おっさんの異世界生活は無理がある。
第116話
「ま、まぁ同じギルドだし一緒に朝食を食べることくらいあるさ!それと、さっきの女の子は親戚の子でな!ちょっと事情があって預かってるんだよ!」
「あぁそういう事でしたか!」
エルアが納得してくれた感じで頷く姿を見て、俺はホッと心の中で安堵していた。
これで未成年の女の子と一緒に暮らしている危ないおっさんというレッテルを貼られなくて済みそうだ・・・
「そ、それじゃあリビングに居る皆に改めて報告するからついて来てくれるか?」
「わ、分かりました!」
エルアは背筋をビシッと伸ばして緊張しながら返事をすると、俺と一緒にリビングに戻って行った。
「あ、おかえりなさい!お話はまとまったみたいですね!」
「まぁな・・・よしっ、そんじゃあ全員注目してくれ。ちょっと報告があるから。」
俺はそう言うと後ろに居るエルアが見える様に移動して隣に立った。エルアは緊張でガチガチになった体を動かして一歩前に出ると、ごくっと喉を鳴らして背筋を伸ばした。
「あ、改めまして初めまして!こ、この度九条さんの弟子となりましたエルアです!よ、よろしくおねがいしましゅ!!」
羞恥心で悶えそうになる自己紹介を終えたエルアは、顔を真っ赤にしてそのまま深々とお辞儀をして固まってしまった・・・うわぁ、マホがきゅんきゅんしてる!
何か可愛らしい小動物を見つけて興奮してる子供みたいに見えるんですけど・・・
あ、エルアに駆け寄って手を握って満面の笑みを浮かべてらっしゃるわ。
「は、はい!よろしくお願いしますねエルアさん!」
「え?あ、あの、は、はい!よろしくお願いします!」
「ふふっ、それじゃあ私ともよろしくの握手をしてもらえるかな?」
満足そうに席に戻っていたマホのすぐ後にロイドがやって来て、エルアに手を差し伸べた。エルアは驚いた様な表情を浮かべて勢いよくお辞儀をした。
「は、はい!ロ、ロイドさんよろしくお願います!」
「あぁ、よろしくね。」
エルアは握手をしながら爽やかに微笑むロイドを間近で見てしまった為、言葉にもならない声であぅあぅ言いながら軽く泣きそうになっていた。
やっぱりロイドの微笑みってのは男女問わず破壊力抜群なんだな・・・俺もアレを至近距離でくらった同じ様な事になりそうだから気を付けよう。いい歳して女の子に泣かされるとか末代までの恥だからな!・・・俺の末代は生まれるのだろうか・・・
「じゃあ次は私。よろしくねエルア。」
「は、はい!よろしくお願いします!ソフィさん!」
何か自分で考えて勝手にダメージを受けていると、いつの間にかソフィとエルアが握手をする事になっていた。この時もエルアは緊張でガチガチになっていたとさ。
「・・・はい、そんじゃあちょっとテーブルの周りに集合してくれ。少し相談したい事があるから。」
「相談ですか?一体なにを相談するんですか?」
「まぁそれはすぐ説明する。あ、エルアはさっき俺が座ってた席に座ってくれ。」
「あ、はい!分かりました!」
エルアは礼儀正しく返事をすると俺の指示に従って席に座った。そして他の皆も、いつもの席に座って俺の方を見ながら不思議そうな顔をしていた。
「それで九条さん、相談とは何なんだい?」
「うん、それはだな・・・」
「それは?」
「・・・師匠って、な、何すれば良いんだ?」
「・・・はい?」
「いやだから、今回エルアの師匠になった訳なんだが・・・ぶっちゃけ、どうしたら良いのか全く分からないんだが・・・」
「何をしたらってそれは・・・・」
マホは考える様に首を傾げると、そのままゆっくりとエルアに視線を向けた・・・そしてロイドとソフィも同じ様にしてエルアの方を見た・・・まぁ、俺もだがな。
「え、え?あ、あの・・・その・・・」
全員に注目されて戸惑いながらキョロキョロしだしたエルアは、そのまま身を縮める様にうつ向いてしまった。そして口をもごもごさせながら俺の事をチラッと見てきた。
「え、えっと・・・僕、九条さんの様に強くなりたくて・・・だからその・・・戦い方とかを教えてほしくて・・・・」
「・・・との事ですが?」
