おっさんの異世界生活は無理がある。
第87話
さっきの子を探しながら路地の奥へと進んで行くと、チャラそうな男達によって
壁際に追いやられている髪が薄紫色の女の子を見つけた!
「あの、お願いですからどいてください・・・」
「えぇーそんな事言わないでさーちょーっと俺らと付き合ってくれるだけで良いんだって。」
「そうそう!悪いようにはしないからさ!」
怯えた表情の女の子を取り囲みながら笑う男達を見て、俺はため息が漏れ出ていた・・・全く、あんな事して何が楽しいんだか。優越感に出も浸ってるのかねぇ?
まぁ良い、早く助けてあげないと!・・・そう思って一歩を踏み出した瞬間、女の子が静かにうつ向いて・・・何か呟いてる?
「はぁ・・・今回も・・・・か」
何だ、何て言ったんだ?・・・ってそんな事気にしてる場合じゃないかったな。
そう思いなおした俺は大きく息吐いて気合を入れると、子供に話しかける感じで大声を出して近づいていく。
「あれぇ?こんな所に女の子を連れ込んで何をしているのかなぁ?」
「・・・あ?誰だお前?」
「おいおっさん、俺達今良い所なんだよ。見て分かんねぇの?」
うんうん、見立て通り煽り耐性は無いみたいだな。それじゃあ襲い掛かって来る
まで煽り続けるとするか・・・誰も見てないとは思うが、正当防衛って言い訳が出来る様にしておかないと後々面倒そうだしな。
そう考えて更に男達を煽ろうとした瞬間、女の子が目の前に居た男を突き飛ばしてこっちに走ってきた!そしてそのまま俺の後ろに回り込むと体をピタッとくっつけて俺の事を見上げてきた!?
「え、ちょ、ちょっと!」
「た、助けてください!あの人達、私を無理やりこんな所に!」
女の子が叫ぶ様にそう言うと、突き飛ばされた男が立ち上がってこっちを睨みつけてきた。
「いってぇ・・・あいつふざけやがって!」
「おいおっさん!痛い目に遭いたくなきゃそいつを渡せ!」
うわぁ、瞬く間に場が乱れ出したぞ!どうしてこうなったんだ!?てか、自分達が悪い癖にキレるとか意味分かんねぇんだけど!逆ギレじゃん!ってそんな事より!
「ちょっとごめんな!」
「え、きゃ!」
俺は持っていた荷物の持ち手に腕を通してバッと振り返りると、女の子を抱えて
全速力で走り始めた!だってこの子がこっちに居るならわざわざ危険な事をする必要は無いからなぁ!あーっはっはっは!ラッキー!
「おい待ちやがれ!」
「そう言われて待つ奴が居るか!」
「・・・・ふふふ・・・」
女の子を抱えて走り出した俺は、何とか男達を振り切って大通りの近くまでやって来る事が出来た・・・まぁ最初考えていた計画とは違ったが何とかなったな。
一息ついて安堵した俺は女の子を降ろす為に人気のない横道に入った。
「よし、ここまで来れば大丈夫だろう。それじゃあ降ろっ?!」
その場に女の子を降ろそうとした瞬間、突然俺の首に腕が回されて目の前に怪しく微笑む女の子が迫ってきた!!?
「ふふふ・・・ありがとうございます。おかげで助かっちゃいましたぁ・・・」
「へっ、あ、あぁうんそうか!うん!じゃあそろそろ降りてヒィ!」
頭の中が混乱してパニックしていると、女の子が腕をほどいて俺の頬をねっとりとした感じで撫で始めた!あ、あれぇ?おかしいぞ!さっきまで怯えていた女の子はいずこへ!
「ふふ、可愛いですね・・・」
「あ、いや、その」
「ねぇ、名前も知らないお方・・・どうして私を助けに来てくれたの?」
「ど、どうしって、悲鳴が聞こえたから気になって、そのまま流れで・・・」
「そうなんですか・・・ねぇ、これって運命だと思いませんか?」
「う、運命?」
な、何を言い出しているんだこの子は!凄い怖いんですけど!?
「えぇそう・・・不細工な男達に連れ去られた私を助けてくれた。これはまさに
運命じゃありませんか?」
「さ、さぁどうだろう?俺、運命とかそんなに信じてないからさ!」
「ふふっ、今はそうでもきっといつか信じる事になると思いますよ。私達が出会えたのは運命だって・・・ね?」
「は、ははは・・・・」
あれ、さっきピンチだった子を助けた俺が今まさにピンチじゃね?助けてさっきの男達!現在俺はお前達の登場を心待ちにしているぞ!
