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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第55話

ソフィがギルドに加って1ヶ月ぐらい過ぎた。その間に闘技場の新しい王者が決まったり、街にある木々が紅葉しだしたりと色々な事が起きていた。というか、この世界にも四季ってちゃんとあるんだな・・・まぁそんな事はどうでもいい!

実は、我が家に新しい同居人が増えた・・・ソフィーだ。何でもラノベを読んで、仲間とは寝食を共にする物と思ったらしく一緒に住まわせて欲しいとお願いされた。

勿論最初は断ろうと思ったさ。それはフィクションで現実では一緒に暮らす男女の仲間はいないんじゃないか?とな・・・だがそう言ったらソフィは何だか悲しそうな顔をするし、そんなソフィを見てマホが俺に必死にお願いしてくるし、ロイドはそれじゃあ私も迷惑だったのかな・・・てな感じで寂しそう俺を見て来るし・・・結果、断るという選択肢は消し飛び我が家の客間がまた1つ無くなりましたとさ。

まぁ、近隣住民もいない事だしメチャクチャ気を付ければ何とかなるだろきっと!最悪の場合、ロイドの家の力を使って何とかしてもうしかないがな。さて、そんな事になってから俺達の日常は少し変化した。まず、家事を当番制にした。だって4人もいるんだからローテーション組んだ方が楽になるだろ?

基本的に、炊事、洗濯、掃除、休みをぐるぐる全員で回す事にした。ただロイドは家の事情でそれが出来ない時があるので、そう言う時は俺がやる事にしているがな。

それからは慌ただしくも充実した毎日が続いていた。ソフィの願望と言う事もあり、全員でダンジョンに行ったり、クエストをこなして金を稼いだり、紅葉を見ながらピクニックを楽しんだりとまぁ至って平和な毎日を送っていた。

そして今日も討伐クエストをこなして帰って来た俺はある場所にいた。そこは何処かと言うと・・・

「・・・あぁ・・・生き返るぅ・・・」

俺は、ロイドの家の風呂に入っていた。実は初めてロイドの家の風呂を借りた時、あまりの広さに感動して、たまに風呂を使わせてもらっている。だって広くてのんびり出来て最高なんだもの・・・

ロイド達は我が家の風呂の方が落ち着いて良いと言っていたがな。うーん、いつも使っている風呂が広すぎると逆に狭い風呂の方が落ち着くんだろうか?
俺はそんな事を考えながら湯船につかって1日の疲れを癒していた。

「はぁ、マジで最高だな・・・最近は何だか充実した毎日を送れているし、これといって面倒事もないし・・・こんな感じがずっと続けばいいんだけどなぁ・・・」

そんな事を言ってしまったのが原因なんだろうか。突然、風呂場の照明がふっと消えてしまった。

「ん?何だ?」

まさか俺の言葉がフラグになったのか?いやいや、まさかそんな事ある訳ないよな。そう思った瞬間、家の中に物凄い爆発音の様な物が聞こえて来た!な、何だ?!
慌てて風呂から出ると、俺は脱衣所にある着替えを取りに行こうと風呂場の扉に手をかけた。それと同時に、脱衣所と玄関を通じる扉が開く音がし、複数の人間の足音と話し声が聞こえて来た。

「おい、いたか!」

「いや、2階にはいなかった!」

「早くしないと、電気系統を繋ぐ魔力が復帰するぞ!」

おいおいおい、一体何なんだ!?俺は扉からゆっくり手を離すと、近くに置いてあった木桶を手に取り風呂の中へと戻って行った。そして木桶を頭からかぶると湯の中に沈んで隠れる。
クソっ!こいつら馬鹿じゃねぇの?!なんでおっさんが入浴してる所にわざわざ侵入してくるんだよ!普通は美少女の入浴している所に侵入してのサービスシーンだろうが!ここには全裸のおっさしかいねぇよ!

そんな事を考えていると、風呂場の扉が開き侵入者が入ってくる足音が聞こえて来た。どうする・・・早く何とかしないと、全裸のおっさんと侵入者による最低なサービスシーンが始まる!そんな事になるのは死んでも御免だ!俺は風呂の中で、必死に打開策を考える。その時、ぴちゃぴちゃと音を立てながら足音がこっちに近づいてきた。やばい、もう時間がない!・・・いや、でもこれならどうにかなるか?ええい!もう考えてる時間がねぇ!一か八かやってやる!

俺は風呂の底に手をつき魔法を発動する!その瞬間、風呂の湯が巨大な波となって侵入者達に襲い掛かる!

「ぐわぁ!!」

侵入者たちは叫び声をあげながら、風呂場の壁に叩きつけられていった!その隙に、俺は風呂から出て木桶を下に置きその上に立つ!そして侵入者たちに向けて電撃を撃つ!