「戦い方か・・・俺に教えられるか?」
「ふむ。エルア、そう言えば君はどんな武器を使っているんだ?いや、そもそも武器を持っているのか?見た所、身につけてはいないみたいだが。」
「あ、その、武器は宿屋に置いてきました・・・重くて持ち歩くのが大変で・・・」
「重い・・・ロングブレードとか?」
「い、いえ、僕が使っているのは少し大きめの盾と片手で扱えるブレードです。
王立学園に入学する記念にって父がくれたんです・・・」
「はぁーなるほ・・・え?王立学園?」
エルアの言葉を軽く流しそうになっていると、気になる単語が耳に入ってきた。
それは皆も同じだったらしく、三者三様のリアクションを取っていた。その中で一番リアクションが大きかったのが・・・
「エ、エルアさんって王立学園の生徒さんだったんですか!?」
「あ、すみません、言ってませんでしたね。僕、王立学園の4年生です。」
「ん?ちょっと待ってくれよ・・・それってさぁ、エルアって王都に住んでるって事だよな?」
「は、はい。そうです。僕の家は王都にあります。」
「え、じゃあ何か?俺の弟子になる為だけにわざわざ王都から来たって事か?」
「そ、そうです・・・冬休みを利用して会いに来ました。」
うわぁマジで勿体ねぇ!冬休みって友達と楽しく過ごすためにあるんじゃねぇの?いや俺は経験した事が無いから想像でしかないけどさ!
「あ、あのお友達と遊ぶ約束とかはしてなかったんですか?」
「一応誘われたりしたんですけど、どうしても九条さんの弟子になりたかったので断らせてもらいました。」
「そ、そうなんですか・・・はぁ・・・」
うん、マホが驚く気持ちもよく分かる・・・だって俺も驚いてるからな・・・
いや冬休み潰してまで俺の弟子になりに来るって・・・どういうこっちゃ・・・
「ふむ、それじゃあエルアが九条さんの弟子でいるのは冬休みの間だけって事で良いのかい?」
「・・・あっ、確かにそうなりますね。冬休みを利用してって事ですから、いずれは王都に帰らないといけませんもんね。」
「あっ、はい。残念ながらそういう事になります・・・」
しょんぼりとするエルアを見ながら俺は内心で大きく安堵のため息を吐いていた。
なるほどなるほど、期間限定の弟子って事ね!なら最初からそう言ってくれよぉ!
もうずーっと弟子で居るのかと思っちゃったじゃないか!ふぅー、期間限定ならもうバッチ来いって感じ!
「うんうん!残念だがしょうがないな!だってエルアは学生だもんな!それで?
冬休みの期間はどれくらいなんだ?」
露骨に元気を取り戻した俺を見ながらマホが呆れながら肩をすくめていたが、正直言って肩の荷が下りた気分だ!だからマホの態度も気にならなーい!
「えっと、大体3週間ぐらいです。」
「それじゃあエルアがこの街に滞在できる期間は2週間とちょっとぐらいという事になるね。」
「は、はい。」
「そうかそうか!それじゃあそれまでの間に、バッチリ鍛えてやるぞ!それで・・・何の話してたんだっけ?」
「武器の話ですよ、おじさん。」
「あぁ、そうかそうか。えーっと、確か盾と片手で扱えるブレードを持ってるって話だったよな?」
「そ、そうです。僕が今持っている武器がそれになります。」
「うん、なるほど・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、あの九条さん?どうかしましたか?」
「・・・エルア。」
「は、はい!なんでしょうか!」
「・・・非常に申し訳ないんだが、俺、その武器の使い方を知らない。」
「え・・・そ、そうなんですか?」
「あぁ・・・ロイド、お前使い方知ってる?」
「勿論。私の師匠であるカームに叩きこまれたからね。」
「そうか・・・じゃあ申し訳ないんだが、エルアに武器の使い方を教えてやってくれるか?」
「構わないよ。エルアもそれで良いかい?」
「あ、は、はい!よろしくお願いします!」
・・・何だろう、師匠として物凄い敗北感を味わっている訳なんだが・・・いや、まだだ!まだ師匠として教えられることがあるはずだ!
