。その道中で何度かモンスターと戦闘をしたが、まぁ所詮は雑魚なので無事にダンジョンの入口前に辿り着く事が出来た。
「・・・にしても、やっぱでけぇよなぁ。」
「そうだね。ボスの部屋に行くまでかなり時間がかかりそうだ。」
「あの、少しお聞きしたいんですが・・・ボスの部屋と言うのはどの辺りにあるんでしょうか?」
「ん?そうだな・・・これまで行った所だと、ダンジョンの一番奥にあるのがボスの部屋だったな。」
「それじゃあ、とにかく奥を目指せば良いんでしょうか?」
「まぁそうだろうな。でも宝箱の中身もなるべく回収していきたいから、どうやって攻略していくかな・・・」
「それならジグザグに進みながらボスの部屋を目指してみるかい?それなら、あまり時間をかける事無く奥の方に辿り着けると思うけど。」
「・・・私はその意見に賛成する。」
「そうですね。ちょっと大変そうですけど、時間はありますし僕もロイドさんの意見に賛成です。」
「・・・うっし、そんじゃあそれで行ってみるとすっか。」
俺は一足先に氷の屋敷に向かって行くと、扉を手に持ってゆっくり開いていった。
そして扉を全開にした瞬間、天井に吊るされてる小さなシャンデリアっぽい物が次々と明るくなり始めた。
「ふふっ、明かりの心配をしなくても良いとは中々に良心的なダンジョンだね。」
「良心的ってなら、もうちょっと暖かそうなダンジョンにしてもらいたかったがな。まぁ、炎魔法を使っても全然溶けないって所が良心的っちゃ良心的か?」
「確か安全性を確かめる為、ダンジョンの内部を燃やそうとしたんでしたっけ?」
「あぁ・・・今聞いても、かなりぶっ飛んだ確認方法だよな。」
「でもそのおかげで、気兼ねなく炎の魔法を使えるんだから助かるよ。」
「だな・・・よしっ、お喋りはここまでにしてダンジョンに入るとするか。」
「私が先頭を歩く。皆はその後からついて来て。」
瞳をキラキラさせながらダンジョンに入って行ったソフィに苦笑いを浮かべつつ、その後に続いて俺達もダンジョンの内部に足を踏み入れた。
ダンジョン内の廊下はかなり横幅が広く、俺達が横に並んでも問題ない程だった。てか、よく見たら壁と天井だけじゃなくて床も氷みたいなしてんだな。滑りはしないが、冷気みたいな物を感じるし凄く反射してるし・・・って、畜生!どうして俺の周囲にはスカートを履いてる女の子が居ないんだ!もしスカートだったなら!!
(・・・ご主人様。)
(・・・ハッ!ち、違うぞ!俺は別にそんな事考えてないからな!)
(いや、語るに落ちすぎですよ・・・・ていうか、やっぱりそんなバカな事を考えていたんですね!)
(ぐっ、誘導尋問とは卑怯だぞ!)
(誘導なんてしてませんよ!話しかけたら勝手に自爆しただけじゃないですか!)
(・・・え?)
・・・1週間ほど家事全般を引き受ける事が決定しました。いや、だって鈍く反射する鏡みたいな床だったらそういう想像するよな!だって、ラノベってそんな展開の
宝庫じゃん!何で俺だけそういう体験が出来ないんだ畜生がぁ!
ラッキースケベと言う名の幸運を授けてくれない世界に怒りを覚えた俺は、襲ってくるモンスターに八つ当たりしながらダンジョンの奥に向かった・・・そして。
「あっ、見てください皆さん!奥の方に大きな扉がありますよ!」
「どうやら、やっとボスの部屋を見つけた様だね。」
「あぁ・・・えっと、時間的に大体2時間ぐらい探索してたみたいだな。」
「そうなんですか?結構かかりましたね・・・」
「それだけこのダンジョンが広かったという事だろうね。でも、休んでいる暇はまだないよ。モンスターとの戦いで体が温まっている内にボスに挑もうじゃないか。」
「は、はい!分かりました!・・・いよいよ、ですね。」
エルアは緊張した面持ちでボス部屋の扉をジッと見つめると、静かに目を閉じた。
そして大きく息を吐くと決意に満ちた表情を浮かべて俺達に視線を送ってきた。
「行きましょう、皆さん。そして、よろしくお願いします!」
「あぁ、任せろ。」
「大丈夫、必ず倒せるよ。」
「私達と自分を信じて。」
「・・・はい!」
気合の入ったエルアの返事を聞いた俺達は廊下の奥に進んで行くと、白くて綺麗な巨大な扉をグッと押して開いていった・・・さぁ、いよいよボス戦の始まりだな。
今回はどんなボスが現れるのか分からないが、キッチリとエルアのサポートをするとしますかね!
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