おっさんの異世界生活は無理がある。
第78話
どう反応したもんかと固まっていると、シアンが嬉しそうに微笑みながらこっちに駆け寄ってきた。そしてそのまま俺に抱き着いてきた?!突然の事に驚いていると、マホも俺と同じ様に驚きの表情を浮かべるとこっちに近寄って来た!
「シアンちゃん!突然何をしているんですか!」
「えへへー!抱き着いてます!」
俺の腹に頭をぐりぐり押し付けながら笑顔でそう言ったシアンを見て、マホは頬を膨らませてシアンの体を引っ張り始めた!
「何を嬉しそうに言っているんですか!とりあえずおじさんから離れてください!」
「いーやーでーすー!」
必死になって引きはがそうとしているマホとそれに耐えているシアン!てか何この状況!?一体全体どうしてこうなった!
「ふふっ、随分とモテモテだね九条さん。羨ましい限りだよ。」
「羨ましいなら変わったろうか!ぐぅ!」
腰回りで攻防が行われる中、面白そうにこっちを見ているロイドにそう提案してやった!だがロイドは首を横に振ると、くすくす笑いながら俺達を見ていた。
「いや、遠慮しておこう。その熱い抱擁は九条さんの為の物だからね。」
ロイドの言葉を聞いて、隣で同じ様にこっちを見ていたソフィが小さく頷いていた!何か言ってやろうと思ったが、結構きつめに腰が締め付けられる!
「ぐうう!?」
「ほら!おじさんが痛がっていますから離れてください!」
「それはマホちゃんが私を引っ張るからですよね!?マホちゃんが私から離れてください!」
「どうして私が離れるんですか!私はおじさんの相棒ですよ!」
「それを言うなら、おじさんは私とお姉様の恩人です!」
「「むぅー!」」
「いや、もうどっちも離れてくれない!?」
そう叫んでみた物の2人に俺の声は聞こえていなかったらしい!その時、アリシアさんが申し訳なさそうな表情でこっちに歩いて来た。そして俺の腰に抱きついているシアンに向かって優しく怒るように話しかけ出した。
「こらシアン、九条さんに急に抱き着いたりしたら失礼でしょ?」
「むぅー、だって会えたら嬉しくて抱きしめたくなっちゃたんですもの。」
アリシアさんに失礼と言われた瞬間から、シアンの力が徐々に弱くなり始めた。
「それでも突然抱き着いたりしたら失礼です。ほら、離れなさい。」
優しく微笑みながらそう言われたシアンは、俺の腰からゆっくりと離れていった。そしてアリシアさんの手を握ると、小さく頭を下げた。
「・・・九条さん、突然抱き着いたりしてごめんなさい。マホちゃんもごめんね?」
「え、あぁ突然の事で驚きはしたが怒っちゃないから大丈夫だぞ。」
「はい!私ももう怒ってません!」
「・・・そもそもマホは何で怒ってたの?」
「ちょっとした嫉妬です!」
「あぁ、そう・・・」
いや、どう反応しろってんだ!おいこらロイド、ニヤニヤしながらこっちを見るんじゃない!ソフィを見習って無表情にでもなってなさい!・・・それもそれで何だか寂しいけどさ!
そんなこんなで場が収まったので、俺達は揃ってエリオさんとカレンさんの元へ向かった。そして2人の目の前に立つと、改めてお辞儀をして挨拶をする。
「今日はお招き頂きありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそご足労頂きありがとうございます。本当は私達が直接出向いてあげられれば良かったのですが、なにぶん色々と事後処理がありまして・・・」
「いえ、お察しいたします・・・それであのーちょっと聞きたい事が・・・」
「おや、どうかいたしましたか?」
「えっとですね・・・」
俺は机の横に立っている姉妹に顔を向けた・・・シアンはニコニコしているが、
アリシアさんは気まずそうに視線を下に向けている。
まぁ、そりゃパーティー会場で散々な事を言った方と言われた方だからな。正直、俺も若干の気まずさを感じている訳で・・・そんな感じの俺達を交互に見たエリオさんは、あぁと何かを感じ取った。
「彼女達がどうしてこの場に居るのか、ですよね?」
「・・・まぁぶっちゃけるとそんな感じです。」
俺がそう言うと、アリシアさんの横に立っていたシアンが彼女のスカートの裾を掴んで軽く引っ張りだした。
「お姉様、今度はお姉様の番ですよ。」
シアンにそう言われたアリシアさんは、前の方で組んだ手に力を入れると顔を上げて真剣な表情で俺達・・・ってか、俺の事を見てきた?
「あの・・・九条様!」
「は、はい!」
「先日は・・・大変失礼いたしました!」
アリシアさんは悲痛な表情でそう叫ぶと、バッと頭を下げてきた。そしてシアンもまた、同じ様に頭を下げていた。
「え、あ、いや・・・」
謝った経験は山ほどあるが、謝られた経験が無い俺はどうした物かと戸惑いながら首筋を触っていた・・・
「それから・・・」
何と声をかけるべきか考えていると、アリシアさんが顔を上げて嬉しそうな、
それでいて泣きそうな、何とも言い表せない・・・だがとても綺麗に微笑みながら
俺達の事を見てきた。
「私達を助けてくださって・・・本当にありがとうございました。」
・・・その言葉は、恐らく俺の人生の中で一番嬉しかった言葉な気がする。
「シアンちゃん!突然何をしているんですか!」
「えへへー!抱き着いてます!」
俺の腹に頭をぐりぐり押し付けながら笑顔でそう言ったシアンを見て、マホは頬を膨らませてシアンの体を引っ張り始めた!