「そ、それでエルア、他に何か教わりたい事はあるか?」
「あ、その・・・出来れば魔法の使い方を教えてもらえると・・・」
「・・・魔法か・・・」
「は、はい・・・・」
俺の反応を見たエルアは、気まずそうに顔を逸らしながら小さな声で返事をした。
ま、魔法ね・・・あぁ、そう・・・うん・・・
「ソフィ、悪いんだが・・・エルアに魔法の扱い方を、教えてやってくれるか?」
「分かった。任せて。」
「・・・そういう訳だ。」
「は、はい。えっと、ソフィさん、よろしくお願いします。」
「うん。よろしく。」
・・・・だって魔法の扱いに関して、ソフィの右に出る奴はいないと思うんだよ。レベルが上がって更に魔法の扱いが上手になったソフィに、俺が敵う訳ないし・・・
「・・・あ、あのその!それじゃあこの街の事を教えてもらえませんか?僕、この街に来たの初めて・・・で・・・」
街についてか・・・俺、基本的にこの街では同じ場所にしかいかないんだよな。
って事は、やっぱりここは適任者に任せるしかないよなぁ・・・
「・・・マホ・・・頼まれてくれるか。」
「は、はい・・・分かりました・・・」
「えっとその・・・よろしくお願いします。マホさん・・・」
「はい・・・よろしくです、エルアさん・・・」
・・・ふふっ、ふふふふふふっ・・・・・あぁ、やっぱり俺は自惚れてたんだな。全く、俺と言う人間が・・・何を調子に乗っていたんだか・・・
「なぁエルア・・・」
「な、なんですか?」
「お前は・・・良い弟子だったよ・・・!」
「え、ちょ、ちょっと待ってください!まだあります!まだ教えて欲しい事がありますから!」
その後、エルアが俺に教わりたい事として絞り出した事は・・・料理だったとさ。
何でも、ご両親に手作りの料理を味わわせてあげたいんだって・・・本当にごめん。
いや、マジでちょっと俺も師匠と名乗るからにはガチで何とかしないと情けなさすぎるんですけど!?・・・こうして、俺は師匠となる難しさを味わうのだった。
「あぁそういう事でしたか!」
エルアが納得してくれた感じで頷く姿を見て、俺はホッと心の中で安堵していた。
これで未成年の女の子と一緒に暮らしている危ないおっさんというレッテルを貼られなくて済みそうだ・・・
「そ、それじゃあリビングに居る皆に改めて報告するからついて来てくれるか?」
「わ、分かりました!」
エルアは背筋をビシッと伸ばして緊張しながら返事をすると、俺と一緒にリビングに戻って行った。
「あ、おかえりなさい!お話はまとまったみたいですね!」
「まぁな・・・よしっ、そんじゃあ全員注目してくれ。ちょっと報告があるから。」
俺はそう言うと後ろに居るエルアが見える様に移動して隣に立った。エルアは緊張でガチガチになった体を動かして一歩前に出ると、ごくっと喉を鳴らして背筋を伸ばした。
「あ、改めまして初めまして!こ、この度九条さんの弟子となりましたエルアです!よ、よろしくおねがいしましゅ!!」
羞恥心で悶えそうになる自己紹介を終えたエルアは、顔を真っ赤にしてそのまま深々とお辞儀をして固まってしまった・・・うわぁ、マホがきゅんきゅんしてる!