「ねぇ、名前も知らないお方・・・」
「は、はい?何ですか?」
「助けてくれたお礼に今から・・・」
女の子は俺の耳元にグッと近づいて来ると、甘く優しくねっとりとした声で囁く様に話しかけてきた・・・・
「い・い・こ・と・・・しませんか?」
・・・そう囁かれた瞬間、俺の頭の中が真っ白になっていた・・・そして、そんな俺を見て・・・女の子はにやりと笑うと・・・顔を・・ちかづ
(ご主人様!今どこに居るですか!!)
「はっ!」
「きゃ!」
あ、あぁ?今俺は何を!?ってか、この声マホ?
(ど、どうしたんだマホ!)
(どうしたじゃありませんよ!後少しで集合時間を迎えます!)
(え!マジで!?)
(マジです!大通りに時計が設置されていますので確認してください!)
「ちょ、ちょっとごめん!」
「え、あの」
俺は女の子を強制的に降ろして立たせると、横道から顔を出して大通りを見た。
確か、ここから時計が見れたはず!・・・よし、見えた!えっと・・・ゲッ!
もう集合時間まで10分くらいしかねぇ!!
(悪い!今向かうから!)
(早くして下さいよ!皆さんもう準備出来てるんですから!)
(分かった!じゃあまた後で!後ありがとう!助かった!)
(はい?・・・よく分かりませんが、遅刻しないでくださいね!)
(分かってるって!)
俺は荷物を抱えると、急いで横道から飛び出して大通りの方に目を向ける!
「えっと、とりあえず大通りに出て十字路を東か!」
「えっと・・・」
「悪いもう行くな!集合時間ギリギリだから!あ、こっからまっすぐ行けばすぐ大通りだから気を付けてそれじゃあ!」
「あっ」
俺は荷物を抱えると逃げようにその場から走り去った!・・・あっぶなかったぁ!てか、何だったんだあの子は?最初は怯える可愛い女の子かと思ったのに、さっきはマジで怖かったぁ・・・あのまま流されてたらどうなってたか・・・はぁ、やっぱり女の子って怖いなぁ。
今日まで鍛えてきた女の子への耐性がみるみる減っていくのを感じながら、俺は
急いで集合場所へと走っていく!そして時間ギリギリになって、何とか俺は馬車が列になって並んでいる東の門までやって来る事が出来た!それから馬車の前で俺を待つ皆を見つけると、急いで駆け寄っていった。
「はぁ・・はぁ・・・悪い、待たせた・・・」
「もうおじさん!ギリギリですよ!」
「はぁ・・まじすまん・・はぁ・・はぁ・・・ゲホッ!」
「九条さん大丈夫かい?」
「な、何とか・・・とりあえず、水飲ませてくれ・・・」
俺は人差し指を噛むように口の中に入れると、魔法を使って水をがぶ飲みした。
そして水を飲み終わると、大きく息を吐いて膝に手を置いた・・・
「はぁ、生き返った・・・」
「全くもう、おじさんったら・・・次からは余裕を持って行動してくださいね?
待っている私達も焦ったんですから。」
「いや、それについては悪いと思ってるし、俺も余裕を持って行動したかったんだけどさぁ・・・」
「・・・何かあったの?」
「ん?・・・まぁ、色々とな・・・ははっ・・・」
「・・・あの、マホさん。九条さんは大丈夫なんでしょうか?何だか乾いた笑いが
漏れ出していますけど・・・」
「まぁ大丈夫でしょう。基本的におじさんに潤いはありませんから。」
「あ、あはは・・・」
「皆さん、そろそろ出発しますから馬車に乗ってくださいね。」
「あ、はい!ほらおじさん、行きますよ。」
「了解・・・とりあえず、早く座って休みたい・・・」
俺は置いてあった荷物を持つと、体を引きずるようにして馬車に乗り込んだ・・・そして荷物を所定の位置に置いて座席に座って後ろに寄りかかると、もう一度大きく息を吐いた・・・マジで、朝から大変すぎるだろ・・・何なんだったんだ今日は?
・・・とりあえず、ミューズの街までのんびり休んどくか。折角のアトラクションが疲れて楽しめないとか損でしかないからな。
「それでは皆さん、発進しますから揺れに気をつけて下さいね。」
御者の人がそう言った直後、馬車はゆっくりと走り始めて王都の外に出た。
そこからしばらくの間、俺は皆の雑談を聞きながらボーっとしていた・・・まぁ
そのすぐ後、マホに軽く説教されて話に参加するんだけどな。
壁際に追いやられている髪が薄紫色の女の子を見つけた!
