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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第100話

『何という事でしょうか!最初の試練が始まる前に脱落者が出てしまいました!
あれほど奥に行きすぎない様にと注意致しましたのに!まぁ、残念ですが仕方ありません!気を取り直して最初のステージの準備を始めましょうか!』

実況の声が部屋中に響き渡ると、何も無かった空間に鉄製の足場が次々と出現してきた!そしてその足場は、ウィンウィンと音を立てながら上下に動き始めた!?

目の前の光景に唖然としていると、今度は上の方から機械音が聞こえてきて電球の様な物がどんどん出てきた!しばらくして機械音が聞こえなくなり電球が出てこなくなると、今度は電球の間をバチバチと音を立てながら電気が走り始めた!

『さぁ!それでは準備も整いましたのでルール説明と参りましょう!これから皆さんには、足場を飛び移りながら部屋の奥にある檻を目指してもらいます!檻の中には
端末が設置されていて、腕輪を接触させると次のステージに行くことが出来ます!
ですが次のステージに行けるのは最大15人までなので、早い者勝ちですよ!』

・・・なるほど、まぁルールは分かったよ。ただ問題なのは、足場が1人か2人分くらいの広さしかない事だろうな。それに足場と足場の間2,3メートルくらいあるから魔法を使って調整しないと次の足場に行けないみたいなんだよなぁ。

『それでは次に足場の事と、天井に流れる電流の事をご説明したいと思います!足場は上下に動いていますがそのタイミングはランダムです!それと10秒以上同じ足場に立ち止まっていると、足場は消えてしまうのでご注意を!もし落下しても下には
衝撃を吸収する物があるのでご安心下さい!ただ、運悪く怪我をしても自己責任ですのでご注意を!』

落下しても怪我をする可能性は低いって事は分かったけど、動きがランダムで
10秒以上立ち止まれないのは厳しいな・・・下手したら飛び移る先が無くてその
まま時間が過ぎる事もあるだろうしな。

『それと天井に流れる電流ですが、皆さん送られた手紙に書いてあった腕輪に関する注意事項は読みましたね!腕輪は水、電気、衝撃に弱いので濡れる、感電する、
ぶつかるという事をされたら機能が停止します!そうなったら即失格になります!
ですので、天井の電流にはくれぐれも注意して下さいね!もし天井に触れて腕輪の
機能が停止してしまったら、足場は消失して即落下しますので気をつけて下さい!』

・・・なるほど、注意事項を簡単にまとめると①足場に10秒以上いない
②天井には触れないって所か・・・それと、足場を飛び移る時も注意しないとな。
誰かとぶつかって落下するとかそんなアホな事したくねぇし。

『それとイベントがどんな手段を使っても勝ち残る事を考えてくださいね!あ、命に係わる様な事は絶対にダメですけどね!』

おいおい最後の最後に飛んでも無い事言いやがったぞ!?それって魔法でも何でも使って良いって事じゃねぇか!それって参加者同士で潰しあうのもアリって事だろ?
・・・うわぁ、さっきまでピリピリしてたのが途端に殺気立ってきたんですけど。

『さぁ、それではブザーが鳴ったらイベント開始です!頑張ってくださいね!』

いや、急にとんとん拍子に勧めるなよ!まだ心の準備が出来てないっての!
そう思っていたのは周囲も同じ様だったが、そんなん関係なしにイベント開始を
知らせるブザーの音が部屋の中に鳴り響いた。だが周囲の参加者は誰一人として、
足場に飛び移る奴はいなかった。まぁ、何でもありって聞いた後だと警戒する気持ちも分からなくはないがな。

「あら、誰も行かないならお先に行かせてもらうわね。それじゃっ!」

「いってぇ!」

突然、肩に衝撃と重みと痛みは走ったと思ったら仮面のメイドが宙に浮いている姿が目に入ってきた!アイツ、俺の事を踏み台にして飛びやがった!だが残念でした!飛んだ先の足場はメイドよりも高い場所にあるから後は落ちるだけって、えぇ?!

仮面のメイドが落下する事を期待していたのだが、アイツはメイド服の袖から
ワイヤーの様な物を伸ばして電球に巻きつけやがった!そしてそのままの勢いで一気に飛ぶと、檻の中に華麗に着地しやがった!ってか忍者かアイツは?!

「それではお先に失礼するわね。」

メイドは檻の中で俺達にお辞儀をすると、腕輪を端末に触れさせてそのまま上がっていった。それに発破をかけられたのか、周囲の参加者達が次々と足場に飛び移っていった!

ヤバっ俺も行かないとって・・・近くにある足のほとんどに人が乗ってんだけど!どうする、魔法を撃って妨害するか?いやでも、こんな最初の段階でそんな事したら他の参加者から確実に狙われる!そうなったら、残れる確率はかなり減るし・・・

「うわああああぁぁぁ・・・・」

うわっ、次の足場に焦って飛び乗ろうとした小太りのおっさんが落ちてった!
でもこれでやっと足場に乗れるな!