何か可愛らしい小動物を見つけて興奮してる子供みたいに見えるんですけど・・・
あ、エルアに駆け寄って手を握って満面の笑みを浮かべてらっしゃるわ。
「は、はい!よろしくお願いしますねエルアさん!」
「え?あ、あの、は、はい!よろしくお願いします!」
「ふふっ、それじゃあ私ともよろしくの握手をしてもらえるかな?」
満足そうに席に戻っていたマホのすぐ後にロイドがやって来て、エルアに手を差し伸べた。エルアは驚いた様な表情を浮かべて勢いよくお辞儀をした。
「は、はい!ロ、ロイドさんよろしくお願います!」
「あぁ、よろしくね。」
エルアは握手をしながら爽やかに微笑むロイドを間近で見てしまった為、言葉にもならない声であぅあぅ言いながら軽く泣きそうになっていた。
やっぱりロイドの微笑みってのは男女問わず破壊力抜群なんだな・・・俺もアレを至近距離でくらった同じ様な事になりそうだから気を付けよう。いい歳して女の子に泣かされるとか末代までの恥だからな!・・・俺の末代は生まれるのだろうか・・・
「じゃあ次は私。よろしくねエルア。」
「は、はい!よろしくお願いします!ソフィさん!」
何か自分で考えて勝手にダメージを受けていると、いつの間にかソフィとエルアが握手をする事になっていた。この時もエルアは緊張でガチガチになっていたとさ。
「・・・はい、そんじゃあちょっとテーブルの周りに集合してくれ。少し相談したい事があるから。」
「相談ですか?一体なにを相談するんですか?」
「まぁそれはすぐ説明する。あ、エルアはさっき俺が座ってた席に座ってくれ。」
「あ、はい!分かりました!」
エルアは礼儀正しく返事をすると俺の指示に従って席に座った。そして他の皆も、いつもの席に座って俺の方を見ながら不思議そうな顔をしていた。
「それで九条さん、相談とは何なんだい?」
「うん、それはだな・・・」
「それは?」
「・・・師匠って、な、何すれば良いんだ?」
「・・・はい?」
「いやだから、今回エルアの師匠になった訳なんだが・・・ぶっちゃけ、どうしたら良いのか全く分からないんだが・・・」
「何をしたらってそれは・・・・」
マホは考える様に首を傾げると、そのままゆっくりとエルアに視線を向けた・・・そしてロイドとソフィも同じ様にしてエルアの方を見た・・・まぁ、俺もだがな。
「え、え?あ、あの・・・その・・・」
全員に注目されて戸惑いながらキョロキョロしだしたエルアは、そのまま身を縮める様にうつ向いてしまった。そして口をもごもごさせながら俺の事をチラッと見てきた。
「え、えっと・・・僕、九条さんの様に強くなりたくて・・・だからその・・・戦い方とかを教えてほしくて・・・・」
「・・・との事ですが?」
「戦い方か・・・俺に教えられるか?」
「ふむ。エルア、そう言えば君はどんな武器を使っているんだ?いや、そもそも武器を持っているのか?見た所、身につけてはいないみたいだが。」
「あ、その、武器は宿屋に置いてきました・・・重くて持ち歩くのが大変で・・・」
「重い・・・ロングブレードとか?」
「い、いえ、僕が使っているのは少し大きめの盾と片手で扱えるブレードです。
王立学園に入学する記念にって父がくれたんです・・・」
「はぁーなるほ・・・え?王立学園?」
エルアの言葉を軽く流しそうになっていると、気になる単語が耳に入ってきた。
それは皆も同じだったらしく、三者三様のリアクションを取っていた。その中で一番リアクションが大きかったのが・・・
「エ、エルアさんって王立学園の生徒さんだったんですか!?」
「あ、すみません、言ってませんでしたね。僕、王立学園の4年生です。」
「ん?ちょっと待ってくれよ・・・それってさぁ、エルアって王都に住んでるって事だよな?」
「は、はい。そうです。僕の家は王都にあります。」
「え、じゃあ何か?俺の弟子になる為だけにわざわざ王都から来たって事か?」
「そ、そうです・・・冬休みを利用して会いに来ました。」
うわぁマジで勿体ねぇ!冬休みって友達と楽しく過ごすためにあるんじゃねぇの?いや俺は経験した事が無いから想像でしかないけどさ!
「あ、あのお友達と遊ぶ約束とかはしてなかったんですか?」
「一応誘われたりしたんですけど、どうしても九条さんの弟子になりたかったので断らせてもらいました。」
「そ、そうなんですか・・・はぁ・・・」
うん、マホが驚く気持ちもよく分かる・・・だって俺も驚いてるからな・・・
いや冬休み潰してまで俺の弟子になりに来るって・・・どういうこっちゃ・・・
「ふむ、それじゃあエルアが九条さんの弟子でいるのは冬休みの間だけって事で良いのかい?」
「・・・あっ、確かにそうなりますね。冬休みを利用してって事ですから、いずれは王都に帰らないといけませんもんね。」
「あっ、はい。残念ながらそういう事になります・・・」
しょんぼりとするエルアを見ながら俺は内心で大きく安堵のため息を吐いていた。
なるほどなるほど、期間限定の弟子って事ね!なら最初からそう言ってくれよぉ!