「あの、お願いですからどいてください・・・」
「えぇーそんな事言わないでさーちょーっと俺らと付き合ってくれるだけで良いんだって。」
「そうそう!悪いようにはしないからさ!」
怯えた表情の女の子を取り囲みながら笑う男達を見て、俺はため息が漏れ出ていた・・・全く、あんな事して何が楽しいんだか。優越感に出も浸ってるのかねぇ?
まぁ良い、早く助けてあげないと!・・・そう思って一歩を踏み出した瞬間、女の子が静かにうつ向いて・・・何か呟いてる?
「はぁ・・・今回も・・・・か」
何だ、何て言ったんだ?・・・ってそんな事気にしてる場合じゃないかったな。
そう思いなおした俺は大きく息吐いて気合を入れると、子供に話しかける感じで大声を出して近づいていく。
「あれぇ?こんな所に女の子を連れ込んで何をしているのかなぁ?」
「・・・あ?誰だお前?」
「おいおっさん、俺達今良い所なんだよ。見て分かんねぇの?」
うんうん、見立て通り煽り耐性は無いみたいだな。それじゃあ襲い掛かって来る
まで煽り続けるとするか・・・誰も見てないとは思うが、正当防衛って言い訳が出来る様にしておかないと後々面倒そうだしな。
そう考えて更に男達を煽ろうとした瞬間、女の子が目の前に居た男を突き飛ばしてこっちに走ってきた!そしてそのまま俺の後ろに回り込むと体をピタッとくっつけて俺の事を見上げてきた!?
「え、ちょ、ちょっと!」
「た、助けてください!あの人達、私を無理やりこんな所に!」
女の子が叫ぶ様にそう言うと、突き飛ばされた男が立ち上がってこっちを睨みつけてきた。
「いってぇ・・・あいつふざけやがって!」
「おいおっさん!痛い目に遭いたくなきゃそいつを渡せ!」
うわぁ、瞬く間に場が乱れ出したぞ!どうしてこうなったんだ!?てか、自分達が悪い癖にキレるとか意味分かんねぇんだけど!逆ギレじゃん!ってそんな事より!
「ちょっとごめんな!」
「え、きゃ!」
俺は持っていた荷物の持ち手に腕を通してバッと振り返りると、女の子を抱えて
全速力で走り始めた!だってこの子がこっちに居るならわざわざ危険な事をする必要は無いからなぁ!あーっはっはっは!ラッキー!
「おい待ちやがれ!」
「そう言われて待つ奴が居るか!」
「・・・・ふふふ・・・」
女の子を抱えて走り出した俺は、何とか男達を振り切って大通りの近くまでやって来る事が出来た・・・まぁ最初考えていた計画とは違ったが何とかなったな。
一息ついて安堵した俺は女の子を降ろす為に人気のない横道に入った。
「よし、ここまで来れば大丈夫だろう。それじゃあ降ろっ?!」
その場に女の子を降ろそうとした瞬間、突然俺の首に腕が回されて目の前に怪しく微笑む女の子が迫ってきた!!?
「ふふふ・・・ありがとうございます。おかげで助かっちゃいましたぁ・・・」
「へっ、あ、あぁうんそうか!うん!じゃあそろそろ降りてヒィ!」
頭の中が混乱してパニックしていると、女の子が腕をほどいて俺の頬をねっとりとした感じで撫で始めた!あ、あれぇ?おかしいぞ!さっきまで怯えていた女の子はいずこへ!
「ふふ、可愛いですね・・・」
「あ、いや、その」
「ねぇ、名前も知らないお方・・・どうして私を助けに来てくれたの?」
「ど、どうしって、悲鳴が聞こえたから気になって、そのまま流れで・・・」
「そうなんですか・・・ねぇ、これって運命だと思いませんか?」
「う、運命?」
な、何を言い出しているんだこの子は!凄い怖いんですけど!?
「えぇそう・・・不細工な男達に連れ去られた私を助けてくれた。これはまさに
運命じゃありませんか?」
「さ、さぁどうだろう?俺、運命とかそんなに信じてないからさ!」
「ふふっ、今はそうでもきっといつか信じる事になると思いますよ。私達が出会えたのは運命だって・・・ね?」
「は、ははは・・・・」
あれ、さっきピンチだった子を助けた俺が今まさにピンチじゃね?助けてさっきの男達!現在俺はお前達の登場を心待ちにしているぞ!
