おっさんの異世界生活は無理がある。
第80話
彼女達が部屋から出て行った後、エリオさんが落ち着いた様子で微笑を浮かべた。
「では、旅行の計画は後で彼女達と連絡を取り合うとしましょう。」
「はい、よろしくお願いします。」
俺が頭を下げてそう言った後、隣に立っていたロイドが腕を組みながら顎に手をやりながら窓の外に目を向けた
「ふむ、じゃあこれで父さんの用事はこれで終わりって事で良いのかな?」
「まぁそうだな。」
「そうか、じゃあそろそろお暇させて頂くとしようかな。何時までもここに居ては、父さんの仕事の邪魔になりそうだからね。」
ロイドの言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中に手紙の内容が蘇って来た。そして改めて机の上を見ると、沢山の書類が山積みに置かれていた。それを見て、俺は静かに頷いていた。
「確かに、ロイドの言う通りだな。じゃあ、俺達はこれで失礼させて頂きます。」
「ははは、すみません。気を遣わせてしまったみたいで。」
「いえいえ、それじゃあ俺達はこれで失礼します。本日はお礼の件も含めて、どうもありがとうございました。」
「いえいえ、皆さんはそれだけの事をしてくれたんですから当然の事ですよ。
それと、次は気軽に遊びに来てくださいね。楽しみにしていますから。ね?」
「そうだな、私も皆さん遊びに来て下さるのを楽しみにしています。それでは・・・カーム、入っていいぞ。」
エリオさんがそう言って手を叩いた瞬間、扉が開かれてカームさんが紳士らしく
微笑みながら立っていた。そして一礼して部屋の中に入って来ると俺達に目を向けてきた。
「皆様どうぞこちらへ。お帰りの馬車を外にご用意してありますので。」
「えっ、一体いつの間に・・・」
「ふふっ、さていつでしょうか。」
悪戯っぽく笑うカームさんに連れられて部屋の外に向かった俺達は、もう一度振り返ってエリオさんとカレンさんに一礼をして部屋を出た。
「九条様、お礼の品は一体どういった物になさったんですか?もしよろしければ、
教えていただいても?」
廊下を歩いている途中、カームさんが前を歩きながらそんな事を聞いてきた。
その質問に答えようと口を開こうとした瞬間、マホは嬉しそうな声で先に答え出した。
「実は、お礼は旅行って事になったんです!」
「旅行?いったいどちらにご旅行になるご予定なんですか?」
「それがまだ分からないんですよねー。アリシアさんとシアンちゃんが計画してくれるって事になったんですけど、詳細を話さないで帰っちゃったので。」
「あぁ、そう言う事でしたか。アリシア様もシアン様もとてもやる気に満ち溢れておりましたので、何があったのかと思っていたのです。」
「やる気に・・・ねぇ。」
「そのやる気がどういった旅行に化けるのか。今から楽しみだね。」
「うーん、俺としてはのんびり出来る感じの旅行が良いんだけどなぁ。」
「えぇー!私は何て言うか、お祭りみたいな旅行が良いです!」
「ふふっ、私はマホの意見に賛成かな。皆で旅行するなら派手に行きたいね。」
「私は闘技場に行く旅行が良い。」
「いや、何だよ闘技場に行く旅行って・・・まさか参加する気か?絶対に嫌だぞ!
あんな痛い思いをもう一度味わうのは!」
「・・・良いと思うけど。」
「おやおや、これはこれは・・・」
どんな旅行が良いのかで盛り上がりながら外に出ると、カームさんが真っ先に馬車の元へ近寄り扉を開けてくれた。そして俺達の方に向き直ると、深々と丁寧にお辞儀をして来た。
「皆様、本日はお越しいただきありがとうございました。エリオ様もカレン様も、皆様と会えてとても喜んでいる様でしたし、忙しい中で息抜きも出来たと思います。」
「いえいえ!こちらこそ色々ありがとうございました。それに俺達がお二人の役に立てたなら何よりです。な?」
「あぁそうだね。カーム、母さんと父さんが体を壊さない様にしっかり頼むよ。あの人達は人の為と言って無理をする所があるからね。」
「心得ております。きちんと休息をとって頂く様にしますのでご安心を。」
「あぁ、頼んだ。いう事を聞かない場合はいつも通り実力行使でよろしく。」
「はい。了解いたしました。」
「え、実力行使って何?」
不穏な言葉が聞こえてきたので思わず聞いてみたが、2人はこっちを見てとっても爽やかな笑みを浮かべていた。
「ふふっ、聞きたいかい?それとも・・・味わいたい?」
「ロイド様、それでは九条様が・・・おっと失礼。忘れてください。」
「え、何?俺は何を味わうかもしれなかったの・・・・?」
「さぁ、それでは皆様馬車へどうぞ。」
「・・・えぇ?」
「おじさん、世の中には聞かない事が良い事もあると思いますよ?」
「知らない方が幸せかも。」
「あ、うん・・・そうね、その忠告を聞いとくとするか。」
心の中に若干だけもやっとしたものが残ったが、気にしたら負け!という事で、すっぱり忘れる事にした俺は皆と一緒に馬車に乗り込んだ。その直後、カームさんが馬車の側面を軽く叩いた。
それを合図に御者の人は馬車を発進させると、ロイドの実家を出て帰り道を進んで行く。その道中、どんな旅行なのか予想している3人の話しを聞きながら俺は窓の外を眺めていた・・・さて、どんな旅行がプレゼントされるのか楽しみだねぇ。
俺的にはのんびり温泉旅行を希望なんだけどなー!・・・まぁ、この世界に温泉があるのか知らんけどさ。