もうずーっと弟子で居るのかと思っちゃったじゃないか!ふぅー、期間限定ならもうバッチ来いって感じ!
「うんうん!残念だがしょうがないな!だってエルアは学生だもんな!それで?
冬休みの期間はどれくらいなんだ?」
露骨に元気を取り戻した俺を見ながらマホが呆れながら肩をすくめていたが、正直言って肩の荷が下りた気分だ!だからマホの態度も気にならなーい!
「えっと、大体3週間ぐらいです。」
「それじゃあエルアがこの街に滞在できる期間は2週間とちょっとぐらいという事になるね。」
「は、はい。」
「そうかそうか!それじゃあそれまでの間に、バッチリ鍛えてやるぞ!それで・・・何の話してたんだっけ?」
「武器の話ですよ、おじさん。」
「あぁ、そうかそうか。えーっと、確か盾と片手で扱えるブレードを持ってるって話だったよな?」
「そ、そうです。僕が今持っている武器がそれになります。」
「うん、なるほど・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、あの九条さん?どうかしましたか?」
「・・・エルア。」
「は、はい!なんでしょうか!」
「・・・非常に申し訳ないんだが、俺、その武器の使い方を知らない。」
「え・・・そ、そうなんですか?」
「あぁ・・・ロイド、お前使い方知ってる?」
「勿論。私の師匠であるカームに叩きこまれたからね。」
「そうか・・・じゃあ申し訳ないんだが、エルアに武器の使い方を教えてやってくれるか?」
「構わないよ。エルアもそれで良いかい?」
「あ、は、はい!よろしくお願いします!」
・・・何だろう、師匠として物凄い敗北感を味わっている訳なんだが・・・いや、まだだ!まだ師匠として教えられることがあるはずだ!
「そ、それでエルア、他に何か教わりたい事はあるか?」
「あ、その・・・出来れば魔法の使い方を教えてもらえると・・・」
「・・・魔法か・・・」
「は、はい・・・・」
俺の反応を見たエルアは、気まずそうに顔を逸らしながら小さな声で返事をした。
ま、魔法ね・・・あぁ、そう・・・うん・・・
「ソフィ、悪いんだが・・・エルアに魔法の扱い方を、教えてやってくれるか?」
「分かった。任せて。」
「・・・そういう訳だ。」
「は、はい。えっと、ソフィさん、よろしくお願いします。」
「うん。よろしく。」
・・・・だって魔法の扱いに関して、ソフィの右に出る奴はいないと思うんだよ。レベルが上がって更に魔法の扱いが上手になったソフィに、俺が敵う訳ないし・・・
「・・・あ、あのその!それじゃあこの街の事を教えてもらえませんか?僕、この街に来たの初めて・・・で・・・」
街についてか・・・俺、基本的にこの街では同じ場所にしかいかないんだよな。
って事は、やっぱりここは適任者に任せるしかないよなぁ・・・
「・・・マホ・・・頼まれてくれるか。」
「は、はい・・・分かりました・・・」
「えっとその・・・よろしくお願いします。マホさん・・・」
「はい・・・よろしくです、エルアさん・・・」
・・・ふふっ、ふふふふふふっ・・・・・あぁ、やっぱり俺は自惚れてたんだな。全く、俺と言う人間が・・・何を調子に乗っていたんだか・・・
「なぁエルア・・・」
「な、なんですか?」
「お前は・・・良い弟子だったよ・・・!」
「え、ちょ、ちょっと待ってください!まだあります!まだ教えて欲しい事がありますから!」
その後、エルアが俺に教わりたい事として絞り出した事は・・・料理だったとさ。
何でも、ご両親に手作りの料理を味わわせてあげたいんだって・・・本当にごめん。
いや、マジでちょっと俺も師匠と名乗るからにはガチで何とかしないと情けなさすぎるんですけど!?・・・こうして、俺は師匠となる難しさを味わうのだった。
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