「何を嬉しそうに言っているんですか!とりあえずおじさんから離れてください!」
「いーやーでーすー!」
必死になって引きはがそうとしているマホとそれに耐えているシアン!てか何この状況!?一体全体どうしてこうなった!
「ふふっ、随分とモテモテだね九条さん。羨ましい限りだよ。」
「羨ましいなら変わったろうか!ぐぅ!」
腰回りで攻防が行われる中、面白そうにこっちを見ているロイドにそう提案してやった!だがロイドは首を横に振ると、くすくす笑いながら俺達を見ていた。
「いや、遠慮しておこう。その熱い抱擁は九条さんの為の物だからね。」
ロイドの言葉を聞いて、隣で同じ様にこっちを見ていたソフィが小さく頷いていた!何か言ってやろうと思ったが、結構きつめに腰が締め付けられる!
「ぐうう!?」
「ほら!おじさんが痛がっていますから離れてください!」
「それはマホちゃんが私を引っ張るからですよね!?マホちゃんが私から離れてください!」
「どうして私が離れるんですか!私はおじさんの相棒ですよ!」
「それを言うなら、おじさんは私とお姉様の恩人です!」
「「むぅー!」」
「いや、もうどっちも離れてくれない!?」
そう叫んでみた物の2人に俺の声は聞こえていなかったらしい!その時、アリシアさんが申し訳なさそうな表情でこっちに歩いて来た。そして俺の腰に抱きついているシアンに向かって優しく怒るように話しかけ出した。
「こらシアン、九条さんに急に抱き着いたりしたら失礼でしょ?」
「むぅー、だって会えたら嬉しくて抱きしめたくなっちゃたんですもの。」
アリシアさんに失礼と言われた瞬間から、シアンの力が徐々に弱くなり始めた。
「それでも突然抱き着いたりしたら失礼です。ほら、離れなさい。」
優しく微笑みながらそう言われたシアンは、俺の腰からゆっくりと離れていった。そしてアリシアさんの手を握ると、小さく頭を下げた。
「・・・九条さん、突然抱き着いたりしてごめんなさい。マホちゃんもごめんね?」
「え、あぁ突然の事で驚きはしたが怒っちゃないから大丈夫だぞ。」
「はい!私ももう怒ってません!」
「・・・そもそもマホは何で怒ってたの?」
「ちょっとした嫉妬です!」
「あぁ、そう・・・」
いや、どう反応しろってんだ!おいこらロイド、ニヤニヤしながらこっちを見るんじゃない!ソフィを見習って無表情にでもなってなさい!・・・それもそれで何だか寂しいけどさ!
そんなこんなで場が収まったので、俺達は揃ってエリオさんとカレンさんの元へ向かった。そして2人の目の前に立つと、改めてお辞儀をして挨拶をする。
「今日はお招き頂きありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそご足労頂きありがとうございます。本当は私達が直接出向いてあげられれば良かったのですが、なにぶん色々と事後処理がありまして・・・」
「いえ、お察しいたします・・・それであのーちょっと聞きたい事が・・・」
「おや、どうかいたしましたか?」
「えっとですね・・・」
俺は机の横に立っている姉妹に顔を向けた・・・シアンはニコニコしているが、
アリシアさんは気まずそうに視線を下に向けている。
まぁ、そりゃパーティー会場で散々な事を言った方と言われた方だからな。正直、俺も若干の気まずさを感じている訳で・・・そんな感じの俺達を交互に見たエリオさんは、あぁと何かを感じ取った。
「彼女達がどうしてこの場に居るのか、ですよね?」
「・・・まぁぶっちゃけるとそんな感じです。」
俺がそう言うと、アリシアさんの横に立っていたシアンが彼女のスカートの裾を掴んで軽く引っ張りだした。
「お姉様、今度はお姉様の番ですよ。」
シアンにそう言われたアリシアさんは、前の方で組んだ手に力を入れると顔を上げて真剣な表情で俺達・・・ってか、俺の事を見てきた?
「あの・・・九条様!」
「は、はい!」
「先日は・・・大変失礼いたしました!」
アリシアさんは悲痛な表情でそう叫ぶと、バッと頭を下げてきた。そしてシアンもまた、同じ様に頭を下げていた。
「え、あ、いや・・・」
謝った経験は山ほどあるが、謝られた経験が無い俺はどうした物かと戸惑いながら首筋を触っていた・・・
「それから・・・」
何と声をかけるべきか考えていると、アリシアさんが顔を上げて嬉しそうな、
それでいて泣きそうな、何とも言い表せない・・・だがとても綺麗に微笑みながら
俺達の事を見てきた。
「私達を助けてくださって・・・本当にありがとうございました。」
・・・その言葉は、恐らく俺の人生の中で一番嬉しかった言葉な気がする。
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