「では、旅行の計画は後で彼女達と連絡を取り合うとしましょう。」
「はい、よろしくお願いします。」
俺が頭を下げてそう言った後、隣に立っていたロイドが腕を組みながら顎に手をやりながら窓の外に目を向けた
「ふむ、じゃあこれで父さんの用事はこれで終わりって事で良いのかな?」
「まぁそうだな。」
「そうか、じゃあそろそろお暇させて頂くとしようかな。何時までもここに居ては、父さんの仕事の邪魔になりそうだからね。」
ロイドの言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中に手紙の内容が蘇って来た。そして改めて机の上を見ると、沢山の書類が山積みに置かれていた。それを見て、俺は静かに頷いていた。
「確かに、ロイドの言う通りだな。じゃあ、俺達はこれで失礼させて頂きます。」
「ははは、すみません。気を遣わせてしまったみたいで。」
「いえいえ、それじゃあ俺達はこれで失礼します。本日はお礼の件も含めて、どうもありがとうございました。」
「いえいえ、皆さんはそれだけの事をしてくれたんですから当然の事ですよ。
それと、次は気軽に遊びに来てくださいね。楽しみにしていますから。ね?」
「そうだな、私も皆さん遊びに来て下さるのを楽しみにしています。それでは・・・カーム、入っていいぞ。」
エリオさんがそう言って手を叩いた瞬間、扉が開かれてカームさんが紳士らしく
微笑みながら立っていた。そして一礼して部屋の中に入って来ると俺達に目を向けてきた。
「皆様どうぞこちらへ。お帰りの馬車を外にご用意してありますので。」
「えっ、一体いつの間に・・・」
「ふふっ、さていつでしょうか。」
悪戯っぽく笑うカームさんに連れられて部屋の外に向かった俺達は、もう一度振り返ってエリオさんとカレンさんに一礼をして部屋を出た。
「九条様、お礼の品は一体どういった物になさったんですか?もしよろしければ、
教えていただいても?」
廊下を歩いている途中、カームさんが前を歩きながらそんな事を聞いてきた。
その質問に答えようと口を開こうとした瞬間、マホは嬉しそうな声で先に答え出した。
「実は、お礼は旅行って事になったんです!」
「旅行?いったいどちらにご旅行になるご予定なんですか?」
「それがまだ分からないんですよねー。アリシアさんとシアンちゃんが計画してくれるって事になったんですけど、詳細を話さないで帰っちゃったので。」
「あぁ、そう言う事でしたか。アリシア様もシアン様もとてもやる気に満ち溢れておりましたので、何があったのかと思っていたのです。」
「やる気に・・・ねぇ。」
「そのやる気がどういった旅行に化けるのか。今から楽しみだね。」
「うーん、俺としてはのんびり出来る感じの旅行が良いんだけどなぁ。」
「えぇー!私は何て言うか、お祭りみたいな旅行が良いです!」
「ふふっ、私はマホの意見に賛成かな。皆で旅行するなら派手に行きたいね。」
「私は闘技場に行く旅行が良い。」
「いや、何だよ闘技場に行く旅行って・・・まさか参加する気か?絶対に嫌だぞ!
あんな痛い思いをもう一度味わうのは!」
「・・・良いと思うけど。」
「おやおや、これはこれは・・・」
どんな旅行が良いのかで盛り上がりながら外に出ると、カームさんが真っ先に馬車の元へ近寄り扉を開けてくれた。そして俺達の方に向き直ると、深々と丁寧にお辞儀をして来た。
「皆様、本日はお越しいただきありがとうございました。エリオ様もカレン様も、皆様と会えてとても喜んでいる様でしたし、忙しい中で息抜きも出来たと思います。」
「いえいえ!こちらこそ色々ありがとうございました。それに俺達がお二人の役に立てたなら何よりです。な?」
「あぁそうだね。カーム、母さんと父さんが体を壊さない様にしっかり頼むよ。あの人達は人の為と言って無理をする所があるからね。」
「心得ております。きちんと休息をとって頂く様にしますのでご安心を。」
「あぁ、頼んだ。いう事を聞かない場合はいつも通り実力行使でよろしく。」
「はい。了解いたしました。」
「え、実力行使って何?」
不穏な言葉が聞こえてきたので思わず聞いてみたが、2人はこっちを見てとっても爽やかな笑みを浮かべていた。
「ふふっ、聞きたいかい?それとも・・・味わいたい?」
「ロイド様、それでは九条様が・・・おっと失礼。忘れてください。」
「え、何?俺は何を味わうかもしれなかったの・・・・?」
「さぁ、それでは皆様馬車へどうぞ。」
「・・・えぇ?」
「おじさん、世の中には聞かない事が良い事もあると思いますよ?」
「知らない方が幸せかも。」
「あ、うん・・・そうね、その忠告を聞いとくとするか。」
心の中に若干だけもやっとしたものが残ったが、気にしたら負け!という事で、すっぱり忘れる事にした俺は皆と一緒に馬車に乗り込んだ。その直後、カームさんが馬車の側面を軽く叩いた。
それを合図に御者の人は馬車を発進させると、ロイドの実家を出て帰り道を進んで行く。その道中、どんな旅行なのか予想している3人の話しを聞きながら俺は窓の外を眺めていた・・・さて、どんな旅行がプレゼントされるのか楽しみだねぇ。
俺的にはのんびり温泉旅行を希望なんだけどなー!・・・まぁ、この世界に温泉があるのか知らんけどさ。
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