「よっと!・・・中々の地獄絵図だな。」

足場がそこそこ高い所に行ったので目の前の景色を見てみると、バランスを崩して落下していく者、互いに妨害しようとして相打ちになって落下していく者、天井に触れて感電しながら落下していく者・・・かなりえぐいなぁ、このイベント・・・

「って、のんびりしてる場合じゃねぇか。」

どうやら先に進んだ連中と少し離されたみたいだし、急いで追いかけないとな!
俺は周囲を確認して飛び移れそうな足場を確認すると、次々と飛び移っていった。
ただこれが思った様に進めない!前に行こうとしても、運悪く天井近い場所にあって飛び移れないとかあるからな!ただそれは他の連中も同じみたいで、段々と追い付いて来たぞ!

「よし!あと半分ぐらいだな!てか、これ意外としんどいな!」

次の足場に行く為に魔法を使って飛んで、その場で周囲を確認して次の足場を
10秒以内に探すとか思ってたよりも疲れるなこれ!でもこんだけ難しいおかげで、参加者はだいぶ減ったみたいだけどな!

『これは中々に熱い展開になってまいりました!現在、次のステージに行った参加者は3人!そして残っている参加者は5人!一体何人の参加者が次のステージに行けるのでしょうか!』

うわっ、いつの間にか減り過ぎだろ!どんだけ難易度高いんだよこのイベント!
あっ、また1人足場と共に落ちやがった!ふざけんなよ、飛び移れる足場どんどん
減ってるじゃねぇか!こうなったら、覚悟決めて行くしかない!

俺は魔力を調整しつつ、1つ先2つ先に足場を目掛けてどんどんと飛んで行った!
連続でやってるおかげで経験値が溜まって調整は楽になってきてるけど、神経は半端なくすり減っていく!だって下は真っ暗な奈落だもの!絶対に落ちたくない!
そう思っていたのにさぁ・・・!!

『あぁっと!数少ない足場を巡って互いを妨害しようと電撃を同時に放った!』

「「「うわああああああ!!!!」」」

『これはどうした事か!?3名の参加者はそれぞれ別の参加者を感電させて足場の上で動けなくなったようです!そしてそのまま10秒が経過!あえなく足場と共に落下していきました!』

アホかこの野郎!感電したらそのまま落下しろよ!何で足場と一緒に落ちてんだ!こっから一番近い檻まで足場3つ分くらいあるんだけど、それを狙ってる奴がもう
その檻に辿り着く!そうなったら迂回して別の檻に行くしかないんだが、周囲の足場が全部天井ギリギリにあってもう飛び移れない!

つまり俺に残ってる選択肢はこのままここで諦めて落下するか、覚悟決めて目の前にある檻に飛び込むしかないって事だ!そしてそれを後2,3秒の間に決めろとさ!
あぁ畜生!だったら答えは1つしか無いだろうが!

俺は覚悟を決めると、一歩後ろに下がって目の前の檻を睨みつける!大きく飛び
上がったら天井にぶつかって終わりだ!だったら、檻に突っ込む様に行くしかねぇ!

俺は勢いをつけて一歩前に踏み出すと、そのまま魔法を使って勢いよく飛んだ!
ひぃいいいい!!下は見るな下は見るな下は見るなああああああ!!あぁもう!
高所恐怖症なのになんでこんな事やってんだ俺は!!

「よしっ!ゴールうううぅぅぅぅ・・・・・」

ガシャン!!と大きな音を立て思いっきり檻を揺らす様にして突っ込んだ俺は、
満面の笑みで檻に飛び乗ろうとした青年が落下していく姿を見た・・・ごめんね!

『こ、これは凄い!足場からゴールまではかなりの距離があったのに、そこを大胆にも飛び越えてゴールしました!ですがその衝撃で腕輪は壊れていないでしょうか!』

あっ!やばいゴールする事に集中して腕輪を気にしてなかった!だ、大丈夫か!?
・・・恐る恐る端末に腕輪を触れさせると、檻の扉が閉まってカラカラと鎖が引き上げられ始めた!

『どうやら腕輪は機能停止していなかった様です!それではこれで、最初のステージが終了となります!次のステージに進むことが出来たのは4名となります!
さぁ皆さん!次のステージにもご注目下さい!』

俺はホッと胸をなでおろしながら、引き上げられていく檻の中で実況の声を聞いていた。次のステージか、最初がこんだけハードだと、次も色々とヤバそうだよなぁ。
でもまぁ、やれるだけの事はやるしかないか・・・それから檻は天井を通り過ぎて、またも真っ暗な空間に辿り着いた・・・・さて、ここでは何をさせられるんだ?

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