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おっさんの異世界生活は無理がある。

祐一

第49話

時間は経ち、修復をしていた作業員の人が会場から出て行った。少しすると、実況の声が会場に聞こえてきた。

『それでは修復作業が終了しましたので、ナインティアのお二人は会場に移動をお願いします!』

「よし、それじゃあ会場に行くか。」

「了解。」

俺達が入場口から会場の中央へ向かって歩いて行くと、客席から沢山の歓声が聞こえてきた。・・・最初の頃は緊張で吐きそうにもなっていたが、流石にこれにも慣れたな。

『さぁ!いよいよ王者との試合が始まります!!決勝戦では九条選手が奮闘を見せ、勝利を勝ち取る事が出来ました!この試合では、ロイド選手との共闘も期待できる事でしょう!』

実況の声に、ロイドはやれやれといった感じで肩をすくめて笑っていた。

「おや、私は随分と期待されているみたいだね。」

「そりゃあ後ろのファンの子達の声援を聞けば分かるだろ。これで期待されてないって思う方が無理だな。」

だって背後から、ロイドのファンの子達からの声援がめちゃくちゃよく聞こえてくるからな。

「だったら、その期待には応えないとね。」

ロイドはキメ顔でそう言うと、持っている武器を軽く一振りした。その直後、またもや女の子達の歓声が聞こえてくる。いや、何かもう凄すぎて驚くのも疲れたな。
むしろこんだけ人気者のロイドを間近で見れる事に誇りを持った方が楽かもしれないな。なんて事を考えていると、実況の声が響いてきた。

『それでは皆様お待たせいたしました!いよいよ王者の準備が整ったようです!闘技場に現れ、怒涛の勢いで勝ち進み王者になってから半年間。未だに無敗の記録が続く生きる伝説!この伝説に、ナインティアはどう立ち向かうのか!?それでは、盛大な拍手で迎えましょう!王者、ソフィ選手の入場です!』

実況がそう紹介した瞬間、今日聞いた中で一番の歓声が鳴り響いた!正直、空間が揺れてんじゃねぇのか?ぐらいの勢いだったからマジで驚いてしまった。まぁ、隣にいるロイドは余裕の笑みを浮かべていたのだが・・・

『圧倒的な技術で相手を翻弄ほんろうする事もあれば、一瞬で試合を決められるだけの実力もあります!今回の試合では、どのような勝負が見られるのでしょうか!』

「・・・一瞬で決着がつくのはさけたいんだけどな。」

「そうだね。ここまで来たんだ、絶対に勝ってみせるさ。」

ロイドがそう決意を固めると、入場口の奥からソフィが歩いてくる姿が見えた。そして、ソフィが会場に入った瞬間、更に会場内の熱気が上がった気がする。
しかしソフィはそんな事を気にする素振りも見せず、俺達の前までやって来ると落ち着いた表情で話しかけてきた。

「久しぶりだね。本当に来てくれたんだ、びっくり。」

「いやびっくりって・・・そんな顔に見えないんだが。まぁいいや、久しぶり。」

「うん。ロイドも来たんだね。」

「まぁね、私は九条さんと同じギルドだからね。それに一度は闘技場に参加してみたかったら、参加させてもらったよ。まさか、君の前に立つ事が出来るなんてね。私も驚きだよ。」

「驚く事はないと思う。ロイドはとても強いから。」

「ふふっ、ありがとうソフィ。あぁ、それと九条さんから聞いたよ。君のちょっとした願い事を。」

「・・・そうなんだ。」

「まぁ、だからって訳じゃないが・・・全力で勝ちに行かせてもらうよ。」

ロイドはそう言うと、武器を構えてソフィを睨んで闘志をみなぎらせている。

『おぉっと!これはロイド選手!武器を構えると、王者に向かって宣戦布告をしました!ソフィ選手!これにどう答えるのか!?』

ソフィはロイドの言葉を受け、静かに武器を構えるとゆっくりと目を閉じた。

「うん、私も勝ちに行く。全力で。」

そう言ってソフィが目を開くと、突然肌がピリピリとする様な感覚が襲ってきた。
うわぁ、これが殺気って事かしら。まさか実際に肌で感じられる日が来るとは・・・ある意味貴重な経験なんだろうか?

『ソフィ選手!ロイド選手の挑発に真っ向から返事をしました!これは目が離せそうにありません!!』

ははは、俺の空気になる力マジで凄いな。っていうか・・・

「はぁ、凄いやる気だねぇ・・・」

俺は二人のやりとりを見て苦笑いを浮かべると、武器を構えてソフィを見る。すると、突然ソフィがこちらを見て小さく笑った。

「・・・ありがとう。ここまで来てくれて。」

・・・・あぁもう!!いちいち俺の心臓に攻撃をするじゃないよ!美少女の微笑とか心臓が張り裂けそうになるだろうが!!・・・しかし、ここは大人としてクールな対応を見せようじゃないか。

「おいおい、これから倒される相手に感謝しないほうが良いんじゃないのか?」

「私に勝つつもりなんだ。」

「当たり前だろ?じゃなきゃここまで来た意味が無いからな!行くぞ、ロイド!」

「あぁ、かならず勝ってみせる!」

俺達は武器を強く握りしめ、覚悟を決める!何としてでも絶対に勝ってやるからな!

「そう。でも、私も負けるつもりは無いから。」

ソフィがそう告げた瞬間、試合開始を告げる実況の声が鳴り響く!!

『いよいよ最後の試合が始まります!泣いても笑ってもここで全ての決着がつきます!勝つのは無敗を貫き続けてきた王者か!それとも、初参加にもかかわらずここまで勝ち上がって来たナインティアか!?それでは!試合開始です!!』

次の瞬間、客席からあふれる割れんばかりの声援と、試合開始を告げるブザーが会場内に鳴り響いた!!

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