「ねぇ、名前も知らないお方・・・」
「は、はい?何ですか?」
「助けてくれたお礼に今から・・・」
女の子は俺の耳元にグッと近づいて来ると、甘く優しくねっとりとした声で囁く様に話しかけてきた・・・・
「い・い・こ・と・・・しませんか?」
・・・そう囁かれた瞬間、俺の頭の中が真っ白になっていた・・・そして、そんな俺を見て・・・女の子はにやりと笑うと・・・顔を・・ちかづ
(ご主人様!今どこに居るですか!!)
「はっ!」
「きゃ!」
あ、あぁ?今俺は何を!?ってか、この声マホ?
(ど、どうしたんだマホ!)
(どうしたじゃありませんよ!後少しで集合時間を迎えます!)
(え!マジで!?)
(マジです!大通りに時計が設置されていますので確認してください!)
「ちょ、ちょっとごめん!」
「え、あの」
俺は女の子を強制的に降ろして立たせると、横道から顔を出して大通りを見た。
確か、ここから時計が見れたはず!・・・よし、見えた!えっと・・・ゲッ!
もう集合時間まで10分くらいしかねぇ!!
(悪い!今向かうから!)
(早くして下さいよ!皆さんもう準備出来てるんですから!)
(分かった!じゃあまた後で!後ありがとう!助かった!)
(はい?・・・よく分かりませんが、遅刻しないでくださいね!)
(分かってるって!)
俺は荷物を抱えると、急いで横道から飛び出して大通りの方に目を向ける!
「えっと、とりあえず大通りに出て十字路を東か!」
「えっと・・・」
「悪いもう行くな!集合時間ギリギリだから!あ、こっからまっすぐ行けばすぐ大通りだから気を付けてそれじゃあ!」
「あっ」
俺は荷物を抱えると逃げようにその場から走り去った!・・・あっぶなかったぁ!てか、何だったんだあの子は?最初は怯える可愛い女の子かと思ったのに、さっきはマジで怖かったぁ・・・あのまま流されてたらどうなってたか・・・はぁ、やっぱり女の子って怖いなぁ。
今日まで鍛えてきた女の子への耐性がみるみる減っていくのを感じながら、俺は
急いで集合場所へと走っていく!そして時間ギリギリになって、何とか俺は馬車が列になって並んでいる東の門までやって来る事が出来た!それから馬車の前で俺を待つ皆を見つけると、急いで駆け寄っていった。
「はぁ・・はぁ・・・悪い、待たせた・・・」
「もうおじさん!ギリギリですよ!」
「はぁ・・まじすまん・・はぁ・・はぁ・・・ゲホッ!」
「九条さん大丈夫かい?」
「な、何とか・・・とりあえず、水飲ませてくれ・・・」
俺は人差し指を噛むように口の中に入れると、魔法を使って水をがぶ飲みした。
そして水を飲み終わると、大きく息を吐いて膝に手を置いた・・・
「はぁ、生き返った・・・」
「全くもう、おじさんったら・・・次からは余裕を持って行動してくださいね?
待っている私達も焦ったんですから。」
「いや、それについては悪いと思ってるし、俺も余裕を持って行動したかったんだけどさぁ・・・」
「・・・何かあったの?」
「ん?・・・まぁ、色々とな・・・ははっ・・・」
「・・・あの、マホさん。九条さんは大丈夫なんでしょうか?何だか乾いた笑いが
漏れ出していますけど・・・」
「まぁ大丈夫でしょう。基本的におじさんに潤いはありませんから。」
「あ、あはは・・・」
「皆さん、そろそろ出発しますから馬車に乗ってくださいね。」
「あ、はい!ほらおじさん、行きますよ。」
「了解・・・とりあえず、早く座って休みたい・・・」
俺は置いてあった荷物を持つと、体を引きずるようにして馬車に乗り込んだ・・・そして荷物を所定の位置に置いて座席に座って後ろに寄りかかると、もう一度大きく息を吐いた・・・マジで、朝から大変すぎるだろ・・・何なんだったんだ今日は?
・・・とりあえず、ミューズの街までのんびり休んどくか。折角のアトラクションが疲れて楽しめないとか損でしかないからな。
「それでは皆さん、発進しますから揺れに気をつけて下さいね。」
御者の人がそう言った直後、馬車はゆっくりと走り始めて王都の外に出た。
そこからしばらくの間、俺は皆の雑談を聞きながらボーっとしていた・・・まぁ
そのすぐ後、マホに軽く説教されて話に参加するんだけどな。
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