「「「ぎゃあああああ!!!」」

侵入者達は、ずぶ濡れになった体にまともに電撃を食らい叫び声をあげた。そして、そのまま全員がバタリと倒れこみ動かなくなった。俺は深く深呼吸をすると木桶から降りる。

「はぁ・・・一体何誰なんだこいつら。てかやっべ、波で風呂場の扉がぶっ壊れてる・・・これ弁償するとなると幾らぐらいかかるんだ?てか服は濡れてねぇだろうな!?」

俺は慌てて脱衣所に入っていくと、自分の服が無事か確認する。良かったぁ・・・特に濡れてないみたいだ。てか、玄関の方までお湯が流れて行ったみたいだな・・・扉は壊れてないけど・・・はぁーあ、後でロイドに謝らないとな・・・

「おい!突然お湯が流れて来たがなにがっ」

突然、扉が開かれ玄関の方から侵入者が現れた!そいつは手に何やら棒状の物を持って俺を見て驚いていた。しかし、すぐに冷静さを取り戻したのか武器を振り上げ襲い掛かって来た!

「ぐっ!」

俺は服を入れていた籠で攻撃を防ぐ!そのせいで、中に入っていた服が地面に落ちて濡れてしまったが構ってられるか!俺はすかさず侵入者の腹に蹴りを入れる!勿論、足に風をまとわせ吹き飛ばす事も忘れずにな!
俺の蹴りをまともに食らった侵入者は、そのまま扉を突き破り玄関の方へ吹き飛んだ。しかし、どうやら装備をしっかりしていた様ですぐに起き上がり反撃をしようとしていた!だが、玄関も水浸しになっていたおかげで侵入者もずぶ濡れになっていた!だったら、同じようにやるだけだ!
俺は籠の上に立つと侵入者に電撃を撃つ!侵入者はさっきの奴らと同じ様に叫び声をあげると、そのまま気絶していった。

「はぁ、何なんだよマジで・・・他にはいないだろうな?」

しばらく警戒していたが、特に何も起きなかった。その事に安堵のため息を吐くと、パッと風呂場の電気が付いた。それと同時に、家の中にアラート音が鳴りだした。

「な、何だ?!」

突然の音に驚いていると、玄関の方から誰かが入ってくる足音が聞こえて来た。まさか、別の侵入者か?!そんな事を思っていると、聞き覚えのある声が聞こえて来た。

「大丈夫かい九条さん!」

「この声は、ロイ」

ロイドの名前を呼ぼうとした瞬間、俺は自分の状況を思い出した。あっ、ヤバい!

「ちょちょちょ、待てロイド!」

「どうしたんだ!まさか何かあったのかい!?」

いや、確かに何かあるけども!俺は慌てて下に置いた籠で大事な所を隠した。それと同時に、玄関の方から武器を持ったロイドが姿を現した。ロイドは俺の姿を見ると、はぁー・・・と息を吐き笑顔になり俺に話しかけてきた。

「良かった。見た所、どこにも傷は無いようだね。」

「い、いや。そういう事じゃなくてさ。」

「九条さん、大丈夫だった?」

そう言いながら、今度はソフィが脱衣所へやって来た。そして俺を見ると、小さく頷いた。

「うん、元気そうで何より。」

「いやだからさ・・・」

「ご主人様!お怪我はありませんか?!」

大声で俺の事を心配しながら、今度はマホが玄関の方からやって来た。そして俺と顔を見て、安堵のため息を吐く。

「良かったぁ・・・ご無事そう・・・で・・・・え?」

マホは俺の顔を見た後、視線を下へと下げて行った。そしてそのままどんどん顔を赤くしていく。

「きゃ、きゃあああ!!」

そして大きな叫び声をあげながら、両手で顔を隠した。でも、しっかり指の間開いてますけどね!?

「な、なんて格好しているんですかご主人様!」

「いや、風呂入ってたんだから当たり前だろ!?それより、早く2人を連れて出てってくれ!」

俺は若干涙目になりながらマホに訴えかける。

「あっ!そ、そうですよね!ほら2人共、早く外に出ますよ!」

「あぁ、そう言えば九条さんは今生まれたままの姿だったね。すまない、配慮が足りなかったね。さぁ、ソフィ外で待っていようか。」

「分かった。ごめんね九条さん。」

「そ、それじゃあ外で待ってますから!」

そう言って、顔を真っ赤にしたマホは2人を連れて外に出て行ってくれた。ていうか・・・・えぇ?普通の女の子ってマホみたいな反応するのが一般的じゃないのか?それとも、俺はロイド達に男として認識されていなのかしら・・・そんな不安を抱きつつ、俺は地面に落ちて濡れてしまった服を拾い上げると、魔法で熱風を出し乾かして着た。
その後、風呂場で気絶してる奴らを一カ所にまとめてもう一度電撃を撃っておく。うん、特に叫び声も上げずにビクンビクンしてるだけだな。ついでに玄関で気絶している奴にも一発撃っておく。そして外に出た俺は、皆と合流した。

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